演:高橋一生
概要
『相棒』のseason4の4・5話、season5の5話で登場した犯罪者。
かつて彼は某医科大学の大学院で精神科医として勤務していたが、その正体は数多く女性を殺めた快楽殺人犯であった。
全ては彼のクランケ(担当患者)でもあり、当時世間を震撼せた快楽殺人犯の村木重雄と出会った事から始まった。当時の安斉はどこにでもいそうな普通の青年であったが、診察の過程で後継者になれる素質を村木に見抜かれ、安斉自身も次第に彼の思想と自論、魅力に取り憑かれ、次第に悪に身を投じる様になり、その後は彼の右腕として活動するようになる。
そして、村木が自殺したと同時に自身の本性に気づいた当時の上司の内田美咲をスケープゴートにして殺害しようとしたが、駆けつけた特命係に阻止。
その後に自殺をしようとしたがこちらも特命係に阻止されて逮捕された。
だが、その後の精神鑑定で逮捕時の安斉にはまともに会話ができない程の重度の精神障害があったと認められ、検察庁は「刑事責任能力なし」とみなされ不起訴処分となり、検察によって安斉は指定医療機関に強制入院させられた。
このあまりにも理不尽な処分に警察や検察は世間から批判やバッシングが相継ぎ、彼によって殺された被害者遺族からは抗議や自殺未遂が相次ぐ様になるほど社会現象となっていった。
そして皮肉なことに、安斉が入院中の担当医はかつて医者時代の上司で殺めようとしていた美咲であり、彼女たちは助手の安斉の犯罪志向に気づかなかった自分の責任を感じていた。
同時に安斉自身も過去に自分が犯した事件に負い目を感じる様になり、美咲と共にカウンセリングを受けながら自分が犯した罪と向き合うようになる。
そして、彼女の部下の看護ナースの真帆との協力の末、外出訓練に参加出来るまで回復しつつあった。
ここから先、ネタバレ注意!
一方で、被害者遺族達の怒りは収まらず一部の人間は安西の動向を確かめようと美咲に近づき、彼への復讐殺人計画が密かに企てられていた。
更に真帆は以前勤めていた関西の病院で訪問看護をしており、その相手は被害者遺族の1人でもある牧百合江だったのだ。百合江は安斉に1人娘を殺された故に幾度も自殺未遂を繰り返しており、そんな様子に見兼ねた真帆は、現在は安斉の担当看護をしており、外出訓練まで出来るまでに回復していた事を漏らしてしまう。
これは安斉自身も現在は自分が犯してきた多くの殺人という罪を自覚し向かい合い、いつか必ず罪を償う意志を表し、安斉自身も自分のせいで一人残された百合江を誰よりも心にかけるまで反省している事実を伝え、百合江自身にも生きる希望を持って欲しいと願っていただけであり、決してこれ見よがしでも被害者遺族側として接していた訳では無く、過去の事は忘れて新たな人生を歩んで欲しいと真帆は彼女に伝えたかったのだ。
だが、この真帆の温情が仇となり、結果的に百合江の怒りに火を注ぐ事となり、遂に殺人を決行してしまう。
そして、百合江は真帆と外出訓練をしている安斉を見計らい、その場で安斉は百合江に刺殺されてしまった。
その後、百合江は再度自殺を図るが駆けつけた特命係によって一命を取り留め、退院後は捜査一課によって殺人容疑で逮捕された。
結局、安斉はかつて尊敬していた村木と同じ末路を辿り、周りとの協力の末、自分が犯した罪と向き合う努力をしていても、周りや世間はそれを断じて許す事なく、最後は自ら手に掛けた被害者の遺族による敵討ち同然に殺されるという因果応報な最後を遂げた。
なお、上記に書いてある通り特命係は安斉の自殺を阻止しているが、特命係の行動が原因で別の殺人犯を生むという結果になってしまった。