概要
古代中国の北方にある凶水と呼ばれる川に棲んでいた、九つの頭を持つ赤ん坊のような声で啼く怪物で、それぞれの頭から炎を吹いては火事を起こし、水を吐いては洪水を起こして民を苦しめていた。上古凶兽(上古凶獣)とも呼ばれ、簡字体で九婴とも表記される。中国語ではチォウイン(Jiuying)と呼ぶ。
そこで堯の命を受けた弓の名手である英雄・羿(后羿)によって射殺され、凶水の流れに飲み込まれていったという。
なお退治後に奚禄山という山が崩れて、その中から美しい玉扳指(玉石製の弓懸)が現われたので、羿の弓の威力はさらに高まったという。