概要
本編では既に故人となっており、志ぐまと一生の師匠で五代目阿良川志ぐま。未完の演目である志ぐまの芸を現在の志ぐまに託している。
オレンジと黒髪のバイカラーの髪と「らっはっは」というどこかで聞いたことがあるような笑い声と左眉の上に傷跡が残っているのが特徴。一生と志ぐまを袋叩きにする極道の組長(戦時中の元部下でラバウルで一緒だった)に対して「俺の顔を立ててほしい」とその場を収め、2人を弥栄亭寄席に誘った。
その時に披露した演目「時そば」の高座で観客を感動させており、ただの蕎麦屋の店員に過ぎなかった白波(志ぐまの本名)と黒鉄(一生の本名)が彼に弟子入りして落語家になる切っ掛けを作った。
伝統と古典を重んじていた落語の世界において、彼だけは様々な高座を自由に紡ぎ語っていた技量によって客から高い人気を得ており、その鮮烈で型破りな技量は本編の主人公である桜咲朱音と共通している。
他の落語家達からも「彼が柏家三禄の名を継げば、落語界は変わるかもしれない」と評価する声が出る程に彼を異端視する者達もいた。
しかし弥栄亭で開催される特別興行の「柏宴」が開催された日に、師匠である4代目柏家三禄から「柏家一門の大名跡である三禄の名を継がせる条件として、(極道と揉め事を起こしたことがある)生そばと禄ゑんの2人を破門しろ」と命じられてしまう。徴兵された自身の無事を願っていた師匠への恩義こそあったが、自分を曲げることを良しとしなかったためにそれを拒否し、独断で生そばを初の高座に上がらせた。
結果、弟子共々破門されたが、使われなくなっていた名跡である「阿良川志ぐま」の名を受け継ぎ阿良川一門を設立した。