概要
1953年にレイ・ブラッドベリが書いたSF小説。1964年に映画化された(映画の日本語タイトルは『華氏451』)。
華氏451度≒摂氏232.78度は紙が燃え出す温度を意味する。
「国家による情報の検閲」を題材とした、「ディストピアもの」の代表的作品の一つ。「焚書」を題材としていることが知られるが、作者は後年のインタビューで「作品のテーマはテレビによる文化の破壊」と明言している。(日本でも1956年に評論家の大宅壮一が生み出した「一億総白痴化」(テレビを見ていると馬鹿になる)と言う言葉が流行ったことがある)。
物語
情報は全てラジオやテレビの音声や画像からのみもたらされる世界。「市民に有害情報をもたらさせず、社会の秩序を守る」という名目の元に本の所持や読書は禁じられていた。
本の所持者は「ファイアマン」(本来は「消防士」の意味)と呼ばれる機関に摘発され、本は即刻燃やされ、密告制度により市民はお互いに監視もしていた。その結果、人々の思考力と記憶力は失われていっていた。
そんな世界で生きるファイアマン隊員ガイ・モンターグは、クラリスという女性と出会い彼女との交流から自分の行いに疑問を感じ始める。
その後本を拾って読み、社会への疑問を感じ始めるが、本の所持が発覚して彼は追われる身となってしまった。
余談
本小説のタイトルから派生して、法的理由により取得不能を意味するHTTPステータスコードとしてHTTP 451という物が制定された。