小烏丸ブッ殺!!
CV:鎌苅健太(TVアニメ)/岡本信彦(OAD)、少年時代:寺田はるひ
年齢 | 中学二年→三年(14→15歳) |
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身長 | 167㎝ |
体重 | 52㎏ |
血液型 | B型 |
所属 | 小烏丸(リーダー) |
風の王→嵐の王 | 翼の道(ウイング・ロード)→嵐の道(ハリケーン・ロード)※嵐の文字は嵐が二つ |
概要
本作の主人公。中学二年生。物語の途中で三年生に進級。愛称は「カラス」「イッキ」。頭の中にカラスのクゥを飼っている。
野山野家に赤ん坊の時「南のおじさん」に預けられ、以後、リンゴ、ミカン、ウメ、そしてリカ姉こと野山野梨花と共に育ってきた。両親は不明。野山野家も両親がいない(だが、一応梨花の父からの仕送りや貸している長屋の家賃などの収入はあった模様)ので、梨花が稼げるようになるまで小学校の林間学校などの行事に行けないなど非常に金銭的に苦しい生活を送っていた。
昨今の少年漫画の主人公としては血統面で謎が多く、そういう意味ではどういう人物か作中で最後まで掘り下げられることはなかった。
人物像
物語当初、東雲中学の「東中ガンズ」というグループの頭として他の中学と喧嘩などで縄張り争い等をしている不良少年であった。プロレス好きで、アントニオ猪木のファン。抜群の運動神経と喧嘩のセンスを持っている。また、他人には決して見せないがかなりの努力家。
だが、イッキにやられた西中の連中が復讐の為に頼んだA.Tを使った「暴風族(ストームライダー)」である「髑髏十字軍(スカルセイダース)」に暴行を受け敗北。失意のどん底にあったイッキに、幼馴染の林檎がA.Tをイッキに与え、走り方などを教える。
その後「髑髏十字軍」のリーダーの間垣とエンブレム(この時イッキはチームを持っていなかったので、林檎から「眠りの森」のエンブレムを借用)を賭け勝負。結果、イッキが勝ち、「髑髏十字軍」は解散。
イッキはA.Tに魅了され、“走り”、“飛ぶ”ことに目覚めていく。
イッキ・シューズデーター(単行本一巻より)
ストリートブランドの急先鋒SCE FOOT-WEARのFORTFlyシリーズの一つ。知名度こそ低いが、ストリートに徹したスタイルとトリック中心に割り切った基本設計は多くのファンを魅了している。イッキのは黒と黄色のツートンカラーだが、他にも青白のツートンカラーもある |
小烏丸、結成!
その後、林檎にA.Tの基本等を教わり、犬山の「レザ・ボア・ドッグス」や御仏一茶こと仏茶率いる「夜王」との対決によって着実にA.Tの腕を上げていく。特に「レザ・ボア・ドッグス」戦では、風を切り裂く「翼の道(ウイング・ロード)」の片鱗を見せ、「夜王」戦でパーツ・ウォウEクラス「ハードル」にて仏茶との対決で、力の差が歴然だったにもかかわらず見事勝利。
これらの事からスピット・ファイアや、以前からイッキに目をつけていた「渡り鳥」のシムカに「空の王に最も近い男」として注目される。
「金鉄ブルズ」戦観戦の際に出会った、マル風Gメンであり、「血痕の道(ブラッディ・ロード)」を走る「牙の王」の、鰐島亜紀人の中にいるもう一人の人格咢がイッキの家の長屋の一室を借りて生活、東雲中学に転校してきて、幼馴染の美鞍葛馬とオニギリ、仏茶を入れ、チームのメンバーが揃う。
工事現場のアルバイトなどで金を貯め、チームウェアやエンブレムが揃い、ついに念願の暴風族(チーム)・小烏丸が結成された。
小烏丸の活躍
パーツ・ウォウ初戦「サーベル・タイガーズ」に勝利し、東雲中学を基本エリアとしてゲット。一時、義理の姉で保護者の野山野梨花と今後のA.T活躍を賭けて勝負。その際、前・風の王にて旧・眠りの森の初代総長武内空に出会う。
空から梨花はかつて旧・眠りの森の「荊の王」であったこと、そして”玉璽(レガリア)”と呼ばれる「王」の力を表すこの世に一つしかない特殊な部品の存在と、【八本の道と八人の王が一つに集いし時、全てを支配する伝説の空の王が君臨する】という伝説を聞く。
風を味方につけ、梨花との勝負に勝ったイッキは、”トロパイオンの塔”への道を行くこと、「空の王」になり塔の頂点に立つことを決意する。
ベヒーモス戦
”史上最強のDクラス”と呼ばれ、「牙のレガリア」を所有する現・牙の王の宇童アキラ率いる、日本最大の暴風族である「ベヒーモス」相手に、小烏丸たちはパーツ・ウォウDクラス「キューヴ」で戦うことになる。場所は廃棄された地下下水場「アンダーコロッセオ」。
実はこれは咢が宇童アキラに奪われた「牙のレガリア」を取り戻すために彼が仕組んだ戦いであった。
紆余屈折あり当初の予定とは大分違う形での戦いとなったが、イッキを初めとする小烏丸メンバーはベヒーモスのアキラと”四聖獣”と呼ばれるトップクラスの四人のライダーに善戦する。
イッキは「サイクロプス・ハンマー」の坂東ミツルと対決。まさかのじゃんけん対決により、ミツルによりボロボロにされた壁が崩壊。激闘中であった宇童アキラと咢の部屋と繋がるはめに。
これらは全てイッキの計算であり、「たまにはつるんで戦るのも悪かねえぞ?」と独自の理論を語り、咢と組みアキラとミツルと戦うことになる。
この事についてスピット・ファイアはイッキの事を、「パーツ・ウォウもトロパイオンもおかまいなし、超々我流!!!(ウルトラマイペース)
でもそれこそが、僕らが忘れかけている本当の姿!!全てをぶっ壊す風、
嵐を駆るもの(ストームライダー)!!」と評している。
その後、イッキ&咢VSアキラ&ミツル戦は、当初はイッキ達が押していたが、牙のレガリアを目覚めさせたアキラにイッキ達は圧倒される。
だが咢とアキラの放った「牙」に乗り、イッキは再び「翼の道(ウイング・ロード)」を発動させる。そして、イッキと、咢と、”心の檻”にこもっていた亜紀人の三人分の力でアキラを蹴り倒す。
「このカビくせぇ檻ん中に一体なに大事にしまいこんでんのか知らねーけどよっ!!!おかげでとっくに腐ってんぜアンタの”羽”は!!!
俺ならその檻ごと飛ぶね!!
全部担いで、飛んでやらあっ!!」
その後、ベヒーモスはマル風Gメンがなだれこんできたことで、リーダーのアキラが自首し解散を宣言。これにより小烏丸の勝利が確定した。
小烏丸は広大なエリアと、八人の王の証である「牙のレガリア」を入手。この試合の模様は全世界にネット配信され、小烏丸の名は世界レベルにまで上がったのである。
ジェネシス総長!?
ベヒーモス戦の小烏丸が人々に与えた影響は大きく、渡り鳥のシムカも例外ではなかった。
イッキのベヒーモス戦での言葉に心の奥の”なにか”を壊されたシムカは、断髪し、「あること」を決意。
それは、トロパイオンの塔を征服し、「奴ら」と戦うこと。
その為に自らが総長を務める四人の王と四つのレガリアを持つ史上最強暴風族連合、「ジェネシス」を発動。そして「ジェネシス」を、次期”風の王”のイッキがリーダーである「小烏丸」の傘下に入れることを決意。
そのあまりに巨大な「ジェネシス」の力に驚いたイッキは、ジェネシス総長になるかどうかという返事を一ヶ月待ってくれと参謀役のアイオーンに伝える。その真意は、
一ヶ月後、力を蓄えた小烏丸はジェネシスに宣戦布告し、まっとうな形でジェネシスを傘下に入れるというものだった。
その為にA.Tの試合をこなしていくイッキ達小烏丸。シムカは全てわかった上で、イッキがジェネシスに来ることを楽しみにしていたのであった。
京都での「轟の王」との対決、入院、そして……
ジェネシス対決に向けて練習や試合を重ねていく小烏丸たちメンバー。京都の修学旅行では関西一の暴風族連合チーム「三峰将」のリーダー、「轟の王」ヨシツネと、その忠臣、ベンケイと出会い、鬼三十三間堂(デビルズ・サーティ・サーティー)にてA.Tによる跳躍対決を受け、イッキはここでも「翼の道(ウイング・ロード)」の片鱗を見せ、見事33m以上を飛びきって見せる。
しかしこの時の右足の負傷で、入院生活を余儀なくさせられる。
「小烏丸」は、イッキの指名でカズがリーダー代理に。サポートとしてベンケイとアイオーンがつくが、当初は苦戦を強いられた。
しかし、Cクラス「エア」にて、眠りの森の王蟲との勝負に勝ったことでカズは自信を取り戻し、小烏丸は連勝の日々を送り、イッキと咢無しでBクラスに昇格。
その間、入院中のイッキは、「トゥール・トゥール・トゥ」の次期「契の王」最有力候補で、風の王、即ちイッキの”調律者”になる予定の皇杞枢との出会いと、同じ病院に入院している武内空によって、風(空気)を完全に制御、支配する方法を特訓されており、退院時には、ほぼ完ぺきに風を制御できるようになっていた。
対決・「荊の王」
風を完全に操れるようになったことで、「風の王」の素質が開花したイッキ。しかしある事実が知らされる。
それは、林檎が「眠りの森」の総長で「荊の女王」であり、シムカを大怪我させるよう指示した張本人であることであった。
それを聞き家から飛び出したイッキ。追う林檎に対し、「信じていたのによ……」と落胆の声を林檎に聞かせる。
林檎はどうしても自分の話を聞いてくれないイッキに対し、「眠りの森の総長・クレイジー・アップル」として本気の走りを通して自分の気持ちをイッキに伝えるのと同時に、自分達の天敵である次期「ジェネシス」総長であるイッキに「潰し合い」を申し出る。
イッキは承諾。そして幼馴染の林檎との「本気の戦い」が始まる。
勝負は「ラン」。ゴールは二人でよく遊んだ魔人岩と言われる場所。
本気の林檎は「眠りの森」の総長の「荊の女王」の名に恥じない技量を見せつける。イッキは次第に追い詰められていく。
しかし、川に落ちる寸前、依頼されていた「風のレガリア」を持った枢が登場。
僅か三秒でイッキのA.Tに風のレガリアである「バグラム」を組み込んだ枢。そしてイッキはレガリアを手にしたことで、正真正銘の「風の王」になり、林檎へ向かっていく。
そして「翼の道」の「無限の空(インフィニティ・アトモスフィア)」、「Moon struck Numberess Grappler(名もなき狂躁の格闘士ども)」を展開。それは巨大な竜巻によって巻き上げられた様々な破片、全てを粉砕する”死神”の群れであった。
林檎はそれを止めるため、イッキに”空を飛ぶこと”の怖さを教えるため、自らも「無限の荊鎖(インフィニティ・チェーン)・ターコイズ・ソニア」にて「風の死神」たちを破る。
互いのレガリアが壊れ、川へと落ちていくイッキと林檎。
枢によって最低限の修理を施されたA.Tで勝負を続けるが、お互いの身体は限界に来ていた。
イッキは林檎の本気の走りを見て、「お前は昔から何一つ変わらない俺の信じている林檎だ」と言い、魔人岩に林檎を抱え同時ゴール。勝負は引き分けに終わった。
その後、イッキは自分の「飛ぶ理由」「本当にやりたい事」を見つけるため野山野家を出ていくことを決意。
林檎と、野山野家の姉妹らにこっそり見送られながら、イッキは「本当の自分の翼」を見つけるため育った家から巣立ったのだった。
※ここから先、中盤以降のネタバレあり
真実・裏切り、そして嵐の王誕生
トゥール・トゥール・トゥの活動拠点である「大発条ファクトリー」にて少しの間寝泊まりしていたが、ある日、トゥール・トゥール・トゥのメンバーの一人である石和はこと”風のレガリア”
を目の前で奪われてしまう。そしてそれをきっかけに巻上イネは、”トロパイオンの塔”の真実をイッキと咢に伝える。
塔の最奥部には眠りの森のメンバー全員が揃っていた。
そしてメンバーの一人であるキリクによって、A.Tや重力子のこと、そして武内空についての真実を述べる。
それは、武内空が「眠りの森」を結成したのは、八個のオリジナルレガリアを集め、空のレガリアを完全起動させることと、自らが「空の王」になるためだった。
イッキに風を制御する技を教えたのも、彼を一人前の”風の王”にするため………だったが、イッキの成長が早すぎて、このままでは自分を越えてしまうという理由で、イッキを見限った。
その他キリクから武内空、宙コンビが自らの野望のために犯罪をいくつも犯し、イッキさえも利用していた事を知らされたイッキは、本当の兄の様に慕っていた空に裏切られたと思い、号泣する。
俺……空の……あんちゃんのこと……本当の兄ちゃんの様に思ってたんだ!!
その後、ショックのあまり無気力状態のイッキを、パソコン内から死亡したスピット・ファイアからメッセージを届けられ、また仲間の激励もあり、イッキはいつもの調子を取り戻し、再び打倒・ジェネシスという目的を掲げる。
そんな様子を見たコロ爺は、イッキに「凱嵐の道(ハリケーン・ロード)」を走る「嵐の王」と名付けた。(凱嵐の字は、本当は嵐が二つ)
今まで戦ってきた奴らや、仲間だった奴らと拳を合わせ、「戦場で再び!」と約束し、イッキ達小烏丸は、トロパイオンへの道を再び歩むのだった……