概要
その名の通り、樹脂で作られた信号灯器を意味する。
金属灯器の弱点である、錆びやすい灯器や沿岸部での劣化の問題があり、雪国や沿岸部で樹脂灯器が採用された。
他方、熱に弱く黄変しやすい弱点もある。
更に金属製に比べて庇が軽いので割れやすい問題も抱えている。
特に愛知県は三協高分子のお膝元だけあって、樹脂灯器が多く存在し、薄型LED灯器が発展するまで長年樹脂灯器が採用された。
樹脂灯器はFRPこと、強化繊維プラスチックで採用された灯器と三協高分子や小糸工業で採用されたポリカーボネート樹脂の2パターンがある。
前者は小糸の他に、日本信号や45cm灯器などで採用されている。
後者は庇が直角になっているのが特徴となっている。
後代になって三協高分子の分割型樹脂灯器が出た。また、愛知県では信号電材がシンガポール輸出用の樹脂灯器を採用していた事例がある。
小糸工業の場合は自社製灯器の他にレンズも自社製の為、塗装された灯器になると金属製とほとんど見分けがつかなくなる。
他にも京三製作所がおたふく灯器などを採用した事例があったが、京三のオリジナル樹脂は少数になっている。
尚、九州地区や山陽地区、福島県浜通り等では昭和時代は樹脂灯器を採用していたものの、平成に入ってからは信号電材灯器を中心とした電材擬きに大半が置き換えられた。
デザイン灯器は山形県、岩手県、愛媛県を代表とする金属灯器がメインの地域と宮城県、茨城県、石川県、愛知県、兵庫県を始めとする樹脂灯器が中心の県にも分かれる。