概要
海底ハイキングとは、漫画『ドラえもん』のスピンオフとして独立連載された漫画『ドラミちゃん』のエピソードの一つである。
漫画『ドラミちゃん』としては6話目となり、小学生ブック1974年7月号に掲載された。
後の海底鬼岩城の原型とも呼べる作品。
あらすじ
夏休み。カバ田は「水泳で千メートル泳げるようになる」みよは「植物採集」ズル木は「ハワイでサーフィンの名人になる」と目標を語り合う中、のび太郎はどうせ家でゴロゴロするだけとバカにされるが
「どうせやるなら、大きなことやりたいのよ。みんなみたいにありふれたことじゃなく」
「いずれ記者会見で発表するから。しょくんもテレビや新聞をみて あっと、おどろいてくれたまえ。」
と自信満々に大口を叩いて帰っていった。
のび太郎は「日本からサンフランシスコまで太平洋を歩いて横断する」という前人未到の計画を既に立てていたのだ。
ドラミの協力で自分の身代わりのロボットを作り、水中で呼吸が出来るエラチューブ、1万メートルの水圧でも耐えられる深海クリーム、陸上の10倍のスピードで歩ける快速シューズ、海水を真水に変える真水ストロー、暗闇でも照らすヘッドライト、強力な衝撃波を出す水圧銃、体に吸収しやすいコンクフード、鮫を防ぐ寝袋等がある『海底ハイキングセット』の準備も完了。
早朝、ドラミに見送られながら、のび太郎の海底ハイキングが始まった。
サメと戦ったりマリンスノーを見たりと海底を冒険していくのび太郎。
ところが海底火山の噴火の衝撃でのび太郎は吹き飛ばされてしまう。
のび太郎は通信機を初め、ほとんどの道具を紛失してしまっていた。
そんなのび太郎の前に深海潜水艇が現れる。乗組員たちから、オバケだと勘違いされながらも潜水艇にしがみつき、辛うじて帰ってくることができた。
ドラミに身代わりロボットを閉まってもらった後、のび太郎は2、3日ゆっくり休むと言いだし、満足げに昼寝をする。
その様子を見たズル木たちは「やっぱり何もしていない」とバカにするのだった。
てんとう虫コミックス版
『ドラえもん』が「てんとう虫コミックス」として単行本化された際にドラミの初登場エピソードとして単行本第4巻に収録された。
内容はドラえもんの登場人物に置き換えたものに修正され、本来のドラミ初登場回である「ハイキングに出かけよう」の展開を1ページにまとめた補足漫画が追加されている。
運動音痴で泳げないはずの野比のび太がやけにアグレッシブな旅行計画を立てていたり、ジャイアンが異様に小さかったり『ドラミちゃん』の登場人物であるズル木がそのまま登場していたりと元エピソードの名残がある。
大山のぶ代版アニメ
1980年4月8日放送。
サブタイトルは「おまたせ ドラミちゃん初登場! のび太の海底ハイキング」
主な変更点は以下の通りで「ドラえもんの登場」「海底ハイキングのタイミング」「ドラえもん兄妹がのび太の救出に行く」は以降のアニメ版でも描かれている。
・サブタイトル通り、ドラえもんのアニメ作品ではドラミが初登場。
・放送時期の関係から夏休みではなく、ゴールデン・ウィークの出来事に変更。
・ズル木がスネ夫に変更。
・原作での海底ハイキングはのび太が既に計画していたのに対し、アニメ版ではジャイアンとスネ夫にからかわれたことから海底ハイキングを決意。
・ドラえもんはのび太とケンカ別れする形で定期検診を受け、耳も付けてもらえることになったがのび太の危機をドラミから知らされたことで耳を諦め、のび太救出に向かう。
・海底人(のび太)のことがエピローグで新聞に取り上げられる。
大山のぶ代版アニメ2
2003年4月5日放送。
サブタイトルは「ドラミちゃん登場!のび太の海底大冒険」
以前放送した話のリメイク。
水田わさび版アニメ
2008年10月24日放送。
DVD「TV版NEWドラえもん プレミアムコレクション SF(すこしふしぎ)スペシャル~地底へ、海底へ、夢の中へ」に収録された。