俺が、超能力秘密結社だ!
概要
世界の闇と戦う(長いので省略)とは、小説家になろうで連載中のWeb小説であり、2019年現在、二巻まで販売されている書籍化小説である。
内容は、一言で言えば、ひょんなことから超能力を手に入れた普通の青年、佐護杵光が超能力を巡るドタバタに巻き込まれるという、いわゆる巻き込まれ型のコメディである。
しかし、通常の巻き込まれコメディとの最大の相違点、そして本作最大の特徴として、巻き起こるドタバタが全て本人が起こしているマッチポンプであり、いわばこれは、TRPGの舞台裏を主軸にした楽屋ものであるという点が、この作品の魅力である。
また、異世界転移や俺TUEEEなど、なろうの定番ネタを使いながらも、それで全てを解決しないというアンチテンプレの要素も持っており、基本的には邪道を攻めるタイプの小説である。
あらすじ
普通の高校生、佐護杵光はある日、フローリングの食べかすを取ろうとして念力に目覚める。
余りにも自然に念力に目覚めた佐護は、世界で自分だけが超能力に目覚めたことを知り、興奮しつつもそれを隠して念力を鍛え始めることにする。
自分だけの密かな趣味として念力を鍛え続けた佐護は、そのまま高校を卒業して大学入学、大学在学中には自分以外の超能力者を探し始めるも、それらは全て空振りに終わってそのまま卒業(本人曰く、クソ現実)し、就職する。
なし崩し的にブラック企業に入社した佐護は、せっかくの超能力を何も利用することなく、ブラック企業でこき使われる日々を過ごしながら生活に疲れていき、そこでふと深夜アニメを目撃する。
そこでは、魔法か何かで戦う少年少女のストーリーが展開され、そのことで心の何かがキレた佐護は決意する。
「俺が超能力秘密結社になってやる!!」
こうして、佐護杵光によって世界の闇と戦う秘密結社である『天照』は結成され、世界を巻き込んだ壮大なマッチポンプが開幕することになる。
主人公の持つ能力。
あらすじの項に書いてある通り、基本的にこの作品は普通の現代日本の日常を舞台にしている。
しかしその中でなぜか主人公の佐護は超能力に目覚め、そのまま最強の能力者になってしまっており、この謎については未だに作品で解明されてはいない。
基本的に主人公の佐護の持つ能力は念力のみであり、単純に力場を操作することしかできない。
しかし、その分能力の応用範囲が広く、何よりも本人の超能力は鍛えれば鍛えるほど成長するので、本人の地道な努力の末に最強にして無敵となっている。
能力の応用によっては、攻撃や防御といった戦闘だけでなく、千里眼や盗聴すらも自由に行える上に、最大の能力として超能力者を増やすことができるという特性を持つ。
能力の強力さは二巻の段階で既に宇宙レベルにまで至っており、戦闘に使用すれば地球を一瞬で破壊できるうえに、監視に使えば火星の表面までならば対象内になれるほど。
その気になれば全人類を絶滅できるどころか、地球の兵器であれば核爆弾ですら佐護に傷一つつけることはできず、曰く「ゴジラでも瞬殺できる」。
また、最も恐ろしい点として佐護の超能力には、成長の限界が無く、これだけの力がありながらも未だに発展途上なのである。
最新話の段階では既にビッグバンを連発できるうえに、エイプリルフールで掲載された期間限定の短編では、実際に惑星を丸ごと一つ作りだし、異世界そのもののファンタジー生物だけで構成される環境を作り出した。最早すでに神の領域である。
登場人物
佐護杵光
本作の主人公であり、地球における最古にして最強の超能力者。
元々は単なるブラック企業のサラリーマンだったが、脱サラして秘密結社『天照』のボスにして、バー『天岩戸』のマスターをしている。
本人は念力しか使えないが、その潜在能力と成長ぶり、そして能力の強力さは他の追随を許さず、基本的に無敵である。その念力の強力さは、異世界から来たエルフをして、「魔王」と呼ぶほど。
また、現在の所、作品世界で唯一超能力者を増やすことのできる存在でもあり、その能力によって日常の暇つぶしの為だけに、超能力者を増やしている。
世界レベルで騒動を巻き起こしているという点を除けば、何処にでもいる普通の成人男性であり、おおむね善人と言える人。
普段の様子は少しばかり子供っぽいおちゃめな成人男性といった感じだが、若干サイコパスの素質が入っているようで、自分の超能力を鍛える為ならば、腕を刺したり骨を抜いたりする程度ならやれる人。
番外編ではその素質を遺憾なく発揮して神になった。
鏑木栞
才色兼備で完全無欠な完璧美女。
東大出身の美女で、美しくなるためならば努力を惜しまない『努力する天才』。
佐護にその能力と、何よりも二十代を超えても魔法少女に憧れるその心意気を買われて、超能力秘密結社『天照』の副官として雇われる。
佐護によって時間停止系能力である『ストップロテイン』を与えられ、『天照』の財源を潤沢にして、発足してからわずか数年足らずで日本政府にまで食い込んだすごい人。
結婚どころか付き合っていないのが信じられないほど、佐護と緊密な仲になる。
高橋翔太
どこにでもいる普通の中学生だったが、佐護によって凍結系能力である『アイステロイド』を与えられ、秘密結社『天照』の戦闘員になる。
主人公補正の持ち主で、戦闘においては咄嗟に機転が利き、戦いの中で成長するタイプ。あと、ハーレムを作る系のモテ方もする。
蓮見燈華
仏教に傾倒している美少女。
鏑木によって才能を見出されて、佐護によって炎熱系能力である『バーニングルコサミン』を与えられ、秘密結社『天照』の戦闘員になる。
ロナリア・リナリア・ババアニャン
異世界翠球のアルヴ族を治める女王。見た目は十歳くらいの幼女だが、実年齢は九百五歳のロリババア。
勇者が魔王と戦い平和を築く冒険譚に強いあこがれを抱く一方で、七百年以上も平和を謳歌し、魔法と科学技術の両方が驚異的に発達したことで、魔王ですらも絶滅危惧種として保護される世界に対して、平和すぎて退屈していることに苛立ちながら過ごしていた。
ある日そんな世界にしびれを切らし、物語の様な冒険をするために異世界に渡る。
そこで、
『星を破壊しつくす強大な力を持ち、強力な配下を従え(マッチポンプで作り出した)、罪なき人々を襲い(マッチポンプなので誰も襲っていない)、心を弄ぶ悪しき者がいる世界(マッチポンプなので当然)。そして、それに対抗する決して心折れぬ強き心を持った者(マッチポンプなので以下略)がいる世界』
を自分が渡る世界に選び、そこで一件だけ該当した地球に渡ってくることになる。
地球に来訪した当初は、魔王を倒すための必殺武器であるPSIドライブを作るメカニックとして『天照』に厄介になるが、PSIドライブ完成後は、マッチポンプの仕掛人側に回り、『天照』を抜ける。
作中に登場する能力
超能力原基
超能力を引き起こす何か。鏑木の超能力に関する妄想を論文化させた際に作られた概念。
佐護杵光が超能力を覚醒させたことで実在が確認されたが、それがなんであるかは未だに謎。
作中でこの存在を知覚することができるのは今の所佐護だけだが、この超能力原基を移植することで超能力者を増やすことができる。
移植しやすい条件として、『佐護に近い生物である事』があげられ、人類(男)>人類(女)>霊長類>哺乳類となっており、完全なる地球外生命体であるババアニャンには移植することはできない。
また、移植の際には佐護の持つ超能力原基を千切る必要性があるが、この千切る際にはすさまじい激痛が佐護を襲う。
基本的には元素を操作する系の能力が多く、炎や水、電気などを操る系の能力の素質が殆どで、念力のみの能力者というのは、現在の所佐護以外には存在していない。
回復系の能力者は、霊長類を含めても四件しか素質を持つ者が存在せず、空間系の能力者に至っては、世界中に霊長類を含めた調査で、人類に二例しか存在していない。
ネンリキン
あらゆる超能力の元になった超能力原基。佐護杵光が発言した。
この超能力原基を持つ者は、念力を操れるようになる。
また、現在の所、唯一移植することが可能な超能力原基である。
相手へと移植をする際には、まさに肉体を引きちぎるかのような痛みが奔るという。
ストップロテイン
時間系能力の中でも、時間停止が使えるようになる超能力原基。
鏑木栞が覚醒した。
バーニングルコサミン
炎を操れるようになる超能力原基。
蓮見燈華が覚醒した。
アイステロイド
氷や凍気を操れるようになる超能力原基。
高橋翔太が覚醒した。
ヒーリングリコーゲン
治癒能力が使えるようになる超能力原基。
コモンマーモセットのイグが覚醒した。
関連タグ
涼宮ハルヒ…同じく、日常に退屈している超常者つながり。ただしこちらは、本人にその自覚が無いまま世界を引っ掻き回している点が異なる
斉木楠雄…主人公の持つ超能力が他を隔絶しているという点において共通している。ただしこちらは、極力目立たない様にしている点が異なる。