概要
○○○大学総合病院にて、鎬紅葉から提供された地上最強の生物こと範馬勇次郎の血液サンプルの調査結果を見た内科医学博士の秦君芳が、その異常なホルモン指数の高さから導き出した勇次郎からみるこの世界の景色への結論。
勇次郎の肉体に形成されるテストステロン、即ち男性ホルモンは通常の男性の10倍をオーバーしており、測定不能という数値を叩き出していた。
そこから導き出される結論は勇次郎から見れば自分以外全て人間が異性であり、爺さんだろうが婆さんだろうが、相撲取りでもラガーメンでも、皆等しく女盛りという事である。
その結論を聞いた紅葉は大笑いしながら「ある意味幸せかもナ」と感想を述べている。
あれから16年……
場面は変わり、異国の地で一人の男がインタビューを受けていた。
男の名はジョー・ウィリアム(48歳)。
「内なる雄に出会いたい」と称して様々な危険地帯に挑戦し、己が命を危険に晒し続ける冒険家だった。
しかし、彼はそのきっかけに関してだけは死んでも言えないと固く口を噤んでいた。
「初めて知ったよ。俺にもーー「女」がある!!!!事を……」
死んでも言えぬその理由……ジョーはかつて16年前に、勇次郎に手篭めにされていたのである。
羽交締めにされ、ディープキスで唇を奪われ、遂にはズボンを破り捨てられ、自分の中の「雌」を否応無しに分からされてしまった。
それ以降、ジョーは自分の中の「雌」を必死に否定するように、自分の身を危険に晒し続ける事で内なる「雄」を探し続けているのである。
それ以上喋ると
「犯すぞ爺い!!!」
徳川「儂をかッッ!!!!!!?この爺いを手込めにすると----!!!?」
二代目野見宿禰との対戦では、軽い気持ちで自身を呼びつけた宿禰を圧倒して下した勇次郎。
ノックアウトされながらも立ったまま気絶する宿禰の力士としての意地に関しては認め、「また遊んでやる」と一言残して去ろうとする勇次郎。
以前と比べて丸くなったとも取れるその対応に「優しいのぉ」と評する徳川だったが、それに対して勇次郎は凄まじい形相で上記の台詞を言ってのけた。
勇次郎から見れば徳川の爺いもストライクゾーンに入っているのである。
徳川「いやァ〜……そ……それはチョットォ…」
この強姦宣言に徳川は赤面しながら俯くのであった。
後日、徳川からこの一件を聞かされた息子の刃牙は、父親の思わぬ性癖と体質に困惑。
そしてちょっと嬉しそうな徳川にドン引きするのだった。
余談
連載30年にして、あの勇次郎が実はバイ(厳密にはストライクゾーンが広過ぎるノンケなのだが)という衝撃的すぎる事実が明かされた訳なのだが、真に恐ろしい所は別にある。
実はこの設定、これまでの勇次郎の言動と照らし合わせても、全く矛盾が無いのである。
寧ろ、世界中に種をばら撒いておいて生まれた子供が刃牙とジャックだけという疑問も解消されてしまうのだから恐ろしい。
この一件以降、一部でホモ扱いする読者が続出したが、定義上はバイセクシャルよりもアセクシャルに近い。
勇次郎に性欲は一定以上あるものの恋愛感情というものが無く(対戦相手を常に意識することを「恋する」と表現することはある)、相手に欲情して致すというよりは溜まった性欲を発散する為に手近な獲物を老若男女問わず襲っているという感覚と思われる。
実際、ジェーンや江珠との関係もただの協力者や退屈凌ぎの為の玩具を作る為の母体としか認識しておらず、言動から「いい女」と褒めはすれど恋愛感情は無く、江珠に至っては有象無象の娼婦に過ぎないとすら言い放っていた。
その為、勇次郎にとって性的行為は愛情表現ではなく、副次的に繁殖機能を果たす排泄行為に近い。
要は、趣味趣向に関係なくムラムラしたから適当な人間を使って発散するというだけであり、ジョーが襲われたのは溜まってるタイミングで偶々近くにいたためという可能性が高い。哀れ。
常人の感覚に当て嵌めるならば、勇次郎にとってまわりの人間は(性欲に限定すれば)性欲発散の道具という感覚と言える。
一部でやたらとソッチ系のネタが作られるが、普段から誰彼構わず襲っているというわけではなく(殺傷はするが)、手当たり次第に襲う四六時中欲求不満の性欲魔人というわけではないので注意。