あなたに伝えたい、本当の想い─────
概要
アニメ『カードキャプターさくら』の劇場版第2作目。2000年7月公開。
第1作同様、2017年12月にリバイバル上映が予定されている。
時系列はアニメ本編最終話からしばらく経った後で、さくらの小学6年生の夏休みの出来事である。
同時上映はケルベロスが主役の『劇場版 ケロちゃんにおまかせ!』。
あらすじ
さくらの住む友枝町は、夏休みに開催される「なでしこ祭」の準備で賑わっていた。6年生になっていたさくらのクラスは劇を上演する予定で、さくらは主役のお姫様を演じることになっていた。
そんなある日、エリオルの家の跡地に建てられた遊園地で、さくらは思いがけず小狼と再会。実は彼の来日は、さくらの小狼への告白の返事の機会を作るために知世と苺鈴が計画したものだった。2人はその後もさくらと小狼が2人きりになる機会を作るが、さくらはなかなか返事をすることができない。
一方、友枝町ではあちこちでポストや橋が消えるという異変が起こっていた。そして再び遊園地を訪れたある日、さくらはミラーハウスの中で遭遇した謎の少女にさくらカードを奪われてしまう。
少女の正体は長年封印されていた最後のクロウカード・「無」であった。エリオルから話を聞いたさくらは、「無」の封印のためには「一番大切な想い」を引き換えにしなければならないと知り思い悩む。
そして「なでしこ祭」当日。小狼が急遽王子様役で出演することになった劇が本番を迎える中、「無」のカードが本格的に襲撃を開始し、友枝町の建物や人々までも次々と消し去っていく。
ゲストキャラクター
魔術師クロウ・リードが創った最後のクロウカード。ある理由から、エリオルの家の地下に長年封印されていた。
関連イラスト
エピソード
本作本編のフィルム編集は、マッドハウス関連では常連でもある尾形治敏(尾形編集室)が担当したが、本作の同時上映作品となった「劇場版 ケロちゃんにおまかせ!」のフィルム編集作業を担当したのは尾形の弟子である伊藤勇喜子である。
とはいえ、実際のところ伊藤は当時の尾形の弟子の中でもエース級の人物であったため、本編である「封印されたカード」でも一部シーンの編集に携わっているし、そもそも前作やTVシリーズのシーン編集にも携わっている人物であり、CLAMP作品にはそれこそミュージック・クリップ版X(ダブルエックス)から関わっている。(基本、尾形の弟子の仕事は編集室か代表者である尾形の名義で出るため、伊藤の名義はとても表に出辛い事情があった)
で、この伊藤勇喜子という人物。実は『HAUNTEDじゃんくしょん』などに代表される夢来鳥ねむとのコンビで知られる漫画原作者・ラノベ作家の有里紅良の事である。(当時の有里は編集技師が本業だった)この時期の有里は乳がんへの最初の罹患が発覚した状態であり、この映画の編集作業は闘病と並行しながらのものであった。(有里の乳がんはこの後に平癒に至るが2006年に再発し2015年に鬼籍に入る事となった)
この「劇場版 ケロちゃんにおまかせ!」で伊藤(有里)の名義が出されたのは、こうした事情を慮った本作スタッフたちによる、彼女のために用意した「最後の花道」であったと言える。(ただし、彼女の編集技師としての最後の作品となったのは、半引退状態となっていた彼女を監督が呼び戻して参加させた、2003年の「CAPTAIN HERLOCK」である)