林家たま平
はやしやたまへい
9代目林家正蔵(林家こぶ平)の長男、二代目林家三平(林家いっ平)の甥。
経歴
1994年、噺家一家である海老名家(通称・根岸の林家一門)の跡取り息子として誕生。
入門前の6歳の頃から高座に上がっていたが、中学校入学共にラグビーを始め、一時期落語から離れるものの、高校卒業共に父の正蔵に入門し、再び落語の世界に帰ってきた。このため海老名一族は曾祖父・7代目林家正蔵以来、史上初となる親子4代に渡る落語家の家系となった。(後に弟も2019年に入門、2020年9月に三遊亭二之吉と林家さく平【林家たい平の実子】と共に「林家ぽん平」の名で前座デビュー。)
なお、落語家として父に弟子入りを志願した際のことをたま平は小噺にして語っている。
それに際して曰く、家で切り出すと真剣さが足りないのでちゃんと父親の職場で出待ちして「弟子にしてください」と頼んだところ、最初は「そんなに甘い世界じゃない!」と一喝される。
しょぼくれて根岸の海老名家の屋敷に帰るとその断った師匠が自宅にいるので気まずい。そして2回目に「本気だったら弟子にする。ご両親の了解は取ってるの?」「師匠の家は分かる?」などの死ぬほど間抜けなやりとり(普通の弟子入り志願なら当然のやり取り)をして弟子になったという。
その際に「親子の縁は切る。これからはパパではなく師匠と呼べ」と言われたが、母親の扱いをどうするかなどを考えたり……同じく親子で落語家になった林家木久蔵や三遊亭王楽あたりと比べてみると、噺家というのも千差万別だと分かる……かもしれない。
1年4ヶ月の見習いを経て2014年8月に前座、2017年11月、春風一刀とともに二ツ目に昇進。なお、父の九代目正蔵の意向で二つ目昇進を機に生まれ育った根岸の海老名家を出され、一人暮らしを始めた。父の九代目正蔵に「俺は一人暮らしをしたことが無いから、お前は一人暮らしをして新しい世界を観てこい」と言われたという。