概要
少女義経伝とは、VRIDGE制作・moo氏キャラクターデザインのシミュレーションゲームである。
この項目では、同名のシリーズ第一作と、第二作「少女義経伝・弐~刻を超える祈り~」を共に解説する。
あらすじ
『少女義経伝』
主人公は京都に修学旅行に来た際に、罰ゲームに女風呂を覗こうとした瞬間に、平安時代末期の京の都に飛ばされてしまい、裸を直視した少女に抜刀されて追い回された揚句、武器を持った怪しい男二人に襲われ、割り込んだ山伏のために窮地を免れるが、山伏は致命傷を負い、死に瀕した山伏から「武蔵坊弁慶」の名を譲られて、少女=源九羅香(義経)のために戦う事になる。
『少女義経伝・弐~刻を超える祈り~』
第二作目。九羅香達と別れて、傷心旅行に再び京都にやって来た主人公は、旅館の窓から転落して京の都に出現、紆余曲折を経て、九羅香に待ち受ける死の運命を退けるために再び戦う。
システム
第一作は、戦略パートで敵領土を制圧しながら妖力を稼ぎ、制限ターン内に敵本陣を陥落させて、AVGパートのクライマックスでボスとの戦いに移る。
第二作『少女義経伝・弐~刻を超える祈り~』では、普通のシミュレーションゲームに近く、マップ上のキャラクター同士で戦うもの。「撤退」を何度でも繰り返して経験値を稼げるため、詰まってしまう事は少ない。
仲間には好感度があり、イベントなどで上昇するが、戦闘不能になると下がってしまう。特に第二作では、平泉までに好感度が全員低いと、九羅香と共に死んでしまうので注意。
登場人物
- 主人公(武蔵坊弁慶)
CV:下野紘
本作の主人公。高校2年生。修学旅行で京都にやってきたときに、罰ゲームを行っている途中で何故か平安末期にタイムスリップしてしまい、様々なトラブルに巻き込まれた結果、本物の武蔵坊弁慶の代わりに弁慶を名乗って、九羅香の従者として平家と戦うことになる。
身長180㎝を超える長身の少年だったため、平安時代の基準では際だった巨漢扱いされて、敦盛からも「類まれな巨体」と評されている。
性格は優柔不断で状況に流されやすいが、九羅香たちとの関わりを経て人間的に成長していく。
小説版での本名は武蔵(たけくら)になっている。
CV:山本麻里安
源氏の棟梁である源頼朝の妹。普段は男装して義経を名乗っており、女性であることを知っているのは仲間を除けば頼朝くらいしかいない。入浴中にタイムスリップしてきた主人公に自分の性別を知られてしまい、「知られてしまったからには殺すしかない」と主人公を殺そうと追いかけまわすが、その最中の混乱で従者の武蔵坊弁慶を敵に殺されてしまい、弁慶の遺言で弁慶となった主人公を従者にした。
何事においても前向きで行動的な性格。好奇心旺盛。特に親しい相手には感情を隠さず、非常に人懐っこい。また、肉親と離れて育ったためか家族の愛情に飢えており、頼朝を慕うと同時に自分がどう思われているかをひどく気にしている。
義経の関係者
- 武蔵坊弁慶
CV:室園丈裕
九羅香に忠誠を誓う従者。かつて五条大橋を通る者に勝負を仕掛けては刀を奪っていた山伏だったが、最後の一振りと決めていた晩に九羅香に敗れ、それ以来九羅香に忠誠を誓う。ゲーム序盤で廉也の攻撃から主人公をかばって致命傷を負い、薙刀と弁慶の名を主人公に託して九羅香を守るように遺言して死亡した。
CV:間島淳司
九羅香の兄で源氏の頭領。『少女義経伝』では名前のみの登場だったが、『少女義経伝・弐 〜刻を超える契り〜』で正式に登場する。
『少女義経伝・弐 〜刻を超える契り〜』では、平家を滅ぼしたことで武家の頂点に立つ存在になったが、そのために自らの地位をおびやかしかねない妹の九羅香とすれ違い、対立を深めていくことになってしまう。
CV: 高橋美佳子
頼朝の妻で九羅香の義姉。『少女義経伝・弐 〜刻を超える契り〜』で登場する。今回の事件の黒幕で、弁慶を召喚した張本人。壇ノ浦に沈んだ最終兵器「三種の神機」を引き上げ、その力で頼朝の支配を磐石なものにしようと企む。ミステリアスな雰囲気の美女で、作中では観月に次ぐ霊力の持ち主。
CV:岡崎雅紘
源頼朝の弟で九羅香の兄。平家追討軍の総大将。気弱で凡庸だが、兄妹思いの優しい性格。九羅香が兄や梶原景時に嫌われているらしいと察していて、九羅香に同情的に接し、多少の便宜を図ってくれるような場面もあるが、重要な場面では景時に押し切られてしまうことも多い。
- 佐藤紅葉(佐藤継信)
CV:中原麻衣
九羅香の部下。奥州藤原氏に仕える武家の出身。女性だが、九羅香と同様に男装して佐藤継信と名乗っている。九羅香とは共に武芸の修行を積んだ仲で、主従の立場を越えた友人。性格は控えめで生真面目。
CV:浅野真澄
九羅香の部下。東国武士である那須家の十一女で弓の名手。常に眼鏡をかけている「めがねっこ」。九羅香が奥州にいた頃に親しくなった友人であり、九羅香の挙兵を知り、京都にやってきて味方に加わった。
口数の少ないクールな性格。ほとんど笑顔を見せないが、冷淡というわけではなく、自分よりも周囲を思いやる優しさを持つ。
弓の名手だが、眼鏡をかけていないと集中することができず、まともに射ることができないという欠点を持つ。
CV:那須めぐみ
九羅香の軍師。浅黒い肌で金髪の美女。宋からの貿易船に紛れこんでいた密航者の子供。自分の故郷を一切知らないまま磯禅師に育てられた。異色の白拍子・舞の名人として都でも名の知れた存在であり、敬意をもって「静御前」と呼ばれることが多い。
一見、かなりの天然ボケでのほほんとした性格だが、実は昼行燈を装っていて、軍師としてすべきことはきっちりとこなしている。
- 伊勢玲奈(伊勢義盛)
CV:釘宮理恵
九羅香の部下。伊勢忍軍の当主の一人娘。伊勢の街道の周囲を根城にする義賊の頭目を自称している。源氏軍の一員ではなく、義経の従者扱いのため、他の女性陣と違って、男装はしていない。
目端の利くしっかり者であるが、口うるさく生意気な性格。感情豊かで、怒ったり泣いたりと忙しい。ボーイッシュな少女だが、静の立ち居振る舞いに憧れるなど、女らしくありたいと望んでいる面もある。
- 佐藤楓(佐藤忠信)
CV:千葉紗子
続編の『少女義経伝・弐 〜刻を超える契り〜』で登場する。紅葉の双子の妹で、「佐藤忠信」を名乗っている男装の麗人。生まれてすぐに引き離されて巫女として育てられた。姉紅葉へのコンプレックスの反動で、九羅香に恋愛感情じみた思慕を抱いている。そのため、九羅香に近づく男である弁慶のことは嫌っている。
平家
CV:斎藤千和
平家一門の姫で清盛の孫。大人びて物静かな性格。生後間もなく並外れた霊力が宿るような術を施され、それと引き換えに視力を失っている。特殊な術である「人寄せの術」を使うことができる物語の重要人物。
CV:室園丈裕
平清盛の四男。兄の平宗盛(本作には一切登場しない)に代わって指揮を執る平家の事実上の総大将であり、平家軍きっての知将。
観月の霊力を利用して、平家の勢力回復を狙っている。
本来は戦いを嫌う優しい性格だが、立場上冷酷であるよう努めている。目的のためなら犠牲を厭わないが、その対象には自分自身も含まれていて、平家が勢力を回復することで、争乱のない世が訪れることを願っている人格者。
CV:平田宏美
清盛の甥。知盛の従兄弟。中性的な容姿をした美青年で謎めいた雰囲気を漂わせている。文武両道で、史実同様に笛の名手。常に飄々としており、不気味な笑みと皮肉を絶やさないしたたかな人物で、目的のためには手段を選ばず、謀略で相手を陥れることを好み、騙し討ちなども平気で行う冷酷な性格。
CV:藤原満
清盛の甥。知盛の従兄弟。怪力無双で猛将と名高い、平家最強の武将。
CV:石井一貴
観月の従者。元は戦いで両親を失った戦災孤児。平家に拾われ、観月の遊び相手として兄妹のように育った。成長してからは、観月の忠実な下僕としての立場で常に傍にいる。第一は観月、第二は平家の精神であり、この二つのものを守るために己の身を捧げると誓っている。
観月を救うために命を落としたが、続編の『少女義経伝・弐 〜刻を超える契り〜』では政子の術で蘇った。しかし、その身はなかば妖魔と化しており、鎌倉の刺客として容赦なく九羅香を狙う。
平家の元棟梁。現在は故人だが、中盤に観月の肉体を乗っ取って復活を果たす。
その他
CV:若林直美
女丈夫として知られる美貌の武者。木曽義仲(本作には名前しか登場せず、紅葉(継信)に討ち取られたことが語られるのみである)の愛人。性格はかなりの自信家で自分の美貌に絶対の自信を持つ。
宇治川の戦いで九羅香たちと戦い、その後もたびたびあいまみえるが、次第に九羅香と共感するものを得るようになる。
『少女義経伝・弐 〜刻を超える契り〜』では、愛する木曽義仲を死に追いやった鎌倉を恨んでいたこともあって、九羅香たちに協力する。
CV:河相知哉
頼朝の配下。かなり陰険で自己中心的な性格。九羅香を快く思っておらず、軍の集合時刻をわざと遅らせて報告したりするなどの嫌がらせをしているため、九羅香からも苦手に思われている。
CV:丹沢晃之
『少女義経伝・弐~刻を超える祈り~』に登場する。頼朝の配下。主の命を受けて九羅香討伐に乗り出す。
CV:岡崎雅紘
『少女義経伝・弐~刻を超える祈り~』に登場する。奥州藤原氏の当主。九羅香を娘のように思っており、追われる彼女を迎え入れてくれる。
CV:早川隆之
『少女義経伝・弐~刻を超える祈り~』に登場する。藤原秀衡の息子。父と違って、九羅香を邪魔者扱いしており、鎌倉の甘言に乗って父を殺してしまう。
関連イラスト
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源義朝 …風呂場で殺された人物。九羅香の父だが、史実に照らし合わせると年齢が明白に合わない。