留袖四衲
とめそでしとつ
「隊長以外の皆様方 どうぞ仲良くして下さい」
夜島学郎が率いる第6支部の討伐隊に配属された、陰陽師の少女。一人称は「僕」。
なんと7年前に生き別れた学郎の義妹で、夜島拓郎に養子として引き取られた経歴を持つ。
父親を幻妖に殺されたのに、陰陽師にはならず平凡に生きてきた学郎を毛嫌いしており、彼の命令は絶対に従わないと断言している。
しかし匂いで人の感情を読める代葉が言うには、それは憎しみから湧いたものではないようで……?
容姿はセミショートの黒髪であり、血の繋がりが無いだけあって学郎とは似ていない美少女。
学郎とは幼い頃に拓郎の元で生活し、年相応の無邪気さを見せていた。幼少期はガキ大将のような一面が強かったため、七咲達への対応やクラスメイトと上手く協調する姿を意外に思われている。
1話における学郎の回想では一切存在を語られず拓郎も彼女の名前すら呼んでいなかったが、実は彼女も拓郎が殺害された現場に居合わせていたことが判明した。
拓郎が死んだ際に陰陽師となるか、無関係な一般人の生活を送るかの二択を迫られ、慕っていた父親を殺した幻妖への憎悪から前者を選ぶが、学郎とはそこで意見が対立し、その末に起きた喧嘩を最後に生き別れとなる。
そのため、学郎の事は「父の死に報いずのうのうと生きている」と蔑む他、徹底して学郎とまともな連携やコミュニケーションを取ろうとしない。
しかし、代葉の指摘通り学郎を真に憎んだりしているわけではなく、単純に陰陽師として判断も甘く未熟な学郎に従いたくないというだけ。
七咲や代葉、鵺やキャシー等の面々との仲は比較的良好。中でも単行本ではキャシーと仲良くしていると描写されていた。
陰陽寮での階級は一旗だが、上司の鶤狩兵一が学郎達の支部への派遣の際に少し惜しむ程の戦力で、「四衲がいればレベル3でも簡単には死なない」や、「アイツは一旗でも特別」と称しているが、流石に単体でレベル3の討伐は不可能だった。
それでも一旗が7人で対処するレベル3を相手にできるので兵一の言葉通り通常の一旗よりは実力が高いことがうかがえる。
霊衣は、フード付きのコート状の形態をしており、袖先は鈎爪を持つ大きな手となっている。また腕以外にも同じ形状の手が独立して傍の虚空に浮いている。
戦闘時は、この手を使ったパワフルな近接戦を行い、レベル3を引き裂く膂力を発揮する他、上述の副腕で離れた相手を捕まえたりも可能。
また、キャシー曰く「(第6支部のメンバーの中で)誰よりも特別」な力があるらしく、それを裏付けるように戦闘中の彼女は眼が黒く染まるのだが現在は詳細不明。
7年前に生き別れた義理の兄。義兄の事は「ガー助」と呼んでいる。
昔は少なくとも仲は悪くなかったようだが、拓郎の死を起因に険悪なものとなった。仇討ちもせず、のうのうと平穏に生きてきた学郎の事を許せないでいる。
ただ本心では家族として今でも大切に想っており、義父と同じように喪ってしまう事を何より恐れている。
養子として迎えてくれた父親。学郎に対する言葉から、四衲も拓郎を慕っていた事が窺える。
父を殺した幻妖に強い憎悪と怒りを抱いており片腕を奪われても全く怯まないほど。