CV:梅原裕一郎(アニメ第344〜353話)→前野智昭(第356〜358話)
概要
アルタナ解放軍の提督。橙色の長髪で、鋭い目つきをしている。
「硝煙の皇子」の異名を持つ軍事惑星・武嶺の皇子であり、二刀のビームサーベルのような武器を用いて戦う。その戦闘力は桁外れであり、坂本と桂を庇った陸奥とエリザベスに重傷を負わせ、さらに坂本・桂・高杉の3人を相手にギリギリで渡り合うほど。
天導衆(実際は虚の仕業)によって引き起こされたアルタナの暴走によって妻を失った悲しみから、その憎しみをぶつけることを行動原理に地球への侵略を指示するが、実はその死んだ妻は敵襲に囲まれた兄を敢えて救援に向かわず見殺しにして寝取っていたり等、その本質は極めて独善的で、目的の為に卑劣な事をやっていたりする。
彼(そして彼が不幸をもたらした者たち)の不幸は、その異名に相応しく戦場と戦いの中にしか居場所がなかったことである。
そのため、愛する人を手に入れるのに兄を死なせて奪うと言う手段しか出来ず、そうして手に入れた妻も兄を死なせた罪悪感と平穏な日常で慰める言葉を知らず、向き合えない憤りの中でまた戦場へ向かい戦いに明け暮れる悪循環に陥っている。
その異常なまでに好戦的な面からも、何かが満たされようが、結局「大義名分」という言い訳を作っては「戦争」以外の方法で問題を解決することができなかった人物。
かつての宿敵にして解放軍の旗上げの同志である紫雀によって停戦協定が結ばれた直後に登場。
解放軍の結成の後に肉片と化した天導衆達の残骸の姿を発見していたが、「自分や兵士達の憎しみが行き場を失わない」という大義名分からそれを隠していた。
地球の民衆に成り済ました虚率いる奈落の蜂起により解放軍の駐屯地が襲撃される事態が起こると、紫雀を捕えて収監し、代わって解放軍を指揮しついに地球の制圧に乗り出す。
大艦隊を率いて江戸城を砲撃させ、大量の援軍や兵器を送り込み、さらには三大傭兵部族である茶吉尼・辰羅・夜兎の傭兵達までも投入。それでも一向に崩れない地球の民衆達の抵抗に苛立ち、ついには惑星破壊兵器・火之迦具土神の起動用意に入る。
周囲の艦隊を足止めのために使い、さらにはエネルギーの充填の上で不要となった施設を放棄する上で解放軍の兵士達ごと爆破するなど味方の命すらも平気で犠牲にしながらも発射の準備を行うが、鬼兵隊の決死の突入により中枢部が破壊されその手立てを失ってしまう。
それでもなおも諦めず、ついには天鳥船ごと地球に落とそうとする暴挙に出るが、司令室に突入した坂本に心臓を撃ち抜かれる。だが亡き妻のペンダントのおかげで致命傷を免れ、坂本と桂を庇った陸奥とエリザベスに重傷を負わせ、さらに桂と坂本の2人を相手に互角にも渡り合うが、さらに高杉が加わったことで死闘の末に両手を失い敗北する。
なおも睨み合う解放軍と地球軍を制止しようとした喜々に対し、自身の過去を回想しながら自身に止めを刺すようにと告げるが、高杉の言葉を受けてようやく自らの過ちを悟る。そして喜々の戦を終わらせるようにとの呼び掛けに応じ、紫雀に支えられながら天鳥船の墜落を阻止するために動こうとするが………。
「ふ、ふざけるな…お前の言う通り戦い続け仲間を犠牲にしてきたのに…
和睦だとォォ!!ならば我等の仲間は、一体何のために死んだ!!」
突如背後から放たれた銃弾に眉間と心臓を貫かれ、倒れ伏す圓翔。己の復讐心のために戦火とその犠牲を無尽蔵に肥大させてきた彼のこの期に及んでの変節は、彼の命ずるままに味方の命を犠牲に戦ってきた兵士達から見れば身勝手な我儘でしかなく、受け入れ難いものだった。そして激怒・逆上し事を起こしたその内の一人の銃撃により撃ち抜かれ、命を落とした。
結局自らの犯した愚行の数々の責任を取れないまま不本意な死を迎えた圓翔であったが、その時に同時に深手を負った徳川喜喜の命懸けの行動で、戦いは終結に導かれる。
余談
声を演じる梅原氏が急性散在性脳脊髄炎の治療を理由に休業したため、アニメ第356話以降は前野氏が代役を務めている。