概要
同情出来ない被害者とは、書いて字の如く刑事ドラマや探偵もの等のサスペンス、ミステリー作品において、被害者であるのは確定的ながらも、加害者以上に本人がヤバい奴だったりクズだったりして、ユーザーから全く同情出来ない人物及びキャラクターの俗称である。
『金田一少年の事件簿』や『名探偵コナン』のように事件を扱うアニメや漫画では、時折その様な人物が登場する案件もあり、その場合は対比として犯人が同情出来るような描写をされもする。
特に『相棒シリーズ』はこの傾向が強く、以下の傾向に別けられる。
- 「自分は神」とばかりに思い上がり、傲慢かつ狭量な(場合によってはエアプだけで)尊厳破壊レベルの批評を繰り返す評論家
- 「何故、自分だけが不幸なんだ!?」と過度な自己憐憫を理由に、他者への八つ当たりを繰り返すDQN
- 自分の仕事に誇りを持っていながら、他者の仕事を軽んじ徹底的に扱き下ろす上司
- サイコパスそのものの前科者
それもあって被害者は殺されたとしても、生前の所業によってはその死が勝ち逃げにも等しく見え、却って加害者の犯行へ至る過程の悲惨さ・やるせなさを際立たせてしまう。
元・被害者
同情出来ない被害者と言える者の中には、「元・被害者」とも評せられる人物もいる。
具体的には「元々は被害者であったかもしれないが、今となっては卑劣で身勝手な加害者」に該当する人物であり、そうなってしまった原因は、過剰なまでの被害者意識や自己憐憫に取り憑かれてしまった末、見境の無い自己満足的な暴走を起こすからである。
ぶっちゃけ、元々自己中で他人に厳しく自分に甘い考え方しか出来ない下劣な人間性の人物がこうなりやすく、そういった輩に「『被害者』という立場」はある種の強力な「武器」となり、自らの暴走を正当化させてくれる「免罪符」や「錦の御旗」であるかの様に都合良く曲解している。
「元・被害者」と言える人物達には以下の傾向に別けられる。
- 特定の人物が原因で不幸になったけど、本人に直接攻撃するよりも周囲の人間を攻撃して本人を苦しめてやろうと考える人物
- 「自分を不幸にした特定の人物だけでなく、それに関係する者全てが憎いからみんな同罪だ」と考える人物
- 「自分を陥れた特定の人物に復讐して殺してやりたいけど、捕まって刑に服するのは嫌だから、他の人間に罪を着せてしまおう」と考える人物
- 「自分の大切な人が事故(または災害)に巻き込まれて死んだのに、同じように巻き込まれた人間達は生き残っているんだから、そいつらに殺されたも同然だ」と曲解し命を狙う人物。
- 「自分は災難に巻き込まれて不幸になったのに、他の連中は巻き込まれずに普通に生きているなんて許せないから、皆も自分と同じく不幸にしてやろう」と逆恨みしてテロを起こす人物
これらに該当する人物も、『金田一少年の事件簿』『名探偵コナン』『相棒』等々に登場もするが、こうなると〈被害者〉よりも〈加害者〉としての色合いが圧倒的に強いため、主人公を含めた周囲からは「何て身勝手極まりない奴なんだ!!」「辛い事があったからって、何やっても許されると思ったら大間違いだ!!」と共感は得られないばかりか、むしろ激怒や反感を買ってしまう。
爆弾を使ったり放火したりする、自動車やトラックを乗り回して銃を乱射しながら目につく人間達を手当たり次第に殺していく等々……無差別虐殺も同然で無関係な犠牲者を多く出すジェノサイドを起こしたりすれば、世間からはもはや〈テロリスト〉と認識され、「被害者」どころか「犯罪者」や「殺人鬼」、果ては「悪魔」と誹りを受けるのは免れないだろう。
しかし、そのような自分勝手な被害者の場合でも、人によっては「あの人もきっと、犠牲者だったんだよね」等と同情して元・被害者の人を擁護するばかりか、迷惑な思いをさせられて怒りを抱く者達に「あなた達にあの人の気持ちなんて分からないんだ!」などと非難しようとする者もいるが、そうする者達の大半は「(自分勝手な被害者からの)実害を受けていない者」となっている。
いくら元は被害者であっても、迷惑極まりない実害を受ければ、同情されないばかりか怒りを買うのは当然であり、それを理解せず安易に元・被害者を庇って見当違いな主張をする者は『非常識で無神経な人間』と見なされかねない為、注意すべきであろう。