冒険ファミリーここは惑星0番地
ぼうけんふぁみりーここはわくせいぜろばんち
東映テレビ事業部が企画し、委託を受けた東映テレビプロダクションが制作。広告代理店は東映エージエンシーが担当した。
前番組『氷河戦士ガイスラッガー』が視聴率不振で20話で打ち切りになったため、急遽制作された。
制作の背景にはアメリカの映画『アドベンチャー・ファミリー』のヒットがあり、設定などには『宇宙家族ロビンソン』からの影響も見られる。第1話放送当日の番組紹介では「地球とそっくりの惑星に漂着した11人が、地球では考えられない出来事に脅かされながらも、明るくたくましく生きる姿をユーモラスに描く子供向け冒険物語」と記載されている。
未知の惑星でのサバイバルを中心しており、屋外でのロケーションを主として撮影された。
講談社と小学館の両方で雑誌掲載がなされた最初の特撮作品でもある。
当時、裏番組にフジテレビの『サザエさん』の再放送『まんが名作劇場 サザエさん』やTBSの『飛べ!孫悟空』が存在したため視聴率は苦戦した。
そして、本作がテレビ朝日火曜夜7時前半の特撮番組の最終作となった。
地球を観察研究するレバン星人は、地球人家族のサンプルをレバン本星に連れてゆく計画を実行に移した。
ごく普通の家族たち、島崎家、山田家、大井田兄妹はある日突然、レバン星のロボット・ダブロンによって「採集」されてしまう。
しかしレバン星に帰還する途中、彼らの乗った宇宙船ニホン号は事故に遭い二つの太陽を持つ無人の惑星に不時着、脱出不能になってしまった。三家族11人はこの未知の星を「惑星0番地」と名づけ、サバイバル生活をはじめることとなった。11人は一致団結、時に対立しながらも知恵と勇気を頼りに、次々と襲いかかる危機を乗り越えていく。
島崎家
一家そろってしっかり者で、優等生的な性格。
- 敬太郎(演:原口剛)
島崎家の父。職業は国際線のパイロット。帰国直後、迎えにきた家族もろともニホン号に連れ去られた。隕石群の衝突により損傷したニホン号を操縦、未知の惑星に居住部分を不時着させる。サバイバル生活では三家族のリーダー的役目を担っていく。
- 節子(演:小沢弘子)
島崎家の母。ニホン号では料理係。やさしい性格で、山田家の子供たちやまさみにも分け隔てなく接する。
- 礼子(演:伊豆田依子)
長女(第一子)。父親譲りの冷静な性格と、母親譲りのやさしさをもつ。
- 孝一郎(演:薄田拓己)
長男(第二子)。知恵と勇気に富み、サバイバル生活を乗り越えていくが、時折三平と一緒に無茶をする。
- 淳子(演:石川貴子)
島崎家の末っ子。なぜか自分のことを「あちし」と言う。ダブロンとは特に仲がよい。
山田家
やや大雑把で、兄弟はトラブルメーカー気味。
- 大造(演:潮建志)
山田家の父。工務店の社長である。叩き上げの職人で元は大工であることから、サバイバルに必要な道具を数多く自作した。また社員の給料支払いを心配するあまり、夢に見たりしていた。
- 春子(演:西川ひかる)
山田家の母。家事全般を担当。節子と比べるとややひがみっぽく親ばかであり、三平とふとしを庇う言動が多い。
- 三平(演:長谷川誉)
長男。性格的に威張り屋で孝一郎と張り合い、実際よく喧嘩もするが、いざという時は大人たちと比べ物にならないほどの友情を発揮する。
- ふとし(演:池田誠二)
次男。兄同様、食い意地が張っておりわがままな性格だったが、少しずつ成長してゆく。
大井田家
五郎とまさみは山田家の下宿人である。まさみの両親は健在である模様。
- 五郎(演:今村広則)
普段は頼りない青年だが医者のタマゴであり、その診断と処置は正確。子供たちの家庭教師も務める。
- まさみ(演:伊藤つかさ)
五郎の姪。子供たちの中では唯一親と離ればなれになってしまった境遇であり、孤独感をつのらせることもある。
レバン星
- レバン人(声:納谷悟朗)
地球よりはるかに進んだ科学力をもつ。サンプル採取として地球人を誘拐同然に連れ去るが、純粋に調査目的であり、危害を加えたり過度に干渉したりする意図はない。最終回では、地球人たちの調査は終了したと判断し、地球人はすべて帰された。また、レバン人が直接作中に登場することはなかった。
- ダブロン(声:加藤修)
レバン製のロボット。ニホン号で地球人(日本人)を案内することを任務とする。当初は「宇宙人の使者」として高圧的な態度だったが、じつは気弱な性格。物語中、ファミリーと絆を強めていき、最終的に命をかけて互いを救おうとするまでになる。
- ビブロン(声:太田淑子)
ダブロンと同型ロボットで友人。アメリカ号担当で、行方不明になったニホン号をさがしている。
二つの太陽を持ち地球の砂漠地帯に似た環境で、昼夜の寒暖差が激しい。レバンの宇宙地図には記されていない未知の惑星。後にニホン号探索中に発見され、「二重太陽系第5番惑星」とされていた。
当面生活していく目処のたった第4話にて、「惑星0番地」と名づけられた。
大気と水は地球と同様。特別な処置なく摂取できる。
活発に活動している動植物は少ない。しかし劇中では、「宇宙蛇」のような危険な生物も登場した。
食性に適した生物も若干存在する(水中フルーツ、砂漠魚、パンの根など)。
過去、ある程度の文明をもった種族が存在し、異星人が飛来した形跡(壁画・メッセージプレートなど)もあるが現在はいなくなっている。
時折「熱湯雨」が降り注ぐ。生物が生存しにくい最大の理由であり、ニホン号にすら損傷を与えたことからただの「熱湯」ではないとみられる。
重力異常をきたしている場所があり、その影響か次元を超えるトンネルなどが存在した。
最終回においてタイガー彗星と激突、消滅した。
宇宙船ニホン号
メイン画像の、レバン星の恒星間宇宙船。
長距離船としての高い居住性と、探査船としての装備を併せ持っている。地球からレバン星への航行中トラブルから隕石群に突入、島崎敬太郎のマニュアル操縦により0番地へ不時着する。被弾したメインエンジンと燃料タンクを切り離したため、不時着後は移動できなくなった。以後、居住部分がファミリーの家となる。
航行時には折り畳まれていたレーダーアンテナを、着陸時には展開させている。船体の側面には居住ブロックが内蔵され、船体前部のエレベーターで出入りする。船体中央部にはフジ号・コグマ号を搭載するスペースがある。
玩具では、船体前部が分離するというオリジナルギミックがある。
カプセル宇宙食の他、飲料水の備蓄もあったが、タンクの破損により水問題が最初にして最大の危機となる。また通信機も故障、受信はできるが送信できない。
レバンは基本的に平和主義であるため、大小に関わらず武器の類は一切搭載されていない。
電力の供給に問題はないようで、機械的なエネルギー不足が心配される描写はない。
最終話で、タイガー彗星と激突した惑星0番地と運命を共にした。
フジ号
ニホン号搭載の四輪の大型探検車。どんな地形も走破する能力をもち、0番地で生きていく上で欠かせないメカである。ルーフ上には、観測用ミサイルを装備。
車体の左側は、展開してウインチクレーンとなる。
主に敬太郎、大造、五郎の三人が探索などで乗り込むことが多かった。最大で大人五人が乗れるが、内二名はコックピット外に無理に座る事になる。
また、設定上は車体左側前部にダブロンが合体するギミックが内蔵されていたが、本編中では未登場。タカトクから発売された玩具では再現できる。
玩具では他に、コグマ号と合体するギミックがある。
コグマ号
ニホン号搭載の作業車。フジ号ほどの性能はないが、伸縮式の4つのパワーアームを装備しており、クレパスなどを乗り越えることができる。操縦自体は簡略化されていて、子供たちがコグマ号で無茶をするのが作中のお約束だった。二人乗り。
玩具では、前部アームを上げてアタッチメントパーツを装着してフジ号の後部と合体し、大型スペースランドクルーザーとなるギミックがある。
ヒバリ号
ニホン号搭載の小型ヘリ。機体上部にローター、後部にプロペラを搭載しており、ヘリよりもオートジャイロに近い。
唯一の飛行メカだが、飛行可能時間が五分間のため、移動より遠くを見渡す目的で使用される。二人乗りだが(後年の書籍では一人乗りという記述もあった)、大人が乗るのはややつらい。
玩具では、ローターとコクピット、プロペラと機体部分の、二機に分離するオリジナルのギミックを内蔵。
前番組。打ち切られたために本作が製作・放送された。
家族が宇宙船の遭難で、未知の惑星に辿り着き、そこでサバイバル生活を行う……という内容の原点。
家族ではなく子供達ではあるが、宇宙船で未知の惑星に遭難し、サバイバル生活を行う点では共通。