CV:菅原正志
概要
劇場版『名探偵コナン 漆黒の追跡者』に登場するゲストキャラクター。
二年前の七夕に発生した京都ホテル火災で死亡した本上なな子の兄。
コナンから水谷について聞かれ、なな子を連れ駆け落ちしたことから両親は快く思っていなかった事実を明かした。公認会計士という繊細な職業の為、顧客の年齢、性別や金額、購入日時等あらゆるを全てメモする几帳面な性格が玉に瑕。
この先ネタバレにつき注意!
「自分で降りたにしても、やつらが乗ったせいでなな子が死んだ事に変わりはないっ!!」
その正体は今回の一連の連続殺人事件の真犯人。
2年前に発生した京都ホテルのビル火災事故で死亡した妹のなな子について詳細を調べていたところ、なな子はそのホテルのエレベーターにおいて当時宿泊していた今回の事件の被害者達に7人乗りのエレベータからなな子を定員オーバーという理由で追い出されたために逃げ遅れ、結果的に死に至った事が判明。しかし、実際にはなな子は自発的にエレベータを譲っていた事が判明し、生き延びた被害者はその感謝の念で匿名で彼女の墓に花束を送っていた。
だが、そんな被害者達の罪悪感と感謝の気持ちは兄である和樹には届かず、火事の生還者たちを許す事が出来ず、表向きは水谷との交際を許した彼だったが、本心は両親同様、駆け落ちした水谷を許せず、更には常に彼女と一緒にいたにもかかわらず結局彼女を守れなかった事で遂に生存者と水谷に対する殺害を決意する。
そこで、彼は水谷に対してはなな子がエレベータから追い出されたと嘘を吐き、水谷に生存者への殺意を抱かせ、自身は生存者への殺人を決行する中、なな子を救えなかった自責の念に駆られていた水谷に対し、自分が殺害を実行する代わりに罪を被ったうえで自殺するよう要求したのだった。水谷もその計画に同意していたのだが、コナンは罪を被り自ら命を断つのは、なな子が好きだった星とは天と地ほどの差があると諭されて身代わりになることをやめ、和樹に自首を促すが、当の和樹は毛利小五郎が独自に事件の再捜査をしていると思っていたようで実際に捜査していたのが子供であるコナンと分かると納得するどころか逆上し、自らの手で水谷とコナンを殺しにかかる。だが、そこに現れた別の思惑で事件を追っていた者の手によって倒され、最終的に警察に逮捕された。
妹が命を懸け、しかも当人達が悪意のもとに死に追いやった訳でもない被害者7人(2024年時点で原作・アニメ含めて劇中の犯行では最多の犠牲者数※)の命を奪い、解決パートで身勝手な主張とその変貌はそこそこインパクトはある(上記のように、7人の被害者たちは全員謝罪と感謝の気持ちを持っていただけに殊更身勝手さが目立ち、彼の犯行は妹の死を完全に無駄にしたと言っても過言ではない)のだが、その後に登場した真の黒幕や黒の組織との対決シーンに突入した事で結果的に影が薄く、この影響なのか劇場版に組織が登場した『純黒の悪夢』では推理要素を大幅に減らし、『黒鉄の魚影』では組織の構成員を犯人にしたと言えなくもない。
また、水谷役のDAIGO氏の独特な演技もさらに拍車をかけている。
※当然ながら殺害数が明確でない黒の組織のメンバーは除く。また、過去の犯行を含めて人数が明かされてる物では、17人を放火その他で殺害した「青の古城探索事件」の犯人が上回る。
関連タグ
遠野英治:親しい人間が事故に巻き込まれ、死に追いやった相手への復讐を決意した点と、その復讐自体生き延びた者を顧みない逆恨みだった点が共通している。