CV:龍田直樹(OVA版)/楠見尚己(2001年TVアニメ版) / 麦人(2018年TVアニメ版)
概要
地下闘技場トーナメントの主催者で、世界中の格闘技者の情報量はもちろん、金の方も世界トップクラスを誇る日本最後の大物。
水戸黄門こと徳川光圀の子孫を自称している。なお、地下闘技場のある東京ドームに隣接する後楽園は水戸徳川家の庭園だった。
格闘家や強者を見聞することに血道を上げ、その渇仰のためなら自らの命さえも惜しまない。人間的に熟達しており、現役の総理大臣さえも彼の前では畏まり恐縮するほどの傑物。
刃牙達がピクルとの闘いを終えた後、重度の癌によって体を蝕まれていたことが判明、闘病を勧める紅葉を一蹴し、「闘いたい者それぞれに相応しい好敵手を引き合わせる」という自らに課せられた天命を全うすべく、栗谷川にマッチメイクを委託する。
(が、勇次郎と刃牙の最強の親子喧嘩観戦後に何故か完治してる)
『最凶死刑囚』編では、刃牙や独歩が負けた時には敗因を指摘、「ごく日常の中で人知れず起こり得る不当な暴力の鎮圧こそが根本。いかなる評価、いかなる賞賛を得ようが喧嘩で不覚をとる闘士など無価値と言ってよい」と批評して、花山を怒らせるが、「ワシが一番悲しんどるんじゃぁ!! 貴様より! 貴様等より! 誰より! 地下闘技場戦士の最強を誰よりも信じたのはワシじゃ!貴様等にこのワシの無念がわかるか!」と泣きながら気持ちを吐き出す。
これには刃牙も反論できなかった。
さらに、柳龍光の毒手によって刃牙が瀕死に追い込まれた際には烈海王とコンタクトを取りながらスムーズに中国へ行けるよう各方面に手を回し、間接的にだが刃牙の生命を救っている。
その後も
『神の子激突』編ではマホメド・アライ流拳法を完成させた超天才ボクサー、アライJr
タイトルの変わった『範馬刃牙』ではジュラ紀から蘇った古代最強生物、ピクル。
『刃牙道』ではクローン技術と降霊術によって現代に舞い戻った最強剣士、宮本武蔵。
『バキ道』では角力の始祖を祖先とする超握力力士、二代目野見宿禰。
2024年現在連載中の『バキらへん』では噛道を完成させ、復活を果たしたジャック。
など、そうそうたる戦士とのマッチメイクを実現しており、刃牙シリーズにおけるストーリー展開の原動力となる活躍をしている。
功罪
刃牙達グラップラーにとっては非常に頼れる存在であり、メタ的な意味でもストーリーを進めるのに便利なキャラクターである。
しかしその一方で強者の戦いを愛するあまり倫理観に欠けるところがあり、いろいろと悲惨な結果を招く問題人物でもある。
初期の頃から、何の罪もない野生生物とグラップラーを戦わせ重症を負わせたり、勇次郎に破壊された選手を心配する素振りも見せずに飛び入り選手の技に大興奮したりと、その片鱗を見せてはいた。
それからシリーズが続き敵の強さがエスカレートするに連れ…
以下、光成の罪及び企画や幇助にて生じた被害一覧
・手首を切断される(後に繋がったが)
・致死性の猛毒に冒される(後に生還したが)
・警察が大量斬殺される
・前述の殺人犯を蔵匿
・勝手に遺体の腕を持ち出す
…といったかなりシャレにならない被害を出している。
一応グラップラーに対する愛は本物なので、彼らが傷ついた際には常に本気で悲しんでいる。
ただ、同じくらい戦いを愛してもいるため、悲しんだ数コマ後には次の戦いに思いを馳せていることもよくあり、読者にとっては本当に悲しんでいるのか疑問に映るシーンが多い。
その結果、全ての元凶だの巨凶徳川の血だのと、めちゃくちゃな呼ばれ方をすることもある。
余談
刃牙と勇次郎親子喧嘩を観戦して癌が完治したが、現実にも似た様な事例はある。
末期癌と診断されて余命1年足らずと告げられ「どうせ死ぬなら好きなことをしよう」という精神で好きなものを自棄食いしたり、趣味に没頭したことで末期癌が完治又は命に別状が無いレベルまで治ったという事例が少数ながらある。
一説として、好物を食べたり好きな趣味を行う事で感じる多幸感で自己治癒力が高まり、癌細胞が減少するというものがあり、「笑うと癌が治る(減る)」という俗説も同じメカニズムな可能性がある。
徳川にとっては、それ程までに地上最強の親子喧嘩はビッグイベントだったのだろう。