概要
"血痕の道"を走る現「牙の王」。
亜紀人の体を守るために生まれた、この体の三つ目の人格。
「兄」として鰐島海人が押しつけてくる役割に耐えられない亜紀人に代わって「走る」ことを存在意義としている。
「ファック」が口癖で凶暴かつ挑発的だが冷静な判断力を持ち合わせており、戦いの天才(ジーニアス・ファイター)と呼ばれている。小烏丸の参謀としても活躍。
性格の為か本心を隠す事が有り、一時期は亜紀人の為を思い自らの人格を消そうと考えるも、イッキや仲間達との出会いを経て「消えたくねェよ…」と一人本音を呟いていた。意外と子供っぽく、アイスをよく食べている。「牙の王」らしく戦闘能力は小烏丸の中ではトップ。
「ベヒーモス」戦で宇童アキラと熾烈な戦いを繰り広げ、なんとか勝利し、「牙のレガリア」を奪還。これにより「牙の王」に復帰出来たが、レガリア無しに「牙」を打ち過ぎたせいで足に重傷を負い入院を余儀なくされ、一時戦線から離脱。退院後もその「絶望的なフィジカルの無さ」(スピット・ファイア談)から「牙」に頼るしかなく、それが足の怪我の治りを遅くしていた。
が、オルカ戦にて第一の人格「凛鱗人」が覚醒したのち、技の切れとチームワークを上げていき、終盤には足の怪我のことは殆ど触れられなくなった。
グラムスケイル・トーナメントの「電機ネット」の「旧・眠りの森」戦にて、今までもう一人の人格の亜紀人が「調律者」であったが、亜紀人では正しい調律が出来なく、「音の時間割」を持ち「閃律の道」(リィーン・ロード)の素質を持つサポーターの中山弥生が亜紀人の嘆願により咢の調律を行う。以後中山が咢の「調律者」になる。
そして、空母・カーネルサンダースでのジェネシスの「轟の王」アーサー&シャルロット戦にて、自身の出生の過去を知ることになる……
以下・ネタバレあり
実は、海人と、初代荊の王「ガゼル」の子である。
十年前、脳基移植で「Virgin Blade」(始まりの翼)という特殊能力を移植されたガゼルは、武内空達から狙われていた。傷だらけの所を海人と出会い、男女の仲になり子を成す。
だが北国の極寒の海の中で空たちから逃げられないと悟ったガゼルは拳銃で自殺。お腹の子は冷凍保存状態になっていたが、ガゼルの遺体を回収した南博士が子を蘇生させ、ガゼルの能力と人格を脳基移植する。その脳基移植された人格こそ凛鱗人=ガゼルである。
凛鱗人が生まれた余波で亜紀人が生まれ、その後亜紀人を守るために生まれた人格が咢である。
なので実年齢は十歳前後。年齢の割に「フィジカルが絶望的」だったのもまだ十歳くらいの身体であるのなら頷ける。
物語終盤では凛鱗人と協力している場面もある。