概要
腎結石と尿管結石を上部尿路結石、膀胱結石と尿道結石を下部尿路結石とし、尿路結石の95%が上部尿路結石である。
解説
腎臓疾患の一種。男性のほうが発症しやすいが、閉経した女性も発症率が上がる。
ミネラル分、特に塩分やビタミンCの摂取過多により、腎臓機能が低迷することで発症する。
日頃の水分摂取量、カリウムの摂取量が少ない場合も発症しやすい。
発症すると腎臓内で濾過しきれなかったミネラル分が結晶化し、小さな結石となり、これが徐々に集積して大きな石となっていく。結石が1mm未満の小さいうちは、特に問題なく体外に排出されるが、それ以上大きくなると段々と排尿に支障をきたし始め、遂には肋骨から脇腹にかけて痛みを訴えはじめる。
重篤なものでは腎結石が腎臓の中まで成長してしまったサンゴ状結石や、排出されず尿管粘膜に覆われてくっついてしまった嵌頓(かんとん)結石がある。こうなってしまうと自力排出は困難であり、外科的な治療が必要となる。
最も一般的なのは、シュウ酸とカルシウムによる結石で、塩分や脂肪分の多い食生活を送っていると発症のリスクが高まる。運動不足や尿の我慢のやりすぎも、代謝や排泄の阻害となって発症の原因となる。
三大激痛の一画
俗に三大激痛(残るは「心筋梗塞」「群発頭痛」)の一つに数えられるほどの痛みを引き起こす。
「七転八倒の苦しみ」とまで言われ、痛みを発するとあまりの痛みにのたうち回ったり、その場でうずくまって一歩も動けなくなるほど。
仮に患者が感度3000倍なら…その痛みは筆舌に尽くしがたいだろう。
原因は結石が腎臓から尿管や尿道を通る際、その壁を傷つけながら通過するため。
この結石はわかりやすく例えるならばオナモミの種やいがぐりのようなトゲトゲの形をしている。
しかもこれは結晶化したミネラル分――つまり石そのものなので、細い尿管を無理矢理通っていく際に尿管中に傷を付けながらゴリゴリと進んでいくのである。
当然尿は酸性なので強く傷にしみ、痛みに拍車をかけていく。そして結石患者の尿は健康な人よりも酸度が高い。
しかもこれが長時間・長期に亘って突発的に続くため、一度発症すれば結石が体外に排出されるまで地獄の苦しみが延々と続くことになる。
尿管を傷つけるため、血尿も併発しやすい。そして出口の尿道が位置するのはよりにもよって男女ともに神経が集まるデリケートゾーンである。
多少の尿路結石くらいで、人間は死にはしない。
しかし、死ぬほど痛い。
そして、再発しやすい。
大抵は体内から排出できる内にいなくなるが、大きすぎると尿管に詰まって排尿を妨げ、最悪の場合は尿毒症を引き起こすため、手術も必要になることがある。
いずれにせよ、発症しないのが一番である。
――が、PCに張り付いて運動不足かつ水分不足で栄養偏りがちで尿の我慢もやりがちな我らオタクは、こいつの襲撃に遭いやすい傾向にある…。
芸能界でも芸人を中心に発症している人がたびたび現れているが、ロバートの秋山竜次は結石をアクセサリーにしている。
予防法
一番の予防法は、やはり食生活の改善である。
野菜や大豆類を意識して摂取し、脂質と塩分の量に注意しつつ、水分を少し多めに取ってこまめに排尿できるようにすれば、体内で結石が出来ても小さなうちに排出されるため、痛みに苦しむ必要はなくなる。
またシュウ酸はホウレンソウやタケノコやチョコレートの他に、コーヒーや紅茶などの嗜好飲料にも多いため、日ごろからカフェイン中毒の自覚がある人は摂取量を抑えておきたい。
また、もずくや昆布、めかぶなど海藻のぬるぬる成分「フコイダン」は尿酸値をアルカリ性に傾けてくれる作用があるという。
食後すぐは尿成分の濃度が上がりやすく結石を生成しやすいため、食後すぐ寝る習慣がある人はそれを見直し、トイレを済ませてから就寝に入ったり、寝る前にコップ一杯ほどの水を飲んでおくなど、尿の濃度を調整する習慣をつけておきたい。
外部サイト
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内山田ひろし……漫画『GTO』のキャラクター。物語の初期で尿路結石に苦しめられていた。