実写版:川谷拓三
概要
『ドカベン』の登場人物。づら。フルネームは殿馬一人 (とのま かずと)。づら。
野球遍歴は明訓高校→オリックスブルーウェーブス→スーパースターズづら。
山田太郎、岩鬼正美、里中智と並んで「明訓四天王」と呼ばれ、微笑三太郎を入れると「五人衆」。づら。
ピアノは常に持ち歩いているづら。リズムが大事づらぜ。
岩鬼とは喧嘩仲間づら。なぜか、結婚の時期もおれと一緒だったづら。カミさんはマドンナづら。マドンナ命づら。
ピッチャーもやったづら。まあ、なんといっても「白鳥の湖」「花のワルツ」「G線上のアリア」などの秘打づら。
づら。
大真面目に
元々は野球など全く縁が無く、将来を嘱望された天才ピアニストだった。ところが中学時代にサチ子にたまたまスカウトされて野球部に入部。ここから長い野球生活が始まる。小柄な体に伴い、手のひらも小さかったために手を大きく開かないといけない楽曲では指が届かないため、まともに演奏できない弱点があった。それに対して殿馬は手の指の付け根を切り開く手術を行うことで克服している。
明訓およびプロ野球でも「2番・セカンド」を天職とする選手。二塁手として超一流で、プロ1年目のオールスターゲームでボールを獲ったグラブの甲を叩いてトスを送るウッドペッカー・トスを行い鮮やかなゲッツーを披露。一塁ランナーとしてそれを目の当たりにした微笑三太郎からは「日本でやるとしたらお前だよな」と驚くよりもむしろ感心されている。
ごくまれに投手をすることもある。投手としてはフォークボールを中心とした技巧派。ただしスタミナに欠けるので9回投げるのは難しい。
攻撃に於いては上の「白鳥の湖」を代表とする数々の秘打を駆使する広角打法のバッター。出塁率が高く、走塁技術も高い。明訓では『大甲子園』を除いて一番の岩鬼が当てにならないので事実上のリードオフマンになっている。小柄な体故にパワーはないのでホームランはほとんどない。1度目の甲子園優勝の後でピアノを捨てて野球をする理由(口実)にしたのも「ホームランを打ったことが無かったから」だった。2度目の甲子園決勝で特注バットの力を借りてサヨナラホームランを打った。ただその後も何だかんだ言って野球を続けた。
なぜ野球を続けたのかといえば、山田・岩鬼らが面白かったからということに他ならないだろう。
プロ野球編1巻でも意志が固かったはずの音楽への道を蹴ってプロ入りした理由について、山田に「おめぇを敵に回してみたかったづらよ」と語っている。
明訓四天王(山田・里中・岩鬼・殿馬)の中で、山田・里中との間はつかず離れず。2人からは絶対の信頼を置かれており、打球がセカンドに飛んだ時点でアウトになったことを確信している。殿馬からも二人(特に山田)を信頼しているのは間違いないが、そのことを表に出すことはめったにない。
一方で岩鬼に対しては極めて辛辣。殿馬らしく洒落をきかせた悪口で岩鬼を怒らせ「とんまー!!」と怒鳴られるのが明訓の日常風景。しかし言葉とは裏腹に殿馬が投手をした時は岩鬼が守るサードに打たせるなど心の中では岩鬼を信頼していると山田から評されている。
スーパースターズ編で双方が結婚した際には家が近所になる(岩鬼・夏子夫妻の新居の隣の建物が殿馬・マドンナ夫妻が住むマンション)など、お互い切っても切れない関係となっている。
ミスターフリーダム
神奈川県大会予選中には帽子を斜に被りアンダーアーマーも下着も着けずユニフォームの首元のボタンだけ留めて臍が丸出し、という審判から退場を言い渡されてもおかしくない格好で試合していた(流石に甲子園ではちゃんとユニフォームを着ていたが)。また、作品を通じて硬式球を2個使っての球乗りを披露していたのだが、誰からもツッコまれることはなかった(「まあ殿馬だから」で許されるあたりファンがいかに彼を愛しているかがうかがえる)。
副業(?)
先述したようにおもちゃのピアノを持ち歩きよく弾いているが、本物のピアノに向かっても天才的で、ピアノの腕を披露してほしい、という依頼でしばしば呼ばれ、「上手すぎて参考にならない」と言われるのがオフシーズンの定番ネタ。有名ピアニストからも声がかかり、野球を引退してもソロコンサートで充分裕福な暮らしが出来るほど(本人は「音楽は歳とってからでも出来るづら」と野球の道を選んだが)。
ちなみに
「プロ野球編」でオリックス(現オリックス・バファローズ)に入団することになったのは、イチローが殿馬大好きで「僕1番で殿馬が2番!」と作者にリクエストしたため。ドラフト指名順位が5位というのがいかにも殿馬らしい。