概要
講談社ノベルスより刊行された、西尾維新による小説。イラストはTAGRO。
現在4作が出版されており、5作目の『ぼくの世界』にて完結する予定。
エキセントリックな人格を持つ人間を抱えた一族『病院坂一族』と病院坂に関わる人間達が、自分達の『世界』にて巻き起こる事件に対し行動を起こす様を描く。
当初は『「きみとぼく」本格ミステリ』というジャンル名をつけられていたが、後に西尾維新により『世界シリーズ』と銘打たれた。
それぞれの作品はミステリーを主題にした謎解きの物語となっているが、俗に言う本格ミステリに該当するかどうかは読者の解釈に依ることになる。
また、学園ものの要素を作中に含み、作品によって舞台となる学園や登場人物は異なる。
既巻一覧
きみとぼくの壊れた世界
2003年11月5日発行。
高校『桜桃院学園』にて起きた殺人事件を描く。
小説雑誌『メフィスト』に掲載された『もんだい編』に、書き下しの続きを加えた作品。
不気味で素朴な囲われた世界
2007年10月発行。
中学校『上総園学園』にて起きた連続殺人事件を描く。
タイトルが前作のものに一字を足した言葉遊びになっている。
きみとぼくが壊した世界
2008年7月発行。
イギリス・ロンドンにて起こった事件の『謎解き合戦』。
シリーズの折り返しとなる、学園『外』編。
不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界
2008年12月発行。
女子校『千載女学園』にて起こった、七不思議にまつわる事件を描く。
『不気味で素朴な囲われた世界』の一部登場人物が再登場している。
ぼくの世界
発行日未定。
現在メフィストにて一部の物語を閲覧できる。
主な登場人物
櫃内様刻(ひつうち・さまとき)
桜桃院学園三年生。
シスコンの気があり、妹を愛し、妹に愛されている少年。
淡泊な性格で読書が趣味だが、読んだ本に対する批評は手厳しい。
病院坂黒猫(びょういんざか・くろねこ)
桜桃院学園史上初の才媛。保健室の引きこもり少女。
人間恐怖症であり、人ごみに入るだけで吐き気を催しダウンしてしまう。
情報通で、学園内の様々な事情に精通している。一人称は「僕」。
串中弔士(くしなか・ちょうし)
上総園学園中等部一年。
日常でなく『異常』を求める少年で、学園内にて様々な奇行を行っている。
明るく物腰の柔らかい性格で、誰に対しても敬語で喋る。
病院坂迷路(びょういんざか・めいろ)
上総園学園中等部二年。学ラン姿の少女である。
非常に無口であり作中では一度も喋らないが、表情だけで雄弁に物事を語ることが出来る。
作中では串中弔士が表情から彼女の台詞を読み取り『代読』するという手法がとられている。