概要
2014年に発売されたカードパック「KNIGHTS OF ORDER」で登場したカード。
クトゥルフ神話の神をモチーフにしたテーマ「旧神」に属する融合モンスターである。
元ネタに沿った白髪の老人男性の姿をしている。
テキスト
SモンスターまたはXモンスター+SモンスターまたはXモンスター
(1):このカードが特殊召喚に成功した時、
自分の墓地のレベル4以下のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを効果を無効にして特殊召喚する。
このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは除外される。
性能
「何らかのシンクロモンスターかエクシーズモンスターを2体」という珍しい条件の融合素材を持つ。
シンクロorエクシーズであればテーマも属性も種族も問わないという緩さだが、エクストラモンスターという時点で召喚に複数体のモンスターを使っているのが基本であり、それらをさらに2体素材として使うこのモンスターは中々の召喚難度を誇る。
……と思いきや、この召喚難度を軽々と飛び越えられる相性抜群のカードが存在する。
第5期に登場した簡易融合である。
「1000ライフポイントを支払うことでレベル5以下の融合モンスター1体を融合召喚扱いとして特殊召喚」という効果を持つこのカードは、召喚方法の多様化に伴い有用性が向上していたが、旧神ノーデンとのコンボは既存の融合モンスターを凌駕する圧倒的なシナジーを誇った。
複数体の生贄でなければやすやすと呼び出せないはずの超越神が、カップ麺一個とちょっとのライフでホイホイ来てくれるお手軽おじいさんに化けてしまったのである。
(というかぶっちゃけ、当時のカードプールでも1ターンでシンクロやエクシーズを複数体並べるコンボはいくつも開発されており、元から大した召喚難度でもなかったりする)
その一方で、自身の能力は(本来KONAMIが想定していた)召喚難度に見合う優秀さを誇る。
効果が無効・ノーデンが離れた時に除外と言うデメリットを持つものの、レベル4以下という緩い条件で様々なモンスターを蘇生できる。
レベル4を蘇生すればノーデンと合わせてランク4エクシーズに、チューナーを蘇生すればこれまたノーデンと合わせてレベル5~8のシンクロに……と、その後の展開は自由自在。
そして何より、同名カードの使用制限がない。コンボを駆使してノーデンを複数回召喚すれば、その分だけモンスターを蘇生、そして更なるコンボの展開へと繋げられるのである。
また、シンクロかエクシーズならなんでもいいという融合素材の緩さは、そのまま超融合による相手モンスターの除去のしやすさにも繋がる。
シンクロ・エクシーズを一切使わないデッキと言うのは中々なく、速攻魔法なので素材が揃い次第いつでも発動できる。
相手からすれば、せっかく手間暇かけてエクストラデッキからモンスターを揃えても、
『お前とお前で超融合!!』
とばかりに勝手にカップ麺大好きおじいちゃんのご飯にされ、おまけで墓地からモンスターも連れて来られるのである。溜まったものではないだろう。
評価
上記の融合素材と蘇生対象の制限の緩さから、登場後は瞬く間にノーデンと簡易融合をぶん回して1ターンキルに持ち込む即死コンボが開発されていった。
先行で発売された韓国の環境では、あまりの大暴れっぷりに、「カップ麺早食い競争(いかに早く『簡易融合』を発動できるか)」と揶揄されたほどである。
このままでは日本も発売され次第、韓国環境の二の舞になる……と当時は危惧されていたが、そこは想像の斜め上をいくKONMAI。
『ノーデン以上に強力なカードパワーを持ったテーマを実装する』という力業で、早食い大会の日本開催は阻止された。
とはいえ、ノーデンによるコンボが凶悪であることには関わらず、発売から2回目のレギュレーション改訂で『簡易融合』と『超融合』が制限カード指定、その後『簡易融合』の制限緩和と引き換えに、ノーデンは敢えなく禁止カード指定を喰らってしまったのであった。
余談
同じ『旧神』の名を冠するモンスターに『旧神ヌトス』がおり、さらにこれらの旧神モンスターを特殊召喚できる『禁断のトラペゾヘドロン』という魔法カードが存在する。
が、上記の通りノーデンが収監されてしまったうえ、ヌトスは元から既定の条件でなければ特殊召喚できない縛りを持つため、せっかくの旧神を特殊召喚できるカードなのに特殊召喚できるモンスターが存在しないというあんまりな状態となっている。