概要
書籍『皇国の守護者』に登場する軍人(主人公)。背丈は小柄で凶相に近い容貌の持ち主である。
初登場時の役職は陸軍独立捜索剣虎兵第十一大隊の第二中隊本部付兵站幕僚。階級は中尉。
その後は転戦する中で近衛衆兵独立鉄虎第五〇一大隊長、六芒郭臨時防備部隊司令などを歴任し、9巻時点では近衛嚮導聯隊長を務める中佐にまで昇進している。
性格は無慈悲で鬼畜で矮小で優しい複雑な軍人。かなりの難物である。
その強烈な個性は多数のファンを生み出し、多くのネタを輩出している。
信頼する者は、千早(猫)と家族と愛人と副官。
幼少の頃に内乱で家族を失い、名家である駒城家に偶然養子として引き取られる。その後は軍人となり、”帝国”との防衛戦争に参戦。類い希なる戦術センスと生来の臆病さをカバーする”狂気”を持って数々の戦功を挙げ、野戦昇進を積み重ねていく。
冷酷非情のリアリストだが、「兵士達をいかに死なせずに戦果を挙げるか」をモットーに仕事をしているため、部下からは絶大な信用と好意を得ている。
その作戦指揮能力は劇中でも指折りだが、彼個人の戦闘力も非常に高い。愛猫の千早とのコンビネーション戦法は対人戦では無敵に近く、腕っ節のほうも負け無しである。
名匠・七代目遠賀寺房松が鍛えた頑丈な作りの鋭剣(※)を駒城家から与えられ、愛用している。
※この世界での刀剣の分類。漫画版では小太刀型に描写されている。小説版では詳細な形状については説明が無いが「通常の銃兵将校用鋭剣と同じく」両刃であることが二巻で触れられている。
部下や目下の者には剽軽で人情味のある態度を取るものの、本性は冷酷無慈悲なサディストであり、またそんな自分を何よりも卑下している矛盾の人である。戦争というものの理不尽さを理解しながら、誰よりも戦争を愛し楽しむ戦狂いである。
あらゆる点で二面性のある人物であり、劇中でも人物評がきっぱりと二分されている。
優しさと残酷さが同居している難物であり、彼を慕う部下からは「含羞の人」と呼ばれている。
ケチなことが嫌いな派手好きであり、異常なほど気っぷがいい。
非常に有能な人物ではあるのだが、良くも悪くもリアリストであり、”忠誠心”といったものを持ち合わせていないためか上官受けが悪く、冷や飯を食わされることも多い。上司に対しても無条件に好意を示すタイプではなく、無能であれば戦場で見殺しにすることも辞さない。
また、情を交わす相手の首を締めないと達することができないという性的異常者であり、彼自身その事を恥じている。
原作版、漫画版を通して判明している限りにおいて、彼がこの性質を出さずに情交できた相手は一人しか存在しない。また、冴香とユーリアは直衛のこの性質を知った上で彼と情を交わすことを選択している。
後に彼の妻となり、生涯彼と付き添った女性が彼のこの性癖を知っていたのかは今のところ不明である。
何を考えているのか分からない不気味さと上述の性癖もあって、女性からは敬遠されることが多い。本人も女性に対しては引け目を感じており、容姿にコンプレックスを抱いていることもあって恋愛などには消極的である。
たまたますれ違ったヤクザ者に極道の大物と勘違いされる程の悪人面であることも、本人にとっては悩みの種である。
新城語録
・「僕にとっては、兵を、ただ名誉のためだけに死なせることは恥ずべき行為にすら思えるのです大佐殿。歴史と伝統が許しても 僕自身は毛頭それを許容しかねます 」
・「戦争の結果はいつでもあいまいだ。勝ち負けでさえ、白黒がついていない。 無駄な勝利もあれば、意味のある敗北もある。 そこで死んだり手足を失ったりする兵にとってはどちらでも同じだが 」
・「最低だ、僕は。新城直衛――この偽善者め。かざりたてた勇気を道具に好意を搾り取り、兵を動かす。裏切っているんだ、兵を、彼らを!!己でなければ殺したいほどの傲慢さだ…… 」
・「僕には理解できない。どうしていざとなると、誰も彼もが地獄へ望んで進撃したがるのだ?」
・「 少なくとも僕ならば、僕ならば、復讐の機会を待ち望む。そして絶対に逃さない。殺す。あるいは、死んだ方がましだと生涯嘆き続けさせてやる。」
関連イラスト
他作品とのコラボ・クロス作品も数多い。
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