江葉
こうよう
CV:井上瑤
「娥舎」での銀河と同じ部屋で暮らすことになったルームメイトである。
異国風の服装をした女性で、茅南州出身であることを本人が語っているが、それ以外のことについては主要人物となるルームメイト4人の中で具体的な出自が劇中で明かされていない唯一の人物である。
原作では、出身地である茅南州は200年前まで中華の外に在った旨の記述があることや、着ている服装などから、出身は現在の内モンゴル自治区がモデルであると思われる。
頭脳明晰で冷静で美人であるが、無表情である。「娥舎」では煙管をよく吸っている。官職は「才人(第七夫人)」。後宮軍においては軍師のような役目についた。銀河とは精神的な波長が合うようで、原作では他の二人よりも親しくなっている。
特殊な習俗(結婚適齢期を迎えた女子を離れに住まわせ、そこへ通ってきた男と交わる。子が出来た際、通ってきた男が一人ならその男と、通ってきた男が複数いればその中で女子が最も好ましいと思う男と結婚する、というもの。作中では『禽獣にも劣る蛮習』として侮蔑の対象になっている。ちなみに江葉の場合、一度通ってきた男は2度と通ってこなかったらしい。子供も出来なかった為、それで宮女にでもなろうかと思ったとされている)を持った少数民族で閉鎖的な地方出身である。
前述の習俗を経験している為、処女ではない(性描写が極力抑えられたアニメでは全く言及されていないが)。
輸入兵器の操作法は一般の素乾国人には理解しがたいが、江葉は短期間に理解できた超人的天才である。
軍事的才能について
原作では後の世の歴史評論家から「理解力の高さはともかく、軍師としての作戦立案能力に関しては所詮、女子供の浅知恵の域を出ておらず、けだし幻影達軍の無能があればこそ、評価される結果に至ったに過ぎない」と酷評されている。(後宮という逃げ場のない場所で門を破壊し、籠城を選んだ為)
もっとも、文中では「籠城策を実行してから、ようやく脱出経路に考えが及ぶ辺りが酷評される根拠であるが、そもそも江葉は兵法を学んだことがない上に、時間的にも精神的にも余裕がなかった。江葉と同じ(戦いに不馴れな女達に銃器の使い方を教えながら戦い、更には生き延びなければならないという)立場であれば、どんな名将軍でも彼女と同じ選択をせざるを得なかっただろう」とフォローが入っており、門を破壊した後は、昔読んだ本の記憶を頼りに秘密の脱出路を探したり(物語の都合上、素乾城や後宮にはそんなものは存在しないのだが)、何とか生き延びる為に涙ぐましい努力をしていたことが窺える。
原作では、後宮脱出後、出産する銀河を匿う為に自らの故郷である茅南州(銀河の故郷の緒陀県よりも更に辺境のド田舎)に銀河と共に帰省。そこで生まれた子がある程度育つまで、銀河と子育てにいそしんでいたとされ、後に銀河と共に(作品世界中での)西欧に渡り、エヴァ・シュライン(江葉を訓読みすれば「えば」なので、筆者の遊びによるネーミングと思われる)を名乗って(ちなみ銀河はリヒトシトリ侯爵夫人と名乗り、あだ名が「ミルキーウェイ(=天の川=転じて銀河))、社交界のサロンで銀河とともにオピニオンリーダーとして男性相手に女権論を展開、その怜悧さと変わらずの無愛想ぶりから「冷感症夫人」と陰口をたたかれていた、という後日談があったりする。
備考
無口・無表情の美人女性キャラのことを俗に「綾波系」と呼ぶことがあるが、江葉は綾波レイが登場する『新世紀エヴァンゲリオン』以前に発表された当作に登場しているため、その元祖と言える。