概要
一玉4000円と高すぎる台(通常のパチンコ(一玉4円)の1,000倍)で、挑戦するためには300万円(750発)・500万円(1,250発)・1,000万円(2,500発)のいずれかのパッキーカードを買ってやることになる。
釘が密集した配置の「釘の森」、電役である開閉する羽根がある「スルー」、本丸である「三段クルーン」を制覇しないといけない難関揃いの台である。
クルーン三段目の当たり穴に入賞すればジャックポットとなり、その時点でストックされている玉すべてを獲得できる。ゴト防止のために時折真鍮製の玉を使用している時もある。
この筐体が置いてあるカジノにはこれ以外にも一玉400円や40円のパチンコがあるが、これらは全てデジパチ。
釘の森は基本的に100発分の1がチューリップの手前に届くC設定となっているが、他にも月1回30発分の1が届くA設定、月5回60発分の1が届くB設定となる日もある。
実はこの沼パチンコ、見えないところで卑劣極まりない遠隔操作の仕掛けが施されている。まずは台そのものの傾き・クルーンの傾きをリモコンで遠隔操作できる事、スルーの上にはセンサーがあり発動させると羽根に玉が来るタイミングで必ず羽根が閉じてハズレ穴に弾く仕組みである事。そして三段クルーンの最下層である三段目の当たり穴には外周に近いところに見えにくい突起が存在し、外周からの玉の入賞をブロックし、極め付きには当たり穴から空気が吹き出すという凶悪さである。
理論上ジャックポットの確率は30分の1、60分の1、100分の1×3分の1×60分の1の数字である5400分の1、10800分の1、18000分の1となっているが、これらの鉄壁の防御のおかげで通常のプレイではまず攻略は不可能となっている。
というのもジャックポットの時点でストックされている玉を総取りできるというシステム上、一度でもジャックポットを出されてしまうと挑戦者がいなくなってしまい、ストックが無ければ最低でも3億円は店側が保証しなければならないという店側にとっては大損となる仕組みをとっている為である。
これを制するためカイジたちは、カジノのビルそのものを沼の後方に向かって数㎝単位で微妙に傾ける、釘の調整用のゲージ棒をすり替えて調整を誤らせる、という一条聖也の過信の隙を突いた作戦(作戦内容は各自で確認推奨)で五分まで勝負可能なところまで漕ぎ付ける。
それでも三段クルーンの攻略にはあと一歩で届かず、最後は偶然の産物と板崎の機転でどうにか玉をねじ込んで勝利をもぎ取った。
なおカイジや坂崎孝太郎が挑戦する前に二名ジャックポットを出した者がいたが、それは誰であろう兵藤会長と利根川である。そのためカイジはジャックポットが出たのはただの接待だと考えている。
『中間管理録トネガワ』では利根川幸雄が訪れた際の接待の様子が描かれているが…
- 釘がYの字に配置され、9割の確率でチューリップへ到達する設定Y
- センサー部分の仕掛けは真逆の玉が来るタイミングで羽根が開く。
- クルーンの最下層は流石に絶妙な調整でガバガバ状態でも「入りそうで入らない」ため中々攻略できないが、主任の操作によりハズレ穴から玉が文字通り飛び出してくる通称「フェニックスシステム」が搭載されている。
接待を通り越して舐められているとしか思えない杜撰さに、利根川も心の中で(そりゃあ泣きたくなるだろっ……!沼もっ……!)と突っ込まざるを得なかった。
余談
ちなみに、777タウンではこれを再現したアプリが存在する。
また、この「沼パチンコ」は実物として再現するとなると三段クルーンが過去に現実のパチンコ台で存在したクルーンとかなり違う為、クルーン内で玉が穴に入らず残留してしまう可能性が高くなっている。パチンコのクルーンは皿のようになっており、普通は真ん中付近にハズレ含む複数の穴があり必ずどれかの穴に入って球が出ていくようになっている。しかし沼パチンコだと外周に近いところに穴があるので、クルーンの傾きの状態によっては穴に落ちないで弾が残り続ける事態がありうるのである。
この為、『カイジ』に登場したギャンブルでは数少ない再現性が非常に困難なシロモノのウチの一つに入る。
……はずだった、それまでは。
ざわ… ざわ…
なんとカイジのパチンコ台を多くリリースしてきた高尾がP沼として本当にやりやがったっ……!!
…が、このP沼は一見原作同様完全に大当たりまでアナログに見えるが、実は二段目の三段目へ繋がる穴が一般のパチンコにおけるスタートチャッカー扱いであって、三段目は完全に演出の役モノである。つまり、二段目通過の段階で当たりかハズレかを抽選しているのである。
また、大当たり時も原作と異なる。