概要
古代中国の天文暦学において設けられた木星の鏡像となる仮想の惑星「太歳(たいさい)」が信仰の対象となって神格化されたもの。詳しくは→太歳
首に多くの髑髏を下げ、金鐘を手にした三面六臂の姿で描かれることが多い太歳殷元帥のほか、多数の大歳の神がいる。
中国語では太歳星君をタイソェイシンチュイン(Taisui Xingjun)と読む。
太歳星君、大歳の神々
太歳殷元帥
神怪小説『封神演义(封神演義)』の登場人物であり、紂王の長男である殷郊が死後に封神された神格が「執年歳君大歳之神」とされている。
「大歳」の名を冠する神に封じられた者は他にもおり、楊任は「甲子大歳之神」、この他十名の星神からなる「大歳部下日直衆神(星)」がいる。
『三教源流捜神大全』では「肉球」から生まれたという『封神演义』では哪吒太子の物とされる出生譚が語られている。
殷郊と同一視される殷元帥は大歳系の神の代表格であり、リーダー格である。彼は北天の破邪の神玄天上帝の配下たる三十六天将にも名を連ねている。
六十太歲
太歳殷元帥の部下とされる。道教の宗派「全真教」の流派「龍門派」の道士・柳守元の『太上霊華至徳歳君解厄延生法懺』で提唱され、やがて他派にも広まった。
「六十甲子太歲星君」とも呼ばれ、それぞれ十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)と十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)を組み合わせた合計60の「干支」に対応する。
中国の暦法に、木星の運行を元にした「太歳紀年法」がある。この歴法において六十干支は60年で一巡するとされた。日本で60歳を「還暦」と呼ぶのはこれに由来する。それぞれの干支の年に生まれた人々の守護神ともされるが、凶事を司る側面を太歳から引き継いでおり恐ろしい存在とも見られている。
大規模な道教寺院には六十柱の太歳星君の像を全て安置している所もある。
太歳殷元帥と同じく人間としての出自を持つとされ、中国の歴史上の人物が割り当てられている(こちらを参照)。
創作での扱い
世に災いを招く凶神「太歳星君」の影の1つ・・・という設定の紅美鈴の夢として登場した。
なおpixivのこのタグがつけられたイラストは、このキャラクター関連の投稿が一番多い。
詳細は →大ナマズ
イベント『水怪クライシス〜無垢なる者たちの浮島〜』にて初登場したサーヴァント。
詳細は『太歳星君(Fate)』の記事へ
このキャラが登場してからはこちらの方にも当タグが付き始めている。
神代愛依に取り憑く神の正体。51話にてその名前が明かされた。