山荒

やまあらし

山荒とはヤマアラシの漢字表記の1つだが、ここでは妖怪の山荒について解説する。

概要

　『百鬼夜行絵巻』に記されている、棘状の突起に全身を覆われた獣の姿をした妖怪。

　「山あらし」「山荒し」とも。

　『化物尽絵巻』では“のぶすま”という同じ姿の妖怪が描かれているが、関連性は不明。

　詳しい解説が無いため詳細は不明だが、和歌山県有田郡廣村(現・広川町)や広島県山県郡に伝わる伝承によれば別名を“シイ”といい、毛を逆立てる姿を牛が大変恐れるので、牛を飼っている者は牛を前進させる為に「後ろにシイがいるぞ！」という意味をこめて「シイシイ」と命令するらしい。

　また、奈良県吉野郡大塔村(現・五條市)では、山で木を伐る音をたてる怪物として伝わっているという。

関連項目

妖怪　ヤマアラシ

山嵐　山颪　黒眚

ヤマアラシ(魔化魍)