概要
自由惑星同盟において、銀河帝国との戦争において徹底抗戦を唱える国家主義団体。形式としては市民団体のようだが、その行動は反戦派や和平派への弾圧に留まらず、反戦主義の選挙立候補者の妨害や政権に対して反論した市民へのリンチなどと言った犯罪的行為に走っている。
裏にはヨブ・トリューニヒトがいるという噂があり、実際に作中でトリューニヒトの演説に対して反抗的な態度をとったヤンに襲撃をかけたことがあるが、実際のところはどうなのか原作では描かれておらず、ヤンがイゼルローン要塞を攻略した後は掌を返してヤンを讃える描写があったり、国防委員長として軍政部門を掌握しているトリューニヒトの犬にしては、軍部内との繋がりが見えて来ず、むしろ警察との関係が深いなど疑わしい要素も多い。
ただしメディアミックスの石黒版OVAや藤崎版漫画では明確にトリューニヒトが憂国騎士団に指示を出している描写があり、特に後者は明確な上下関係にあるような描写がなされており、原作でもトリューニヒト政権時代になると今まで以上に横暴を働くようになったともされているため、無関係ではないことだけは確かである。実際に、反戦団体のエドワーズ委員会への弾圧は警察とグルになり、更に石黒版ではフレデリカを襲撃しており、もはややりたい放題となっていた。
ドワイト・グリーンヒルからはピエロ呼ばわりされており、Die Neue Theseではヤンから「ゴロつき共」と称されているが、後に反トリューニヒト政権クーデターに参加する現役軍人のクリスチアンが構成員になっていたりと複雑な様相を呈している。もっとも、クリスチアンはその後救国軍事会議に参加しており、救国軍事会議どころか憂国騎士団の理念にすら賛同しているかも怪しいところ。
一部の市民からは支持を得ている一方、それだけ主戦論を唱えるにも拘わらず、自分達では戦場へ行かずに戦争を賛美している理由でヤンは憂国騎士団を侮蔑している。
末路
トリューニヒトが逃げ出して、更に自由惑星同盟が滅亡した後も存続していた。ハイネセンポリスの大火の後、帝国軍憲兵隊のブレンターノ大将の采配で事件の犯人に仕立て上げられて壊滅した。
これ自体は冤罪ではあったものの、地球教とのパイプがあったことが判明した上に実際に地球教によるラインハルトの暗殺未遂もあったため、犯人としては最も適切であったのでスケープ・ゴートにされた形となる。
が、一応、過激派というだけのことはあったのか検挙対象とされた2万4600名の内、5200名が抵抗の末に死亡し、1000名が逃亡しているなど地味に凄いことをしている。
特に石黒版OVAで検挙時の描写がなされているが、本部に「KAISER GO HOME(皇帝は家に帰れ)」という文字を堂々と掲げ、帝国憲兵隊相手に激しい銃撃戦を展開しており、ヤンが侮蔑したように「なんで戦場にいかないんだ」と思われても仕方ない訓練された武闘派ぶりを見せつけている。
余談
とにもかにくも憂国騎士団の被害を受けていた同盟市民にしてはいささか釈然としない理由ながらも「地球教との関係があった」ために今までの悪業のツケを清算するように帝国憲兵隊に徹底的に締めあげられたわけであるが、その後にトリューニヒトは何事もなく銀河帝国への仕官に成功している。
帝国憲兵隊の能力をもってしてもトリューニヒトと憂国騎士団の関係を証明できなかったのか、関係があっても帝国からは特に重要視されるほどの濃厚なものではなかったのか、あるいはトリューニヒトの証拠隠滅能力が芸術的なまでに卓越していたのか、はたまた噂は所詮噂でしかなく本当に直接関係がなかったのか、真実は闇の中である。
いずれにしても、偽物の祖国愛を持ち出す寄生虫の一味である事だけは確か。
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マンハンター マンハンティング部局…ある意味同業者。