概要
「夕風」は、日本海軍が運用していた峯風型駆逐艦10番艦の駆逐艦である。艦名は、夕方または日暮れに吹く風に由来する。
三菱長崎造船所で建造され、1921年5月28日に進水、同年8月24日に竣工した。
太平洋戦争開戦時は、鳳翔、瑞鳳、三日月とともに第三航空戦隊に所属。戦艦部隊と共に内海西部での訓練や警戒任務に従事した。1942年4月1日に三航戦は解隊されたが、4隻そろって6月のミッドウェー海戦に参加。その後、鳳翔と夕風は日本本土で訓練部隊に所属し、夕風は戦後まで対潜掃討に従事した。
戦後、第二復員省(旧海軍省)にて復員輸送艦として活動した後、賠償艦としてイギリスに引き渡される。
開戦時点で艦齢20年の老齢艦でありながらミッドウェー海戦にも参加し、何とか終戦を迎え、復員船として多数の復員者を帰還させた後、1947年8月、イギリス領シンガポールにて解体され、26年の艦齢に幕を閉じた。
客演
太平洋戦争時にはすでに旧式化していた峯風型駆逐艦だったこと、ミッドウェー海戦以来主要な海戦に出撃する機会がなかったこともあって、映画、小説、ゲームなど創作上での活躍は長らくあまり見られなかった。
しかし2023年公開の日本映画『ゴジラ-1.0』の物語終盤の作戦にて登場を果たす。
登場時間そのものは短かったが、戦後日本を代表する大怪獣相手に、作戦遂行の上で重大な活躍を見せた。