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概要

仮面ライダーOOO』の第22話「チョコと信念と正義の力」で発せられた台詞。

白石知世子の後輩である神林進「悪い奴は許さない」欲望から生まれたバッタヤミーが悪人を次々と襲い、その事を知った後藤慎太郎正義のために力を行使するバッタヤミー」を止めるのに迷いを感じていた。
しかし、アンクは「倒さなきゃメダルは手に入らない」と返す。
そして、主人公火野映司は……


『いっぱい見てきた』
『誰かを守りたいっていう気持ちが、自分達の正義がどんどんエスカレートすることがある』

『正義のためなら人間はどこまでも残酷になれるんだ』


かつて訪れた海外で紛争や、エスカレートした正義を目の当たりにした映司はバッタヤミーを倒す事に迷いが無く、私刑に加担していた神林に対しては
「あれが神林さんの考えてた正義ですか? あれがやりたかったことなんですか!」
と一喝していた。
その後、ウヴァの命令を優先したバッタヤミーに見放された神林が、自身の過ちを悟り「正義」に疲れ果てた際には……


『誰が正しくて誰が間違ってるって、とっても難しいことだと思います』
『自分が正しいと思うと、周りが見えなくなって正義のためなら何をしていいと思ったり』
『きっと、戦争もそうやって起こっていくんです』

映司に諭された神林はようやく改心し、バッタヤミーが倒された後は小さな幸せを守る為、改めて弁護士になるのを決意した。

考察

バッタヤミー登場回は正義の在り方に一石を投じたエピソードであるが、「悪い奴は許さない」考えは、大なり小なり誰もが潜在的に抱えている感情でもある。
現実でもフィクションの中でも犯罪を始めとした弱者や他人を踏みにじるような行為等の許し難い様々な悪意を目の当たりにすれば、正義感や怒りが一気に膨れ上がる人間が現れるものである
たとえ実行に至らなくても、「○○を××してやりたい」「○○が酷い目に遭えば良い」「○○はもっと苛烈な罰を受けるべきだ」等と考える者も少なくはない。

事実、日本では長らく「法で裁けない悪を残虐な手段で裁く物語」や「悪に対する苛烈な復讐」と言ったジャンルが人気を博していたり、現実世界では、犯罪の加害者に対しインターネット上で個人情報を特定して流出させる、集団で誹謗中傷を行う等の度を超えた私刑を行う者が多く存在する(また、その矛先が加害者の家族や果ては「悪い事をしたという疑いがあるだけで実際は無関係な人」にまで向いてしまうこともある)上、あるアンケートではそうした「ネット私刑」に対し6割以上の人が理解を示している等、
「悪だから痛めつけてもいい」と思う人は予想以上に多いのである。

しかし、そうした私刑は神林が作中でバッタヤミーと共に行ったものと同じで、誰かを傷つけはすれど誰も救われない行為であり、正義を口実にしただけのただの暴力でしかない。
暴走しエスカレートした「正義」「相手を傷つけたい」という醜い「欲望」でしかないのだ。

また、今回の構図はバッタヤミー(=初代仮面ライダーのモチーフ)がタジャドルコンボ(=猛禽類をシンボルとするショッカー)に敗北したかのように見える点を含めて、仮面ライダーシリーズそのものへの皮肉とも解釈できる
しかし、同時に「仮面ライダーと怪人の力の根源は同質」「どちらが正義になっても悪になってもおかしくない」、つまり『正義と悪は表裏一体』で、全ては『責任と使い方次第』であると言うシリーズへの肯定であるとも捉えられる。
いわゆるクロス・オブ・ファイアの概念を、端的に表した回だとも評価できるだろう。
胸に灯った正義の炎は大切なものだが、その炎が全てを焼き尽くす獄炎と化してしまえばそれは悪と変わりない、ライターだろうが火炎放射器だろうが無差別に撒き散らせばただの放火魔でしかないのだ。

そして映司は「目の前で起こっている事に一生懸命になるしかないんです。小さな幸せを守る為に」とも述べている。
この回は正義の為に司法試験に落ち、家族を蔑ろにしてまで私刑を下す独善的な執行者になった神林が、一旦思い留まって己を振り返り、過ちに気付いて反省したことで家族の生活を守るべく、もう一度司法試験に挑む道を選択した所は正に神林が『子供のヒーロー』への一歩を踏み出した瞬間であろう。
もし、小さな幸せを守れない人間が正義の為に動くといずれ、大小問わず悲惨な末路を辿るのである。神林は一線を越える前にそれに気付けたのは幸いだったろう。
自分の幸せすら守れない存在が、他人の幸せに構っていてはろくな事態にならないのだ。

そしてこの言葉は、番組後半の映司自身にも返ってくるのだった……。


関連タグ

仮面ライダーOOO バッタヤミー 神林進
悪の敵 私刑

現実世界関連




フィクション作品

仮面ライダーシリーズ(上記の仮面ライダーOOO関連以外)

仮面ライダークウガに変身する青年。基本的に暴力が嫌いな優しい人物であり、人間を襲う未確認生命体と戦う時も力の行使に苦痛を感じていたが、本編後半で登場した未確認生命体第42号の残虐非道な殺戮を見せつけられた際には、怒りが爆発して憎しみのままに第42号を嬲り殺しにしていた。無論戦闘後に自己嫌悪に陥り、以後憎しみで戦わないように自制・専念していた。「たとえ正義であっても暴力は良くないし、やりたくない」と標榜し、「酷い事をされたのなら暴力は致し方ない、でも本当に暴力しか解決策がないのか?」と悩み続けつつも、相手が決して分かり合えない異常な価値観を持った相手である故に、残酷になり続ける状態を強いられた人物。

仮面ライダーカイザに変身する青年。人当たりの良く爽やかな好青年に見える、これは表の顔であり、自らが嫌った人間に対して卑劣な嘘で騙したり、邪魔者同士を潰し合わせる為に根も葉もない噂を流したりもした。また人間が一度死ぬ事態によって生まれた、人類の進化系・オルフェノクに対して異常なまでの憎しみを抱いており、人の心が残っている個体に対しても罵声を吐きながら苛烈な攻撃を仕掛け始末しようとした。このように一見好印象等持てそうにもないキャラクター造形であるが、彼がオルフェノクと戦う理由は、過去に自分が所属していた孤児院をオルフェノクに襲撃されて以降、「オルフェノクは人間の敵」とする思想になったからであり、つまり彼はオルフェノクから人類を守る正義の為に戦うのである。正義とは何か?とする仮面ライダー555のテーマの体現者とされる人物であり、正義の暴走を表した人物である。

人間を喰らう化け物アマゾンを自分自身もアマゾンとなり狩る男性。
その行動原理は「人間を守る為」と一見正義にしか見えないものであるがseason1終盤、トラロックガスによって狂った彼の行動は、理性を保っている善良なアマゾンやアマゾン側に就くと決めた水澤悠にとっては、ただの虐殺者にしか見えないものであった……。

風都署の捜査三課集団スリ特別捜査班の班長にしてコマンダー・ドーパントに変身する男性。
かつて自分が逮捕した犯罪者に復讐され、目の前で妻が射殺されてしまう。
犯罪者に対する憎悪に支配された彼は、犯罪者に私刑を加える『処刑人』へと変貌してしまった悲劇の復讐者。
しかし自らの行為を明確にだと自覚しており、照井を新たな後継者にしようとしたのも、自らの所業に疲弊した故の行動なのかも知れない。

仮面ライダー鎧武』の主人公格のライダーの一人でチームバロンのリーダーだった男。
ユグドラシル・コーポレーションの進出により実家の工場が潰され、そのせいで幸せだった日常と家庭が崩壊してしまった事から、過剰なまでに弱肉強食の思想に囚われてしまった。
バロンの力を手に入れてからもその思想面に変化こそないものの、それでも時には弱者を守る為に戦うといった形で正義感を見せる展開もあったのだが、結局過去に囚われ続けた結果、弱肉強食の思想や正義感は歪んだ形で先鋭化されてしまう。
そしてロードバロンに変貌を遂げたのを機に完全に力に溺れ、「争いの無い世界を創る」という名目で、仲間を裏切るどころか「人類抹殺」という究極の弱肉強食の道を選び、身を滅ぼす事になった。







その他作品

特撮・実写作品


  • 紅い眼鏡:本作のキャッチコピーが「正義を行えば世界の半分を怒らせる」。正義のために武闘路線をひた走り続けた武装集団の栄光と没落を描いている。


  • 刑事ドラマや推理アニメ等、刑事事件を取り扱う作品全般:正義を仕事とするが、犯罪者を捕まえる為に冤罪や、疑惑の段階で被疑者への非人道的な対応、捜査が誤っても責任を取らない・謝らない姿勢、隠蔽の為なら末端の切り捨てや最悪、無実の被疑者の後の人生を破滅も辞さない、正義とかけ離れた風刺が多く見受けられる。

  • 必殺仕事人(2022):「正義のためにどこまでも残酷になった人間の顛末」が描かれたストーリーとなっている。

漫画・アニメ

  • 井上キャラ 卑劣漢 虚淵玄:該当するようなキャラが非常に多く、現実に対する警鐘として機能するはずが、逆に視聴者や読者が演者を叩く、本末転倒な事態が数多く見受けられる。尚、上記の草加は井上キャラである。


  • 誰もが皆ヒーローになれるよ:別作品の有名なフレーズ。パッと見は本記事とは真逆の明るいイメージだが、実は結構深い意味が込められている。詳しくは個別記事を参照。

  • ジョジョの奇妙な冒険:上述した神林の様に人間や生き物として正しく生きる為には、一旦自分を止めて振り返り、反省していく事で成り立っていることに気付く事象が強調されている。


  • 歌姫の騎士団ソレスタルビーイング:前者は『恒久的な平和』、後者は『来るべき対話を行う為、地球間の争いの終結』の為に尽力している組織であるが、どちらも傍目では戦争をしている国家群を相手に、手前勝手な理由で理不尽に武力を振りかざすテロリストである。どちらも結果を出せたから英雄扱いされているだけで、歯車が噛み合わなかった場合は擁護のしようがない犯罪者集団でしかない。特にソレスタルビーイングの場合は、裏切り者の介入が原因とは言え、物語前半である『1st』にて世界全体を敵に回して1度壊滅する事態にまで至っている。



  • 美遊兄Fateシリーズのスピンオフプリズマ☆イリヤの登場人物。彼の世界では人類な緩やかな終わりを迎えており、人類を救うためには聖杯(Fate)の力を持つ彼の義妹美遊・エーデルフェルトを犠牲にしなければならなかった。つまり全を生かすために小(妹)を切り捨てなければならない状況だったのだ。彼は妹を聖杯として扱うことを拒否し、妹の幸せのためだけに闘った。つまり上記二人と異なり、正義のために残酷になることを拒否し、としての生き方を選んだ人物である。だがその在り方を一体だれが責められるだろうか?

「お前が全のために一を殺すというのなら、俺は何度でも悪を成そう。──覚悟はいいか…正義の味方。」

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親記事

火野映司 ひのえいじ

兄弟記事

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