岩石の巨兵
がんせきのきょへい
遊戯王OCGが誕生した初期も初期の頃から存在する通常モンスターの一体。
原作やアニメ版では闇遊戯が王国編で使用していた。
特に梶木戦では窮地に追い込まれた遊戯が繰り出したカードとして
印象的な活躍をしており、原作ファンにとっても馴染み深い存在である。
技名は「砕岩剣(ロック・クラッシュ・ソード)」。
原作では当初レベルは6だったが、バトルシティ編以降でOCGと同じルールに
統一されていく中でレベル4以下のモンスターは生贄なしで
召喚できなくなったためか、デッキからリストラされている。
アニメ版では王国編以後も何度か出番を貰っており、乃亜編やドーマ編に登場する他、
「GX」以後ではOCGと同じステータスで下級モンスターの1枚として登場している。
OCGでは最初期の第一期組として収録されているが、原作通りのステータスな上に
レベルは3だったため、当時最高峰の守備力を持つ下級モンスターとして重宝された。
同じ守備力2000を持つ下級モンスターには『アクア・マドール』筆頭に、
『ホーリー・エルフ』、『島亀』、『プリヴェント・ラット』など
様々なモンスターが存在しているが、これらのカードに比べて岩石の巨兵は
「他モンスターがレベル4なのに対し、レベル3である」
「守備力が2000なだけでなく、攻撃力が1300と割と高めでいざというとき攻撃もできる」
「スターターデッキに収録されたノーマルカードで、入手性が非常に良い」
などの点が非常に高く評価され、壁役モンスターとしての採用率も非常に高いカードだった。
初期のカード群では、基本的に攻撃力と守備力の合計値によってレベルが決定されており、
合計2800までが下級モンスター、合計4200までが上級、それ以上が最上級という
くくりになっていたが、本カードは合計3300のステータスを持ちながら
何故かこの縛りをすり抜けて下級モンスター、それもレベル4ですらなくレベル3という破格の大群であった
(上述のアクア・マドールも合計値3200で下級モンスターだが、レベルは4である)。
上で述べたように初期環境から高く評価されているカードの1枚だったが、
その後レベル3以下のモンスターカードを対象とする低レベルサポートカードが
登場すると更に評価が上昇し、低レベルデッキのエースカードとして扱われるようにもなった。
『レベル制限B地区』『グラヴィティ・バインド-超重力の網-』などの
レベル4以上モンスターの攻撃を封じるカード下でも自由に動けるうえ、
レベル3モンスターとしてはかなり高い攻撃力1300を持ち、
更に地属性である為に同じくレベル3としては攻撃力が高い『機械王-プロトタイプ』等と
サポートカードを使い回せる…など、非常に都合の良い点が多く、
強力な除去効果を持つシンクロモンスターやレベルを持たない扱いのエクシーズモンスターが
登場するまでの間、株を高く保ち続けていた。
これらのカードが登場するとロックデッキ自体があまり見られなくなるが、
その環境下でもレベル3である事を活かしたシンクロやエクシーズへの
独自の使用方法が考案されるなど、評価される機会は多く、恵まれた境遇のカードであった。
「守備力2000」であり「攻撃力1500を下回る」、「レベル4以下」の「地属性」「通常モンスター」という
ステータスのため、これ以外でも対応するサポート・サーチカードが多く、
岩石族デッキでネックになりがちなサーチ・展開手段をカバーしてくれる点も高く評価される。
砂の魔女の融合素材なので、彼女をエクストラデッキに忍ばせておけば融合準備などで手軽にサーチできる。
構築次第では、砂の魔女を直接融合とはいかないが、ジェムナイト、E-HEROなどに属する融合モンスターの素材として起用することも検討できる。
岩石の番兵や鋼鉄の巨兵はイラストやその印象こそ大きく異なるが、名前やステータスなどに共通点が多く見られ、おそらくこのカードのリメイクモンスターになると思われる。
関連ゲームでは、上記の梶木との一戦で見せた奇策が印象深かったのか、フィールド魔法破壊に近い効果を持つモンスターとして扱われたこともある。