CV:小林優子
概要
『魔女の宅急便』に登場するキャラクター。個人名は明らかになっていない。
豊かな茶髪をデコ出しの極太ツインテールにまとめ、濃い紫のロングワンピースを着て金のハートのイヤリングを付けた少女。
名前の通り、この世界に数多居る魔女の一人。本作の主人公キキが見習い魔女として故郷を旅立った日の夜、空路新天地を目指す道中で出会った。
黒猫のジジを連れているキキと同じく、彼女も細身ですました緑目の黒猫を箒に同乗させ、箒の先っぽにはヘッドライトよろしくランタンを下げている。
服装こそ似ているものの、キキのショートボブや大きな赤リボン、箒に文明の利器であるラジオを下げ、相棒はおしゃべりなジジ…というデザインとは、いろいろな部分が対照的。
人物
赤い風車がある小さな町に暮らし、得意の占いを生業にしている。近頃は恋占いもやっているとか。
キキと箒で並走飛行しながら、間もなく修業が明けて郷里に帰る日が近いことを話す。先輩風を吹かせたかったのか少し気取った態度だったものの、性格そのものは気さくで、最後はキキを激励し笑顔で去っていった。
しかし、連れている猫の方はジジをチラリと見やっただけで特に挨拶もしなかったせいか、同じ相棒猫の立場であるジジから少々嫌な印象を抱かれた様子。
原作とアニメの相違点
名前が明かされていない、後輩のキキに対して自己の実績を披露する、黒猫を連れている、占いができる、「故郷へ胸を張って帰れるわ」「あなたも頑張ってね」というセリフは原作・アニメで共通しているが、様々な部分で相違点がある。
原作
かなり飛行が下手なのだが、「飛ばないと魔女だとわからないので」ということで頑張って飛んでいるのだとか。
恋占いの他、「ウシが大変で」という依頼も何とかできているようであるため、街では便利屋的な立ち位置の模様。
猫の名前は「ププ」。
キキには「笑顔の有効性」を示唆している。
アニメ版
髪型はツインテール。キキと遭遇したのは先輩魔女が修行している街の上空である。
先輩らしく「いろいろあったわ」と余裕を見せる他、キキには「自身の技術でやっていくこと」を示唆する。
「恋占い『も』する」というセリフがあるため、原作と違って恋占いはメインの仕事ではない可能性もある。こちらは原作と違って箒を上手く操り安定した飛行をするため、余裕を見せた態度と合わさってより先輩らしい印象を与える。
「静かに飛ぶのが好きなの」と言ってキキが鳴らしていたラジオを切るように言って来るが、この台詞によってオープニングテーマから繋がっていたルージュの伝言の音楽が途切れ、物語が本格的に始動する…という演出に一役買っている名脇役。
アニメ版ではあっさりと別れてしまうため、黒猫の名前は出てこない。
余談
細かいプロフィールは不明だが、ジブリファンの一部からは「魔女は13歳なると修行にでて1年間は自活しなければいけない」という掟に照らして、修行が開けると話す彼女は13歳から1年を経て14歳なのではないかという推測も挙げられている。
また、広い夜空の中、わざわざキキと編隊飛行しながらラジオを消すよう言ってくるので、「やんわりと周囲への騒音を注意しに来たのでは?」と人物像を空想する人も。
公式な情報とは一切関係ない与太話、妄言の類だが、一部の動画配信者などが「先輩魔女が夜の街並みに降下していく描写」を「夜の商売に堕ちている(売春をしている)暗喩」といった荒唐無稽な発想に結び付け「裏設定」などと詐称し閲覧・再生数稼ぎをしていたなどという話も聞かれる。無論事実無根なので、そのような描写や設定は存在しない。