概要
トゥール・トゥール・トゥとは、「契の王」がリーダーの、A.Tライダーの完全中立のサポートチーム。「道具屋」とも呼ばれる。トゥール・トゥと略されることも。
他のチームと違い「暴風族」ではないので特に明確なエリアはないが、ミッション系スクール「青学女子中学校」の地下にある「大撥条(だいぜんまい)ファクトリー」で王の調律、レガリア制作などの活動をしている。
活動内容
公園などで、ライダーのA.Tを無償でメンテナンス・修理をするのが表の活動。その他にはレガリアの作成、「王」とレガリアとの「調律」を行うのがチームの主な活動内容。
「迷える子羊(A.T)を正しき姿へと導いていくのが、道具屋(トゥール・トゥール・トゥ)の役目」であり、それこそが人とA.Tを契ぐ道、「閃律の道(リィーン・ロード)」である。
メンバーは女性が圧倒的に多く、そのほとんどは「私立青学女子中学校」のメンバーであると思われる。
また、大半のメンバーはエア・トレックで走れない。
これはチームの活動方針が、「人とA.Tを契ぐ」ため、A.Tの走行技術は重視されない。言ってみれば、「調律」やA.Tのメンテナンス、レガリアの作成が「閃律の道」の”走り”であるといえる。
完全中立のチームゆえ、どのチームの調律も行う非常に重要なチームである。また、「調律」を行うためか、怪我の応急処置などの知識もある。
「調律」と「調律者」(リンク・チューナー)
レガリアが発揮する力は凄まじいため、使う者の負担も大きい。たとえ優れた「王」でもレガリアの行使には限度がある。限度を超えると王もレガリアも「無限の空(インフィニティ・アトモスフィア)」に耐えられなくなり、レガリアは暴走し、王の肉体を破壊してしまう。
それを防ぐため、王にはレガリアを「調律」する者、「調律者」(リンク・チューナー)が必要不可欠であり、「調律者」は王に心と身体を全て捧げ、王の全てを識らなくてはならない。
具体的には、「大撥条(だいぜんまい)ファクトリー」の専用施設で、調律者は7600のセンサーがついた”SC”というスーツを着て、王の全ての情報を自分の身体で読み込み写し取る。
読み込まれた”音”(データ)は、ファクトリーの余剰能力を使って解析・調整され、その肉体に最も適した調律方法をはじき出す。そのため王と調律者は、肉体の距離を0にしなくてはならない。(そうしないと、王の身体の”音”がきちんと聞こえないので)
「調律」は一見するとまるで性行為のようだが、決してそのような行為はしていなく、あくまで王の肌からSCスーツで肉体と精神の”音”を写し取っているだけである。
なお、「調律」の時は”音”を聞きやすくするため王は全裸でなくてはならない。言うならば”疑似性行為”とでもいうのが正しいか。
そしてレガリアを調整し、「契の王」が最終微調整を行う。
基本的には「調律者」は王が男なら女、女なら男で成り立っているが、過去に巻上イネが渡米し、A.T陸上女子400メートル世界記録保持者のジョエナーという女性を「調律」したらしいので、必ずしも「調律者」は異性でなくてはいけないわけではないのかもしれない。
また、本来重力子には「調律者」はいらない。が、「眠りの森」のメンバーの様に「疑似レガリア」を使っていたり、新しく王の為にレガリアを作った場合は、やはりレガリアとライダーの能力を合わせるために「調律」を行う必要がある。
契のレガリア
「契の王」が持つレガリア。他のレガリアと違いシューズやアーマーに組み込まれていなく、八つのコンピューターの基盤のようなもので成り立っている十字架型のレガリア。
発動すると、十字架が幾つかに分かれ、他のメンバーと”接続”(リィーン・イン)し、その後「歌」により、契の王が持つ「概念」「感覚」を解析、増幅し、他のメンバーに伝える。
これにより「契の王」のみがもつ「無限の音階」(インフィニティ・スカーレ)が共有でき、最大で八人の「契の王」の分身が生まれることになる。
「契の王」以外が「無限の音階」を共有すると、接続されたメンバーは非常に体力を使うらしい。
一般人にはただの歌にしか聞こえないが、王レベルのライダーや“閃律の道”の素質を持つ者は、契の王達の歌がただの歌ではなく、裏の周波数で凄まじい情報の概念が交換されている「鳥の歌」であるのがわかり、そこに込められたメッセージも聞くことが出来る。
本編では「小烏丸」対「白狼会」戦にて初めて発動された。これは実質上イッキの「嵐の王」対皇杞枢の「契の王」との一騎打ちであり、結果は「契の王」によりメンテナンスされた「白狼会」側の勝ちに終わり、イッキは「調律」の大切さをこの戦いで学ぶことになった。
トゥール・トゥール・トゥのメンバー
巻上イネ
旧・「眠りの森」の「契の王」。「眠りの森」崩壊後も「契の王」であったが、物語中盤で枢に王の座を継がせている。
ルーン
巻上イネが「契の王」であったときのトゥール・トゥール・トゥの副リーダー。中世的な顔立ちの無表情な男性で第一世代重力子。枢が王になった後もトゥール・トゥに所属している。
枢曰く、「うちで一番の古株」。A.Tで走れる。左手が機械。他の身体の部分も何か所か機械化している。恐らく調律はしない。(というか半機械化の身体なのでできない)
シムカ
かつてトゥール・トゥール・トゥに在籍。旧・眠りの森ではイネのサポート役だった。シムカも枢のように一瞬でA.Tを組み上げることが出来る。
皇杞枢
ミッション系スクールの3期生ラディオキア組。学校の寮に入っており、石和はこ、二条このみと同室。
新・「契の王」であり、南樹の「調律者」だが、SCを着て調律するのをためらっている。
重力子ではない普通の人間でありながら、シムカ以来の天才であり、落下中に三秒でA.Tを組み上げたり、「調律」の最終微調整をイネが三日かかるところを、枢は一時間で終わらせることが出来る。
イッキの為に「風のレガリア」のコアである「バグラム」を作ったが、石和はこにすり替えられ、武内空の元に渡ってしまう。そのため空は以前より数段パワーアップしてしまった。
その後、新しく「嵐の王」を名乗ったイッキの為に「嵐のレガリア」を作るが、老朽化したファクトリーでは10日もかかってしまうため、空母・カーネルサンダースのスパコン「ユグドラシル」でレガリアの制作・最終調整と、イッキの「調律」を行うはずだったが、ユグドラシルが激しい戦いで損傷してしまったので、自らと契のレガリアでちぎれた”音”を繋ぎ合わせ、ユグドラシルの調律システムの代わりになったため、調律が出来ない状態になってしまう。
最終的にイッキの調律は野山野林檎が行った。
石和はこ
枢と同じ3期生ラディオキア組。「トゥール・トゥール・トゥ」事務次官。
次期「風の王」と目されるイッキに恋愛感情を抱き、同時に「天才」である枢に嫉妬していた。
そのせいではこは、枢の風のレガリアと自身の作ったレガリアをすり替え、以後枢作の風のレガリアと共に行方不明になっていた。が、その後ファクトリーで寝泊まりしていたイッキに迫り「調律者」にしてほしいと頼む。しかし断られ、失意のうちにファクトリーを去ろうとした時、武内宙がファクトリーを強襲し、風のレガリアと共に自身を攫われてしまう。
その後、武内空と「風のレガリア」を「調律」し、彼の「調律者」になる。
枢には決して叶わないと悟り、更に枢がイッキの調律者に決定したことで彼女への憎悪を露わにし、空にいわれるまま枢を襲おうとしたが、「小烏丸」と「白狼会」戦で、契のレガリア発動の際に自分がチームに入った理由を思い出すと同時に、目を覚ます。だが、相変わらず武内空の陣営とは一緒に行動している。これは彼女が空の「調律者」であるため。
レガリア制作能力やA.Tのメンテナンス能力などは決して低くはないが、やはり枢には叶わない。
空母・カーネルサンダースでは、イッキの調律をもう一度希望したがこの時も叶わず、枢の説得と林檎のイッキへの気持ちを聞き、最終的に枢を「私の目標」と言い、機器の接続管理を担当。枢とは和解したようである。
二条このみ
CV:高垣彩陽(OAD)
同じく3期生ラディオキア組。枢、はこと同室。現「トゥール・トゥール・トゥ」副リーダー。
イッキが枢の気持ちになかなか気付かないことにイライラしたり、はこのイッキに対する気持ちを応援する。跳ねた前髪と八重歯が特徴的で男勝りな性格。言葉使いがあまり良くない。プライベートと仕事のスイッチの切り替えが早い。トゥール・トゥの帽子をよく見につけている。猫好き。
「二週間コンビニの裏で過ごしたことがある」と林檎に言っていたことから、貧乏な家庭の出身なのかもしれない。
奈々
枢やはこの後輩。雷の王である鵺の調律者であり、調律の経験・技術はチームで一番豊富である。走行テスト用のタイプライターを持っている。黒髪ロングの黒目がちのおとなしい性格の少女。
空母・カーネルサンダースでは、最初一番の経験者だからか、枢の代わりにイッキの調律者になるはずだったが、紆余屈折あり最終的にイッキの指名で調律者となった林檎の接続器となり補助として活躍した。
鈴木あみ
黒髪おかっぱの地味な女の子だが、ハッキングテクニックはチームで一番。なにかと「小烏丸」に協力してくれる。「小鳥丸」と「トゥール・トゥール・トゥ」の連絡係になっている。
トロパイオンの塔戦では、TV会社のワゴンの中で戦いの映像をチェックしていた。
奏音
CV:梶裕貴(OAD)
野山野林檎の調律者。枢のいとこ。背中にA.Tウェポンの仕込んであるギターケースを背負っている。林檎に惚れてはいるが思いは届いていない。だが調律にはそういった恋愛感情をはさまず冷静に対応する。
チームでは珍しい男性メンバー。A.Tライダーとしても実力者であり、小烏丸と白狼会との一戦では助っ人として白狼会側についた。いざという時はA.Tギターで超音波を出し「音の刃」で戦うことも出来る。その実力は林檎も驚いたほど。
新人の女の子
トロパイオンの塔戦にて、プラグ・マンと共に行動しカメラマンを務めた。黒いウェーブがかった肩までの髪の、地味な顔立ちの記録係の女の子。まだチームに入って日が浅いらしい。
イッキ達の戦いを見て、南博士に「A.Tは、もうあなたが作ったものではないのですよ」と言い、「特別な強きものはいらない。そうすればもうこの星は沈まない」と持論を語る博士に対し、「全員が強くなればいいじゃないですか!」と泣きながら訴えた。