概要
現在の宮崎県高千穂町にいたとされる蛇の精霊。
この地には昔から蛇の生き霊の番が暮らしていたが、ある時、村人が彼らの住む野を焼いて蕎麦畑にしようとした。人間達にも生活が掛っている事を汲み取った蛇は畑を作っても良いが、野焼きは妻のお産が終わるまで待つようにと条件を加えた。
しかし、村人は話を全く聞き入れず、野に火を放ち始めたせいで蛇の妻子は焼き尽くされてしまった。
信じていた人間達に裏切られ、あまつさえ、妻子の命を奪われた彼は祟り神となり、毎晩現れては光る眼でギロリと村人を睨み続け、村に不作を招いた。特に蕎麦の実は一つも採れる事はなかった。
科学が発達した明治期になっても祟りは止むことはなく、馬は暴れ、大入道が出現し始めるなどの奇怪な事件が相次いだ為、人々は彼を『水釈様』(水神様の使いの意)と呼んで祀った所、祟りは止んだという。
関連タグ
夜刀神:同じく蛇の精霊で祟り神
お竜さん:高千穂に封印されていた大蛇だが、関連性は不明。