「すり潰せィ」
演:小澤征悦
概要
かつては秦に滅ぼされた亡国「甲」の王族で、故国滅亡後に名を変え顔に墨を入れ放浪する身となった。その後、魏の戦国四君信陵君の食客頭としてその才を見出され、名を取り戻して魏の将軍となった。
知略に長けながらも前線に立つ優れた武力を併せ持っているが、自国が侵攻されると過去の経験から退く戦いが出来なくなってしまっている。
秦国の大将軍・麃公の軍が滎陽へ侵攻しようとした際、先手打って逆に秦の前線基地の丸城を攻めて陥落させ、戦車隊の力を発揮するために蛇甘平原に陣取り、三つの丘を全て占領し奥の丘に布陣し、圧倒的有利な地の利で秦軍を苦しめた。麃公が出撃すると、それに呼応するように敢えて地の利を捨てて自ら出撃。麃公との一騎討ちを繰り広げるが討死した。
なお、死後に魏火龍の1人であったことが明かされたが、戦死する様子を観ていた王騎からは「魏の大将軍」としか呼ばれなかった一方、後に魏火龍と相対する王騎軍副官・騰は魏火龍の存在を認知していた他、何より凱孟と戦った経験があったため、王騎も呉慶が魏火龍であったことを知っていたのは間違いない。
王騎が信たちに呉慶を説明する際に魏火龍という肩書を出さなかった理由は不明だが、死後14年なので当時の信の年齢と同じくらいの月日も経っていることで、名前を引き合いに出しても理解されない可能性を考えた、あるいは(信が凱孟と相対した際の推測だが)仮に凱孟が自身の戦う相手として相応しくないと考えたなら、そもそも魏火龍という存在は王騎が認める大将軍とは言い難く、唯一の生き残りの呉慶が後年実績を重ね大将軍と呼んでも良い位に強大になった可能性などが考えられる。
実写映画
第2作『遥かなる大地へ』に登場。
本作では秦国に滅ぼされた亡国の王子になっており、その恨みを晴らすべく作中通りに侵攻したことになっている。
構成改変の影響で刺客急襲による秦国軍部の麻痺に乗じて侵攻したようにも思えるが、作中では関連が語られていない。
概ね原作通りの展開だが、秦国に対する私怨で挙兵していたことから、麃公との一騎打ちは原作よりも台詞が簡略化され、最期は斬り合いになるまでもなく一太刀で切り伏せられるといった呆気ない最期になった。