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世界の中心で愛を叫んだけもの

せかいのちゅうしんであいをさけんだけもの

世界の中心で愛を叫んだけもの(The Beast that Shouted Love at the Heart of the World) とは、ハーラン・エリスンの小説。あるいはそれが収録された短編小説集のタイトル。
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概要編集

初出はSF雑誌『Galaxy1968年6月号』。日本では1974年SFマガジンに日本語訳版が収録された。

その内容は非常に難解。初見は間違いなくなるほどわからんになってしまう。

癖の強い作品だが、それゆえに人々を世代を超えてひきつける愛の物語であることには間違いない。


あらすじ編集

人類が暮らす世界にて、一人の男が廃墟にてパンドラの箱を開いた。


人類が暮らす世界よりもはるかに上位に位置する別の次元が存在していた。

あらゆる時間・空間を超越した向こうに存在する究極の中心、交叉時点『クロスホエン』である。

そこに暮らす人々は悪しき獣の存在を"排出"することで世界の均衡を保とうと考えた。

しかしある一人の科学者の手により均衡は破られ、世界に悪意という名の愛が降り注ぐ。


遠い未来、人々が宇宙にフロンティアを拡大した時代。

彫刻室座の楕円星雲探検隊はとある星で特異な表情をした一人の男の彫像を発見した。


現代。あらゆる手段を使って大勢の人間を殺した殺人鬼ウィリアム・スタログに死刑が言い渡された。

あの彫像と同じ顔をして、スタログは叫んだ。


「おれは世界中のみんなを愛してる。ほんとうだ、神様に誓ってもいい。おれはみんなを愛してる、おまえたちみんなを!」


短編集『世界の中心で愛を叫んだけもの』編集

1969年にエイヴォンパブリクションズ社から出版。浅倉久志・伊藤典夫による邦訳版は1973年ハヤカワSFシリーズの一冊として出され、1979年にハヤカワSF文庫に収められた。

収録作品編集

  • 世界の中心で愛を叫んだけもの
  • 101号線の決闘
  • 不死鳥
  • 眠れ、安らかに
  • サンタ・クロース対スパイダー
  • 鈍いナイフで
  • ピトル・ポーウォブ課
  • 名前のない土地
  • 雪よりも白く
  • 星ぼしへの脱出
  • 聞いていますか?
  • 満員御礼
  • 殺戮すべき多くの世界
  • ガラスの小鬼が砕けるように
  • 少年と犬

その他編集

日本では内容そのものよりもアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』最終話のサブタイトル「世界の中心でアイを叫んだけもの」、および片山恭一のベストセラー小説『世界の中心で、愛をさけぶ』の元ネタとして知られている。

前者のほうはオリジナル作品の最終話のサブタイトルにSF小説のタイトルを引用するというガイナックスの通例にのっとっている。

ただし『エヴァ』監督の庵野秀明は本作は読んだことがなかったとインタビューで発言している。

後者のほうはというと、元々は『恋するソクラテス』というタイトルの予定だったのが、編集者の助言により『世界の中心で、愛をさけぶ』となったという。一説によると本作を知らなかった編集者が『エヴァ』から孫引きしたといわれているが定かではない。


関連項目編集

SF小説

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