概要
戦前から舞台で活躍。1937年、岸田國士、久保田万太郎、岩田豊雄らが創立した劇団文学座の結成に参加。
特に1945年4月、東京大空襲下の渋谷東横映画劇場で初演された森本薫作『女の一生』の布引けいは当たり役となり、1990年までに上演回数は900回を超え、日本の演劇史上に金字塔を打ち立てた。
1948年には「女の一生」により演劇部門で戦後初の日本芸術院賞を受賞した。
舞台以外にも映画・テレビでも幅広く活躍。映画初出演は築地小劇場時代の1927年に小山内薫が監督をした『黎明』。戦後、黒澤明、木下惠介、小津安二郎、成瀬巳喜男、豊田四郎、溝口健二、今井正などの巨匠たちから、既存の映画俳優には無い自然でリアルな演技力を高く評価され、日本映画史を彩る140本以上の作品に出演した。
1995年、当時89歳で新藤兼人の映画『午後の遺言状』で主演し、毎日映画コンクール、日刊スポーツ映画大賞、キネマ旬報で主演女優賞を受賞している。