「そう?じゃあ、感謝の印ちょうだい♪」
声:荘真由美
概要
飛騨のからくり細工で有名な旧家・墨縄家の跡取り娘。年齢は18歳(1987年7月発行のアニメージュX(旧Twitter)より)。祖父は当主である墨縄老人。
紫は石川五ェ門(本作の表記は五右ェ門)と愛し合い、五ェ門は墨縄家に婿入りが決まる。
明るく優しい性格の少女であり、ルパンが羨ましがっていた。
一方で、五ェ門を想うがあまり、周りが見えなくなっているような一面も。結果、中盤や終盤ではその行動力が裏目に……(後述)
作中では、冒頭で見せた白無垢姿以外にも、回想シーンでセーラー服、黄色いキャミソールと白いショートパンツといった夏の服装、デカデカとMと描かれたセーターに、ピンクのマフラー、紺色のズボンといった冬の服装を見せてくれる。
五ェ門とは「五ェ門様」「紫殿」と呼び合っており、傍目から見てもいいカップルであった(pixivにゴエ紫のタグが多いこともそれを裏付ける)。
ハートマークを挟んで「五M」と二人の頭文字を編み込んだマフラーを投げて寄越すなど、彼女の方が積極的。また、五ェ門は終始彼女を守ろうとしていた。墨縄家の財宝を狙うルパンたちと別行動を取ったことからも五ェ門の誠意が窺える。(紫と五ェ門は列車で移動中向かい合って駅弁を食べており、まるで新婚旅行のようであった)。
作中での動向
作品冒頭で五右ェ門と婚礼を挙げていたが、墨縄家の家宝の壺を狙う風魔一族に襲撃され、人質として誘拐されてしまう。
深夜、人質交換所に壺を盗み出したルパンや次元と共に現れた五ェ門によって、壺と交換される形で救出される。
その後はルパンに提供された服装(後述)に着替えると、五ェ門と共に行動する。
しかし、作中中盤で五ェ門が幻覚作用のあるガスを吸ってしまう。紫は五ェ門を止める為、ルパンの「行くな!」という制止を振り切って五ェ門の元へ駆け出す。五ェ門の名を叫んで体を張って止めようとしたが、五ェ門には紫の声は届かず、そのまま腕を斬られてしまった。
その後も、風魔のボスに苦戦する五ェ門を風魔の忍者達が使っていたボウガンで手助けした事で風魔側に目をつけられて人質にされたり、洞窟の崩落に巻き込まれかけたりと災難に見舞われる。
五ェ門に腕を斬られるという怪我こそしたものの、何とか五ェ門達と共に生還を果たした。しかし、守るべき婚約者を傷つけてしまった責任を痛感した事により、作品のラストで五ェ門の申し出により結婚は延期になってしまう。「必ず戻って参ります故」と述べて去る五ェ門の背に、紫は「待っててあげないからねー!!」と叫ぶのだった。しかし、内心では五ェ門の帰りをいつまでも待つ決心を固め、遠くを歩く五ェ門を見つめていた。
余談
作品自体がマイナーかつ、いわく付きの作品であるため、クラリス程の知名度はないが、人気は高く、双葉社『ルパン三世カルト大辞典』が行った人気投票ではレギュラー5人、そして『カリオストロの城』のヒロインであるクラリスに次ぐ7位となっている(ちなみにマモーが選外、パイカルが10位)。
ルパン達に救出された後、ルパンから着替えを提供されるのだが、その中にルパンが「PART2」と複製人間で着ていた赤ジャケットがあり、以降紫はこの赤ジャケットを袖を少しまくった状態で着用している。
「ルパンシリーズ」に登場するゲストヒロインの末路は、生還か死亡のどちらかなのだが、負傷はしたが生還した末路を辿ったのは紫のみだったりする(神楽坂飛鳥は拷問で服が破れるという災難にこそ遭ったものの、他に目立つような大きな怪我はなかった)。
「風魔一族の陰謀」のDVDで見られる設定資料では、本作で披露していた服装以外にも、着物を着ている姿やダウンジャケットを着用しているイラストを見ることができる。