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大口真神

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おおくちのまかみ

日本神話に登場する聖なる神の一柱。真神(まかみ)とも呼ばれ、ニホンオオカミが神格化したものである。

概要

大口真神という言葉の意味は“大きな口をしている”という意味である。

名の示すとおり、狼(ニホンオオカミ)が神格化した存在で、厄除け、特に火難や盗難から守る力が強いとされ、古くから絵馬などに描かれてきた。特に盗難は、田畑を荒らす害獣も含まれ、その姿が描かれた神札は畑に立てて鹿除けに、戸口に貼ることで火難除けに用いられたという。

『大和風土記』においては、「昔、明日香の地に老狼ありて多く人を食う。土民畏れて大口の神という、その住めるところを名づけて大口真神原という」と記されており、現在の神獣としての側面を持つ一方で、人を喰らう獣として恐怖の対象でもあったという。

また、『万葉集』で舎人娘子が「大口の 真神の原に 降る雪は いたくな降りそ 家もあらなくに」と詠んでいるように、“大口の”の言葉が真神(狼)にかかる枕詞とされている。

更に『日本書紀』においては、日本武尊(ヤマトタケル)が東征の際に大鹿の姿で現れた邪神を退治したが、その騒ぎで霧に巻かれて道に迷ったのを白い狼が道案内して導いたことで無事に切り抜けた時、日本武尊は「大口真神としてそこに留まるように」と白狼に語ったという。

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