概要
日本のテレビドラマ。『水戸黄門』の登場人物の一人であるくノ一・かげろうお銀を主役に配した水戸黄門唯一のスピンオフ作品。お銀率いるかげろう組の世直し旅を描いたドラマ。
TBS系列の「ナショナル劇場」枠で、1995年5月22日から9月4日まで放送された。
ちなみに本作で『水戸黄門』の印籠に相当するのは光圀の直筆書状で、事件の終盤に、お銀が大名や城代家老や奉行らの寝所に参じて書状を見せ、悪事の証拠を提示して悪党への裁きを求めるというものになっている。
お銀は毎回のように入浴シーンがあるお色気シーンがお約束のキャラだったが、本作でもその路線は取り入れられていて、お銀や配下のくノ一たちがお色気で悪党を陥れるシーンが見られて、本作の売りになっている。
DVD-BOXは2005年12月にタキコーポレーション(現オデッサ・エンタテインメント)より発売されている。
ストーリー
水戸老公一行が諸国満游の旅を終え、かげろうお銀は久々に暇を得て故郷の大和国月ヶ瀬村への帰路を急いでいた。
月ヶ瀬村ではお銀の祖父で伊賀忍・藤林一門の頭領である藤林無門と、配下のくノ一達が薬の行商をしながら穏やかに暮らしていたが、そんな中、無門の元に配下のくノ一の伽羅から大和郡山藩十二万石の大事の報せがもたらされる。
次席家老・黒柳監物の讒訴(ざんそ)により国家老・津坂長左衛門が蟄居謹慎となり、その監物は病床にある藩主・本多忠常の病気平癒と称して祈祷師を呼び薬湯を飲ませているが、御典医・宮内玄朴が調合するその薬湯にからくりがあった。
監物は薬に南蛮渡来の毒物・砒素を混入することにより藩主を殺害し、正嫡鶴千代に代わりお尚の方が監物と通じて出来た子・菊丸を世継ぎにと企んでいたのである。
その監物が唯一恐れるのが水戸老公。藤林無門とお銀を通して企てが光圀の耳に入るのを恐れた監物は、根来の抜忍・髑髏党の宇陀羅坊に無門を襲撃させる。
無門は宇陀羅坊の凶弾を受け絶命、お銀も髑髏党に襲われた。柘植の飛猿の報せにより水戸の西山荘でこの一件を知った光圀は急遽、助三郎と格之進を大和へ向かわせた。
お銀はくノ一たちを従え横笛小太郎、名張の翔、飛猿、そして助さんと格さんらの協力を得て髑髏党を滅ぼし、見事に祖父の仇を討つ。
そして、助三郎と格之進は光圀に託されたある物をお銀に渡す。それは、光圀が書いた諸国の大名に宛てた書状であった。
此者 長年に渡り 我が身辺に 仕える者也
此書面 差し出したる時 此者の言は 水戸光圀の言と思ひ
真摯に対処 致される様 願ひ上げ候
水戸光圀
「これまでの諸国漫遊で諸大名の政を見て悪を正してきたが、今回の大和郡山藩の内紛のように、目の届かないところが随所にある。自分に代わり、お銀を頭に藤林一門に悪を正す力を貸してほしい」との光圀からの伝言を受け、お銀は光圀の願いを快諾。
かくして、お銀が率いる忍者集団『かげろう組』の世直し旅が始まったのである。