呪物崇拝
呪術的宗教の一形態としての「呪物崇拝」は超自然的な力を備えている(と信じられる)物品を崇拝の対象(fétiche)とするもの。理論的にはあらゆる宗教がこの要素を内包するが、特に西アフリカの土着信仰とブードゥー教の研究から生まれた概念である。
1757年にフランスの思想家シャルル・ド・ブロスが、アフリカ文明の研究の一環として提唱した概念 "Fétichisme" の訳語が「呪物崇拝」
英語では "Fetishism" となり、今日「フェティシズム」と言えば一般に「性的フェティシズム」を意味するが、これはドイツの精神科医リヒャルト・フォン・クラフト=エビングによる著書『性的精神病理』(1886年)の影響が強い。
呪物
漫画『呪術廻戦』では物語上の重要な用語として独自の設定が為されており、その中の分類である「特級呪物」はタグとしても使用されている。
一般的な概念としては「呪われた品物」「呪いを為すための品物」を意味する。
ここでの「呪い」は「まじない」の意味も含むので「不幸を退け幸運を招くラッキーアイテム」も広義の「呪物」に含まれるといえる。
現実の歴史において「身に付ける」あるいは「持ち歩く」ことで、時には「書類上の所有者となる」だけでも人生を左右する(時に生死に関わる)影響をもたらすと言われる「呪物」は多数確認されており、創作においても物語の主題として扱われる例は多い。
先述した「特級呪物」は現在では作品内での本来の意味を離れ、所持している対象が次々と不幸な目に遭っている品(実際に呪いが掛けられているかはさて置き)や、黒歴史に纏わると見なされたオブジェクトを指すネットスラングとしても浸透している。