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四門出遊

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しもんしゅつゆう

四門出遊とは、仏教において開祖の釈迦が出家を決意した逸話、故事である。

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仏教の開祖である釈迦(ゴータマ・シッダールタ)は、もとはインドの北部に位置するコーサラ王国王子であり、何不自由なく暮らしながら、美しい妻と結ばれ、子供にも恵まれた充実した暮らしをしていた。

しかしある時、釈迦はの東門から出たところで一人の老人に出会い、老人を見た釈迦は「人はやがて老いるのだ」ということを知る。

またある時に、南門から出たところで今度は病人と出会い、以前と同様に釈迦は「人はやがて病むのだ」ということを悟る。

更に今度は西門から出たところ、人の死体を見た釈迦は「人はやがて死ぬのだ」ということを悟ることとなった。

『老い』『病』『死』を知った釈迦は、最後に北門から出たときに、落ち着きを放つ出家した修行者と出会い、何不自由なく過ごしている自分自身に疑問を感じ、遂に決意を固めてそれまでの恵まれた環境や得たものを全て捨て去り、北門から城を出て出家した。

この逸話は仏教の思想においても根源に据えられているものであり、この逸話にある『生』『老』『病』『死』の四つの苦しみを『四苦』と呼び、人間にとっての悩み・苦しみの象徴とされている。

「人は必ず死ぬ。そのことをどう受け入れて生きていくのか?」という問いが、仏教の根源に据えられていることを示す故事とされている。

その後

そうしてバラモン教(現:ヒンドゥー教)の僧となり修行を始めた釈迦であったが、教内の教えには自身が納得のいく答えを導き出すものが無く、後にバラモン教から独立して独自の道を模索し、裸一貫で山岳に籠もり時に命にも関わるような荒行も行う凄絶な修行の日々を送る。

その末、菩提樹の下で瞑想(坐禅)を行っていた際に遂に悟りを開き、苦しむ人々を救済するべく教えを説いて回り、その彼の教え・行動原理・修行法が現在も伝えられる仏教となったのである。

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