概要
初登場は『パワプロ13』。マイライフの彼女候補の1人。誕生日は7月8日で、初登場時点では20歳。
主人公の所属球団の選手寮の寮長として毎回出演しているレギュラーキャラの「すみお」の姪。
長い黒髪と紫色の瞳が特徴的な美女だが、大人しく引っ込み思案な性格で人付き合いが苦手。
学校に通ったり定職に就いているわけでもなく、「家事手伝い」としてすみおの寮での仕事を手伝っている。
球団本拠地で比較的高確率で発生するランダムイベントで登場する。すみおが早矢の引っ込み思案な性格を心配していたところ、年が近いからという理由で主人公に早矢を遊びに連れ出すように頼み、その場で一緒に出掛けることになる。
初デートは食事か映画かで選ぶことになるものの、どちらにしても早矢が緊張してしまって上手くいかない。しかし早矢自身も自分の性格を直したいという思いから主人公に協力を求め、電話番号を貰えて以後デートに誘うことが可能になる。
交流を重ねて友好度が一定以上まで上がるとデートの後に告白イベントが発生して「いろいろ連れて行ってもらったけど、私…あんまり変われませんでしたね。これからも…多分…このまま、人とうまく話せないまま…生きていくと思います…」と前置きした上で「でも、ひとつだけ、私の中で…変わったものがあります…。それは、初めて好きだと…思うようになったことですっ…。わ、私…○○（主人公）さんが…好きです…」と懸命に想いを伝え、晴れて恋人同士となる。
デート以外では寮に入ってる状態だとランダムイベントで早矢が手伝いに来ることがあり、掃除や洗濯、料理を頼むことができる。
この時掃除を頼むと主人公からの視線を気にして「あまり見ないでください」と恥ずかしがったり、料理を頼むと「美味しいかわからないですけど」と自信無さげな様子を見せるものの、直後にやってきたすみおに少し分けてほしいと頼まれると「だ、だめっ○○さんのために作ったものだから！」と訴えるなど、かわいらしい反応を見ることができる。
結婚の条件が非常に易しく、家は寮以外であれば賃貸アパート（寮を除けば最低ランクの家）でも可、車不要、必須イベント特になしと、出会いイベントが起きやすいこともあって初心者でも簡単に結婚まで辿り着ける。
デートだと食事ではラーメン屋やパスタ屋など庶民的な店を好むが、その一方で誕生日プレゼントでは毛皮のコートやノートパソコンなど、それなりに高価なものが喜ばれる。
デフォルトの趣味が設定されていないため、プレイ次第で好みの趣味に誘うことも可能。
引っ込み思案な性格ながら主人公と恋仲になった後はとにかく一途で芯の強い一面も見せるようになるなどの魅力が評価され、歴代のマイライフ彼女の中でもかなり上位の人気を誇る。
また、早矢は結婚後に子供ができやすいという特徴があり、早矢と結婚してマイライフを最後までプレイすると大体子沢山になる。このことから意外と夜の営みはお盛んと見做されることもよくあり、ある意味そのギャップも魅力の一つとして彼女の人気に繋がっているともいえる。
ポータブル3
『ポータブル3』のマイライフで再び登場したものの、キャラが全く別物になってしまった。
というのも、ポータブル3のマイライフの彼女候補はキャラの絵は『13』と『14』からの選抜（流用）であるものの、名前と誕生日を除いた内面のキャラ設定は全て『12』のマイライフ彼女のものが流用されており、本作の早矢は人格と基本設定が12に登場した「加神瞳」のものに差し替えられているため。
このためこの作品の早矢は職業がOLで初期年齢は21歳。趣味はゴルフ。出会いの場所が飲み屋となり、実は所属球団の重役の一人娘であるという設定になってしまい、13とは何一つ共通した要素がない。性格も親との関係などで多少コンプレックスを抱えている節はあるものの、普通に明るい。強いて挙げるなら食事や誕生日プレゼントの好みがそれなりに共通している程度だろうか。
攻略面でも13は誰でも問題なく結婚に辿り着けるくらいの易しさだったが、こちらは奥居の一軍昇格が必須だったり（現在の仕様と異なり当時の奥居の昇格は相当運が絡む）、延長デートの実施などフラグ立てがそれなりに複雑になっており、難易度が高めとなっている。
ちなみにポータブル3の彼女候補で13から選ばれたのは全7人中で早矢と因幡ありすの2人のみで、残り5人は全て14から選ばれている。また、それから1年後に発売された『ポータブル4』では同じく13のマイライフ彼女が3人出演しており、こちらはちゃんと13と同じキャラ設定で出ている。早矢もこちらに出れていれば従来通りのキャラで登場できていたのかもしれない。
もっとも、ポータブル3の早矢がユーザーから批判されているかといえばそんなこともないらしく、「これはこれでかわいい」と好意的に見る人が多い模様。元々ギャップ萌えを一つの魅力として人気が出たキャラでもあるため、これも一つのギャップとして受け入れられたのかもしれない。
その一方で、やはり13の人格、設定での再登場を望む声も根強い。
パワプロ2024
そして初登場から実に18年を経た2024年4月10日。同年7月18日の発売が告知された『パワフルプロ野球2024-2025』（以下、『パワプロ2024』と記述）では、マイライフの彼女候補が「歴代の彼女キャラクターが復活」することが公表され、それと同時期に出た先行宣伝画像において早矢の再登場が確定した。しかも肩書は「家事手伝い」となることも明かされており、13のキャラ設定での登場が期待されている。
この情報に旧来からのファンは歓喜し、早速X（旧Twitter）でも話題となった。
本作でのキャラ設定は完全に13準拠で、上記の通り職業は家事手伝い（すみおの寮の仕事の手伝い）、年齢も開始時点で20歳となっている。
強いて変わったところを挙げるならシステムの都合で食事の好みが変化しており、苦手なものが無くなった代わりに単純に高級店が喜ばれるようになった。かつて好物だったパスタ屋に通じるイタリアン（選択肢中では最も安価な店）も別に嫌がられるわけではないが、高い店の方が良い反応を貰えるようになっている。
新しく描かれたデートイベントでは、その性格もあって静かな公園がお気に入りで、ミッションイベントでの舞台になっているほか昼と夜とでそれぞれ違った反応で喜んでくれる。街デートについてはミッションイベントで初めて訪れた際はあまりの喧騒に戸惑っていたが、普通のデートで選んだ際には既に慣れたのか、少し積極的になりながら楽しむ様子が見られる。
また初登場から長らく髪色は黒と思われていたが、今作での他のキャラとの比較から、実際は黒よりも幾分か色が薄いシルバーグレーくらいの色合いになっていることが判明した（主人公のパワターを黒髪に設定して立ち絵を並べると分かりやすい）。
一方ポータブル3で描かれた設定や特徴は一切無くなっている。元々が別キャラから丸々流用された設定のため当然と言えば当然かもしれないが、過去に彼女候補として再登用される際にキャラ変が加えられるという似たような経験をしたサクセス彼女とは違い、新旧キャラの設定統合は行われなかった模様。
彼女ファイルミッションやデートのイベントも概ね13からあった内容をより深掘り、充実させたものとなっていて、丁寧に演出している。ただし13では早矢からの告白の際に言っていた彼女の台詞の一部が、同タイミングに当たるミッションイベントだけでなく結婚式直後の会話シーンにも使われているなど、配置の変更や分割などが加えられている部分もある。
このためすみおの出番もかなり増えており、早矢専用のプロポーズアイテム「マスグラバイトの指輪」の入手に協力してくれたり、もちろん結婚式にも出席してくれて、主人公と出会うきっかけをくれたことについて早矢がすみおに感謝を述べている。
演出だけでなく難易度も13同様かなり易しく、出会いのタイミングが早く、イベントの進行や結婚条件に個人タイトル取得や特定の家の購入などの金銭面、移動方法の縛りなどによる日程調整などといった高難度のミッションも特に設けられておらず、彼女ファイルミッションの指示に従ってデートや会話をこなしていくだけで問題なく攻略できる。
また何気に特別な演出として、2011以降の仕様になったマイライフの結婚式では基本的に奥居が主人公の妻について「くー、いいなー！！」と言って（この際主人公と妻の両方が驚く表情になる）羨む台詞が入るが、早矢の場合はこれが入らず、代わりに「やるじゃんか、○○！こんな素敵な奥さんを貰うなんてよ！うらやましい限りだぜ！」と、少し穏やかな言い回しで祝福してくれる。
基本的には元来の早矢のキャラを忠実かつ丁寧に描いた良シナリオにまとまっており、旧来のファンからの評価も良好な模様。
2024のバグ
発売当初の仕様では早期に家を購入して寮を出てしまうと、彼女ファイル進行のために必要な「球場に彼女が来る」イベントが発生しなくなるという、嵌まると致命的なバグが存在した。
同年8月22日に行われた第3回アップデートで修正されたため現在は解決済みなほか、実際の所はこのミッション自体がファイルの2ページ目4番目（2-4）という比較的早期（ただし前提として2-3のミッションクリア後に告白に成功して恋人になっていることが必須）のミッションで、本気で早矢を狙いに行くならほぼ確実にまだ引っ越しができない1年目中に自然とクリアしてしまうことから、実際にそこまで深刻な状況に至ったユーザーはそう多くはない模様。
しかしパワプロ2024は発売当初から栄冠ナインモードを筆頭に、各所で深刻なバグや不具合、バランス崩壊が頻発して、シリーズ30周年記念作品にもかかわらずあまりの完成度の低さと雑さにユーザーからの不満や批判が噴出。ついには「（比較的不具合が少ない）ペナントとマイライフだけはまともに遊べる」とまで揶揄される始末であり、そのマイライフの中で確認された所謂「進行不能バグ」であったこと、そして他に優先すべき修正箇所が多過ぎたことやバグ自体の発生がかなり限定的だったこともあってか上記の通りこのバグの修正は3回目のアップデートでの対応となり、発売から解決まで1ヶ月以上も待たされることとなったため、その部分で少し悪目立ちしてしまうこととなった。
またこのほかにも、特に害があるわけではなくそもそもバグなどの不具合なのか正常な仕様なのかも不明だが、街デートの際の場面転換後、最初に主人公の立ち絵が表示されず早矢の1人舞台状態で会話が進行する場面が存在する。
これについては一応、上記のように街デートを積極的に楽しめるようになった早矢の様子を「主人公視点でプレイヤーが見守っている」というような演出と考えれば違和感はないが。
余談
長いマイライフの歴史の中でも、現時点で唯一すみおの肉親として登場したキャラである。
初期年齢が20（21）歳のため、高卒だと年上、大卒や社会人卒だと年下と使い分けが可能。この頃のマイライフは彼女キャラの年齢が固定されており、現在のように主人公に合わせて年齢が変動することもなく、またリアルを追求した結果か彼女キャラの初期年齢が高騰しがちで、普通にプレイしていると姉さん女房ばかりになりやすかったため、プレイヤーの好みに合わせて融通が利く所も早矢が支持された要因の一つかもしれない。
