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概要編集

司馬遼太郎の長編小説。1958年(昭和33年)4月から翌1959年(昭和34年)2月まで宗教専門紙「中外日報」に連載し講談社で刊行された。1960年(昭和35年)前半期の直木賞(第42回)を受賞している。


あらすじ編集

織田信長による伊賀侵攻である天正伊賀の乱から10年後、伊賀忍者・葛籠重蔵(つづらじゅうぞう)は隠遁生活を送っていた。仇としていた信長はすでにこの世の人ではなくなり、生きる希望を失っていたが、かつての師匠・下柘植次郎左衛門から、信長の後を継ぐ形で天下人になった太閤・豊臣秀吉を暗殺するという依頼を受ける。忍者としての生涯を華々しく終えることのみを考えていた重蔵は依頼を引き受け、秀吉暗殺に乗り出す。

堺の豪商・今井宗久のもとへ向かう途中、小萩という、宗久の養女が現れ、ふたりは通じ、密かに愛し合うようになる。だが、彼女は重蔵を見張る役目を持ったくノ一だった。重蔵は木さる、黒阿弥らとともに、伊賀を裏切った風間五平らと対決し、秀吉の居城伏見城へ潜入する。


ちょっと意外な形でラストを迎える。


余談編集

本作の登場人物のうち、忍者キャラはだいたい創作。いろいろと作り話を交えたことで賛否両論ありながらも一応は実在の人物を主人公にしていた後年の司馬作品とは異なり、主人公もそのライバル・敵キャラもヒロイン的キャラも皆創作。



その他編集

1963年、さらに原作者である司馬の死去後の1999年にも『梟の城 owl`s castle』というタイトルで映画化している。

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