概要
第三次世界大戦後の荒廃したサンフランシスコを舞台とし、賞金稼ぎのリック・デッカードが、火星から逃亡してきた8体の人造人間(アンドロイド)を「処理」するというあらすじ。
電気動物やムードオルガン、マーサー教など、ディック独自の世界観の上に描かれている。
この世界では自然が壊滅的打撃を受けているために、生物は昆虫一匹と言えども法によって厳重に保護されている。
一方で科学技術は発達し、本物そっくりな機械仕掛けの疑似生物が存在している。その技術により生み出された人造人間は感情も記憶も持ち、自分自身ですら自分が機械であることを認識できないほどのものすら存在している程。
主人公リックは、他者への共感の度合いを測定するテスト(フォークト=カンプフ感情移入度測定法)によって人造人間を判別し、廃棄する賞金稼ぎである。
この世界での生物は無条件の保護を受ける一方で、逃亡した人造人間は発見即廃棄という扱いとなっており、主人公のような賞金稼ぎの生活の糧となっている。
題名は、一見すると奇妙な問いかけである。
だが内容はその奇異さに違わぬもので、主人公は人造人間を処理していく中であまりに人間らしい人造人間に会いすぎ、次第に人間と人造人間の区別を付けられなくなってゆく。
人間とは何か? 人間と人工知能の違いは? 作品の根源的な思想を素朴な問いかけに集約した、主人公のこの一言が、そのまま本作品の題名となっている。
この特徴的かつ先進的な題名と題材は、後年の捜索にも大きな影響をもたらし、現在ではロボット系に関わる多くのパロディを生みだしている。
本作は1982年に公開された映画『ブレードランナー』の原作にもなり、監督はリドリー・スコット、主人公のデッカード役はハリソン・フォードが務め、高い評価を得た。
関連タグ
SF アンドロイド 第三次世界大戦 ブレードランナー
関連作品
- スナッチャー:アンドロイドの立ち位置は違うが、主人公がアンドロイド処理人なのは同じ。他にも影響を受けまくっている。
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