ここに来る前……たくさんの概要を書いてきた
リーゼント
「帰る場所がないなら俺と一緒に来ればいい、仕事くらい俺の親父に頼み込んで…」
ドカベン
「犯罪者でもか? 」
「俺はここに来る前……たくさんの人間を殺してきた」
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彼らが属する組織鉄華団はマクギリス・ファリドが起こしたギャラルホルン内でのクーデターに加担、結果その決戦に敗北したことで犯罪集団として指名手配され、追い詰められてしまう。
元々組織に見切りをつけ始めていたリーゼントことザック・ロウは組織を抜け出そうとドカベンことデイン・ウハイに逃げ出すことを持ちかけた際にドカベンが突如として殺人鬼であることをカミングアウト。
「殺人ドカベン」誕生の瞬間である
いくら孤児も多く行き場がない連中も多いとはいえ、流石のリーゼントも唐突なカミングアウトに困惑していた。
この発言によって温厚で優しいドカベンみたいな顔をしたモブ程度だった彼は「中学生が勇気を出してカンニングを告白した」的なノリで大量殺人を告白したことでサイコキャラとして脚光を浴びることになる。
仮に殺ドカが「人を殺さざるを得ない劣悪な環境に置かれていた」可能性もあるにしても、殺ドカが語っているのは「人を殺したことによる後悔や自責の念」ではなく「人間を殺したせいで就職先がない」というのがポイントで被害者に対する想いなどは本編中では語られていない。
そもそも、このやり取り以降は劇中でこの設定に触れられることは二度と無く、余計に謎が深まることになった。
だが、この発言によって今までの殺ドカが登場するシーンが全て意味深となっている。
「常に殺人衝動に駆られていたのではないのか」、「人」ではなく「人間」と言う表現から「殺ドカにとって、人は動物と変わらないのではないか」等と数多く考察されることになった。
最終的には地球で自分のIDを書き換えしたことで、今までの殺人歴等と言った全データを全て闇の中に葬り去ることに成功。
こうして殺ドカは野に放たれることになった。
自由の身になった後はリーゼントの親が経営している会社で元気に働いている姿が最終話にて描かれている。
殺ドカの秘密に触れ、秘密を知ってしまったリーゼントが今後の人生から殺ドカから逃れることが出来ないのは言うまでもない。
余談であるが、殺ドカの中の人である木村昴は書籍インタビューにて、一番印象に残った場面としてカミングアウトシーンを挙げている。