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新興宗教オモイデ教

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しんこうしゅうきょうおもいできょう

大槻ケンヂの処女小説。荒唐無稽青春伝奇。「月刊カドカワ」に1991年2月号、4月号~10月号まで掲載され、単行本は角川書店から1992年に出版された。装丁はハードカバーで、初版の帯には『オドロオドロしくも青春』のキャッチコピーが入っていた。1993年には文庫化されている。2007年、続編にあたる外伝シリーズがガガガ文庫より出版される。

爆弾って何よ?

あらすじ

内気な高校生ジローが元クラスメイトのなつみにスカウトされた『オモイデ教』は、妖しい新興宗教を装った『悪しきものをこの世から一掃する』という思想の暗殺教団だった。

なつみとの賭けによって最高機密である誘流メグマ祈呪術を知ってしまったジローは、不本意ながらも『オモイデ教』の信者と行動を共にし、様々な事件に巻き込まれていく。やがて『オモイデ教』を排除しようとする右翼団体のエージェントが現れ、メグマ攻撃を予告する。

常軌を逸した熾烈な『聖戦(ジハード)』の名を借りた宗教戦争の中、ジローは『メグマ』の覚醒をむかえる。

登場人物

オモイデ教

八尾二郎(ジロー)

本作の主人公。高校で隣の席のなつみに、密かな想いを抱いていた。

内向的な性格で、本人曰く『パッとしないやつ』だから友達はいないと嘯くが、凡庸を嫌い他者を寄せ付けず、教室で自ら孤独を作り出している。休み時間にひとり旧校舎裏の水飲み場で手を洗って過ごすのは、そのメソッドである。反面、オモイデ教信者の中間とは行動を共にしている。

オモイデ教に関わっていく中、奥義の『誘流メグマ祈呪術』を会得することになる。

なつみ

ジローのクラスメイトでとらえどころのない少女。

実家は理髪店。過去に兄を食中毒で亡くしている。

教師との不倫の果てに捨てられて精神を病み中退。後に『オモイデ教』の信者となってジローと再会、彼をスカウトする。狂信的なほど教祖に心酔している。

人間の精神を破壊して狂人にしてしまう誘流メグマ祈呪術の術師であり、メグマを操れる人間を見つける才能も併せ持つ教団きってのエリート。

彼女のモデルとなった実在の人物の一人に、工藤ひとみの名前が挙げられている。

中間有村

長髪で髭をたくわえた、時代おくれのヒッピーのようなファッションの青年。大阪出身。

オモイデ教のムードメーカーでジローの兄弟子ともいえる、どこか憎めない存在。

学生時代、『フォークギター研究会』なるサークルに属するも、やり場のない怒りを発散するため、ノイズバンド『自分BOX』を結成。クラスメイトのゾンを無理やり引き入れて過激なパフォーマンスを繰り返し、関西で名を馳せる。

やがてゾンの生い立ちを知り、彼を救うためにオモイデ教に入信することとなった。

銀縁メガネの実直な青年。術師の中でリーダー的な行動をとる。

栗本

最年少のメグマ術師。彼女と同棲している。

その他の術師

伊藤、林田、森口、横浜、井口、他1名がいる。

トー・コンエ

オモイデ教の教祖。『ホン・ラガトエー』の神電波を受信できる。

本名は小山。40代前半で赤い人民服のような衣装をまとう。派手なことは嫌う性格。35歳までは売れないオペラ歌手だった。パートはバリトンで、よく通る声の持ち主。

上野の不忍池を散歩中、『ホン・ラガトエー』の声が聞こえメグマに覚醒したとされる。

ラジオ

どこか遠い町の山小屋にひっそりと暮らすトー・コンエの部下。

義和尊神教『桜の光』

拝み屋ジョー

義和尊神教の教祖。ぼろぼろの法衣をまとった物乞いのような青年。

メグマ術を極めており、戦いの場に自ら赴く武闘派でもある。

撮列重蔵の相談役で、国紅宙会の障害となるメグマ術師を粛清する密命を受けている。

ゾン

本名不詳。痩躯の美青年。

かつて中間のクラスメイトであり自分BOXのボーカリストだった。

幼いころに両親を亡くしており、祖父の紹介でA教の幹部に引き取られる。その後、後継人の性的虐待により精神を病む。普段は無気力で大学でも浮いており、誰ともなくゾンビのゾンと呼ばれている。自分BOXのギグが発端で精神病院送りになるが、波乱万丈な逃亡の果て、拝み屋ジョーに見込まれて強大なメグマ術師となる。

国交宙会

撮列重蔵

民自党元総裁で、優秀な学者でもる。偶然『メグマ波』を発見したことからメグマに関する研究を隠蔽し、極左殲滅にその力を行使するため国紅宙会を設立する。

神猟塚聖陽心霊治療塾

神猟塚聖陽

悪霊払いや心霊治療などを請け負う、俗にいう『拝み屋』の塾長。バックに右翼団体がついている。

本名は陽子という以外謎だが、霊能力は本物。しづという幼なじみの親友がいた。

A教

藤堂徳浪寺

A教の教祖。『桜の光』のメグマ攻撃による大参事の中、説得に現れる。

ジローの学校の関係者

前川

数学教師で陸上部の顧問。30過ぎの妻子持ちで、国体予選での思い出が唯一の自慢話。なつみと不倫関係にあった。

化学教師

初老。息子が急死している。

美術教師

教師の中で一番年老いている。

その他の関係者

矢崎

中間が通っていた大学のフォークギター研究会のメンバー。

用語解説

  • オモイデ教 - 『MIND・オモイデ』という表札で雑居ビルに居を構える新興宗教団体。新型タワシの特許を持つ資産家が出資しており、入信者は100人を超えるといわれている。戒律のひとつに禁酒があり、代わりにハーブティーを嗜む。平和的な活動は建前で、メグマの力を駆使する暗殺教団。
  • ホン・ラガトエー - 大宇宙の意思。善き者と悪しき者を識別できるコンタクティーを選び、メグマの力を与える超存在。神電波でコンタクティーに指令を送る。由来は江戸川乱歩のアナグラム。
  • メグマ - 宇宙線『メグマ波』、またはメグマ波を操る力・メグマ術による効果などを総じて『メグマ』と呼称することもある。
  • 誘流メグマ祈呪術 - 『オモイデ教』の選ばれた信者だけが会得できる。詳細は子記事を参照。
  • ポセイドンの目覚め - 中間が行きつけの、アナクロなロックカフェ。ドラッグカルチャーを引きずっている。
  • 自分BOX - 中間が大学時代に結成したノイズバンド。詳細は子記事を参照。
  • 国紅宙会 - 撮列重蔵がメグマを独占するために設立した右翼団体。
  • 桜の光 - 義和尊神教を教典とし、断食・座禅・山ごもりなどの過激な荒行にる修練をする教団。実体は国紅宙会が秘密裏に作り上げた対極左テロ組織で、メグマ術師を発掘・養成する施設でもある。メグマを新興宗教の妖しい奥義とすることで世間の目を欺き、「全てのメグマ術師は国紅宙会の管理の下にあるべし、それ以外は認めるべからず」という危険思想のもと、桜の光に属さない術師は問答無用で粛清の対象とする。
  • A教 - 大信宝連護来地を崇拝する巨大マンモス教団。メグマの素質を持つものが1人いたため、『桜の光』によって数千人単位の支部がひとつ壊滅させられる。

備考

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