概要
第一世界の地域「ノルヴラント」に存在するリージョンの一つ。
イル・メグとは妖精語で「虹の国」という意味。いたずら好きの蛮族・ピクシー族が住んでいる事から、「妖精郷」と呼ばれている。
ピクシーの他にもカエルのような水妖フーア、先祖返りで知性を獲得したアマロ(トゥパク・アマロ)、対価を重要視するン・モゥが集落を形成しており、それぞれ生活圏を確保している。
降り注ぐ無尽光の中で一面の花畑が広がり、瀟洒な城「リェー・ギア」がそびえる美しい土地。
しかしピクシーの「いたずら」は人間の善悪からは逸脱しており、よく見るとかなり陰惨な背景が見えてくる。
迷い込んだ人間に魔法をかけて「草人」に変えてしまったり、「かわいいから」という理由でクマの頭に花を植えつけた結果凶暴化させたりと、洒落にならない事をやっている。同地を訪れた光の戦士一行もこうしたいたずらに巻き込まれ、苦労する羽目になった。
そのような背景もあり、この地に逃れた者を追いかける事は危険を伴う。その為足を踏み入れる場合、ご機嫌取りの為に用意を整えなければならない。
なお草人の中には、罪喰いとの戦いの果てに自らも罪喰い化しかけていた所を、その末路を哀れんだピクシーによって草人にされた元人間もいたりする。
慈悲と言えば慈悲ではあるのだが……
なお、当のピクシー達にも恐ろしいものはあるらしい。
とあるサイドクエストでは謎の生き物が姿を見せるのと入れ違いに次々とピクシーが行方不明になるという、不可解かつ怪奇を極めた展開が拝める。
元はフッブートと呼ばれる王国が栄えており、ドラン(アウラ)とガルジェント(ルガディン)が暮らしていた。リェー・ギアも元は「緑の光」を意味する、グリュネスリヒト城という名だった。
が、光の氾濫前に起きたある事件によって王系は断絶。その後、光の氾濫に抗いきれなかった人々は国を捨て、大半はレイクランドへと移住した。
その後フーアによって峻厳な谷間は水で満たされ、堆積物が積もって湖となった。湖底には当時の建物が沈んでおり、潜水する事で往年の歴史を見る事ができる。
またフッブート王国に関しては、闇の騎士ブランヘルツに関するロールクエストが大きく関わっており、かつて何があったのかを知る事ができる。
原初世界に照らし合わせればクルザスに該当。
アルバート曰く、山間部の都市だった為に夜は厳しく冷え込み、だからこそ温もりを大切に感じられたという。
それを聞いた闇の戦士は、かつて自らが亡命したかの国、温かく迎えてくれた友とその家族を想起し、「第八霊災」においてそれらすべてが失われる未来を想起する……
種族
- ピクシー族
小さな妖精の姿をした種族。魔法生物のような存在で、総じてイタズラに役立つ魔法に秀でており、妖精郷がヒトにとって危険な地帯となっているのはピクシー族による幻惑の魔法で迷ってしまうからというのが一番の要因。
ただしヒトに対して敵対的と言う訳ではなく、単にイタズラ好きの度が過ぎているだけなのと、たまに親切心でする事でもヒトと常識が大きく異なるためであり、イタズラ以外でピクシー族の好奇心を満たせる人物に対してはそこまではしない。
- フーア族
カエルの姿をした獣人。ピクシー族以上にイタズラ好きで大規模な幻惑の魔法を使う。
リェー・ギア城の周囲の低地に水が溜まってできた(フーア族が水を呼び寄せて溜めた)湖の底「ドォーヌ・メグ」に棲息しているが、ただの水中ではなく、水際から門を潜って入る概念的な空間に住んでいる。
- ン・モゥ族
妖精郷の北にある洞窟に居を構える妖精の一種。犬のような顔と耳を持つ。
ヒトに対してとても友好的で古来よりヒトと関わりを持って暮らしてきた種族で、光の氾濫に前後してフッブート王国が消滅してからは長らくその関係も絶たれていたが、ヒトと関わりたいという考えは変わっておらず、光の戦士が訪れた時も友好的に接してくれる。
困っているヒトの手助けをして対価を貰う事を名誉としており、対価さえ用意できるなら大抵の頼みごとを聞いてくれる。ただしこの対価は少なくても多すぎても機嫌を損ねるため、頼んだ仕事に見合う適切な量の対価を渡す必要がある。
- アマロ
ノルヴラントで広く飼育されている、人を乗せて飛ぶ事もできるほどの大型の鳥類。
かつて古代ロンカ帝国で魔法的に品種改良されて生まれた種で、元々はヒトと同等の高い知能を持っていた。今では高い知能は失われているが、稀に先祖返りで知能を獲得する個体がいる。
イル・メグで集落を作っているのはそうして知能を獲得した個体のうち、ヒトと暮らす事ができなくなった個体が寄り集まったもの。
ヒトの魂の色を直接感じとることができる能力を持つ。
- 草人
ピクシー族の魔法によってハニワのような形の植物のような姿に変化させられてしまったヒト。根を張ってしまうため自力で移動できず、会話能力も無く、ほぼ植物そのものではあるが、どうやらヒトとしての意識はある模様。
元に戻す方法はあるようだが、今までそれに成功した例は無く、全て「泥人」に変化してしまったらしい。