「淵廟8番 拘束霊鎖解放」「式号『眇の鴉合』」
式神とは鵺の陰陽師に登場する高等術、及びそれによって呼び出される幻生物を示す。
概要
現世とは別次元の世界「常世」に封じられた怪物を呼び出す術。
扱うには相応に才能が求められる。下から2番目の階級である淵廟の召喚を行う代葉でも「天才」と呼ばれる側の様子。
召喚の際は共通して、階級名・番数・拘束霊鎖解放の宣言・式神の名号を立て続けに詠唱する。(記事冒頭参照)
鵺曰く、「永続魔法のようなもの」。召喚に成功すると式神毎の固有の能力に加え、
・召喚者の盡器の性能強化
・防御結界の展開
が行われる。実に出し得の技である。
式神は拘束霊鎖と呼ばれる拘束具によって封じられており、それを解放するため盡器が鍵の役割を果たす。盡器が使用者と共に成長することで拘束霊鎖の解放率は高まり、召喚される式神も本来の能力に近づいていく。
式神が出現する召喚陣も盡器から現れる為、逆説的に盡器無しで式神の使用は成り立たないという事でもある。
常世の式神たちは階級に応じて区画分けがされており、
4段階に分けられた区画の内側に行くほど強力な式神が封じられている仕組みとなっている。
そして強力な式神ほど、召喚の際の代償と反動も大きい。
式神一覧
冥領(めいりょう)
常世の最外郭。現在登場している式神は無し。
淵廟(えんびょう)
内から3番目の区画。召喚の際は自身の血で額に血印を描く。
固有能力は攻撃よりもサポートに関する能力が多い様子。その分召喚の反動も少ない。
式号「眇の鴉合(すがめのあごう)」
淵廟8番。代葉が扱う鴉の式神。
無数の鴉の群れとなって出現し、使役者の成長に応じて召喚できる鴉の羽数が加速度的に増えていく。
藤乃家に代々伝えられてきた式神らしい。
鴉一体一体のいずれかと任意の対象の位置を入れ替える固有能力を持つ。
この為鴉の数が増える程移動の選択肢が増え、戦闘での優位性が増す。
更に代葉の盡器の特性に応じて鴉そのものが盡器と融合する奥の手を持つ等の応用性はあるが、その反面で鴉たちの耐久力はそれほど高くない。
式号「棘牢冠(おどろのろうかん)」
淵廟2番。修行後の七咲が召喚できるようになった巨大な鹿のような式神。
頭部の角を際限なく伸ばすことが出来る。これだけだとあまり強そうに見えないが、
拘束・移動・防御と便利に扱うことが出来る上、角が壊されても本体にダメージはない為後方支援を行う式神としてはかなり優秀。
更に特性として子体を生み出し使役者又は接触した他者に憑依させられる。
子体の能力も角を伸ばすのみだが、こちらは憑依された宿主が攻撃を受ける程防御力や規模が成長する。
そしてこの子体、どういうわけか式神としては例外的に滅茶苦茶流暢に喋る。
コングラッチュレーション
「任務遂行完了」
お前は何なんだ。
戔房(ざんぼう)
内側から2番目の区画。
式神自体の持つ攻撃性が淵廟とは比べ物にならないほど跳ね上がっている。
召喚の代償も相応に高くなっているはずだが、現状唯一の戔房使用者である儡脊が人ならざる者に近づいていた為実際の召喚リスクの程は不明。
皇善哉曰く「ゆるゆるの条件で致死レベルの能力が発動する」という式神。
式号「胎羽八咫烏(はらばねやたがらす)」
戔房6番。レベル4幻妖達を率いる男、儡脊が扱う式神。
巨大な何対もの翼を広げる八咫烏の影の形を模った結界として顕れる。
結界内部は数億羽の子烏の巣窟となっており、子烏は五感を持たないものの不死の体と感情を知覚する能力を持つ。
この結界内で少しでも感情を乱した生物は子烏全羽から餌として認識され、食い尽くされるまで襲われる。
弱点としては影という地平にしか作用しない形の結界の為上空にいる存在に対処できない事、
子烏は不死身でも結界を模る八咫烏は破壊可能な事が挙げられる。
爛匣(れんごう)
常世の中心部にして最上位の式神たちを封じた区画。現代でもこの区画の式神を召喚できる陰陽師はわずか3人しかいない。
召喚の代償も莫大で、召喚者1人の命では到底足りず、それ故に歴史上この区画の式神を受領しても使わずに生涯を終える陰陽師が大半を占めたらしい。
現代では召喚楔と呼ばれる補助具(制作10年・費用1億)を用いることで代償を軽減させる事が出来るようにはなったものの、それでもなお召喚した双斧は反動で1カ月戦えない体となってしまった。
だがそれだけに規格外の力を持ち、召喚時の衝撃だけで辺り一帯を更地に変え、存在するだけで自然災害と同等の影響を与える存在である。
式号「倉尖隧(くらのさきみち)」
爛匣11番。藤乃双斧が使用する異形の式神。
小山のような巨体からいくつもの脚が伸び、頭部には人の形をした何かが無数に生えぶら下がっている。
詠唱には「1番2番3番拘束霊鎖解放」とあり他の式神よりも更に拘束が厳しくなっている事がうかがえる。
能力を行使するまでも無く、使役者以外の全てを溶かす瘴気を発し続ける。
更に「弋暈」と呼ばれる暈(かさ)を空に広げることで、その暈の影がかかる範囲まで溶かす領域を更に広げることが出来る。
その他
「朱拿蛛(しゅなしゅ)」
第6支部の燕梨が扱う蜘蛛の姿をした式神。
寮子一族が取り扱ってきた転移結界の行使に用いられる式神で、転移の儀式を行う際に頑張ってくれる。
階級は不明。戦闘能力はほぼ無いと思われる為、読者から「冥領の式神では?」と言われることも。
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